26年3月の生乳生産量、前年同月比9.8%増
ニュージーランド乳業協会(DCANZ)によると、2026年3月の生乳生産量は193万5000トン(前年同月比9.8%増)と、11カ月連続で前年同月を上回った(図1)。また、2025/26年度(6月〜翌5月)の3月までの生乳生産量も、1981万7000トン(前年比3.4%増)と前年度を上回って推移している。
この要因についてニュージーランド証券取引所(NZX)は、25年は北島、南島のいずれも干ばつに見舞われたのに対し、26年は好天に恵まれ牧草の生育環境が良好であり、一部の酪農家では経産牛1頭当たりの乳量が増加したことなどが寄与したためとしている。
今後の生乳生産の見通しについてNZXは、良好な生産環境が持続すると見込んでいる。一方で、中東情勢の長期化により肥料や輸入飼料価格がさらに上昇すれば、経営環境が一変するのではないかと懸念している。
26年3月の乳製品輸出量、チーズを除く主要3品目で増加
ニュージーランド統計局(Stats NZ)によると、2026年3月の乳製品輸出量は、チーズを除く主要3品目が前年同月を上回った(表、図2)。品目別に見ると、チーズは豪州向けが大幅に、中国向けはかなりの程度、いずれも減少したため、輸出量は前年同月を下回った。一方で、脱脂粉乳はインドネシア向け、全粉乳は中国向け、バターおよびバターオイルはインドネシア向けがそれぞれ大幅に増加したことにより、いずれも輸出量が前年同月を上回った。2025/26年度累計(25年6月〜翌3月)では、主要4品目のうち全粉乳、バターおよびバターオイルが前年同期を上回った。
26年4月21日のGDT平均取引価格、全粉乳、バターが前回を下回る
2026年4月21日開催のGDT
(注1)平均取引価格は、主要4品目のうち全粉乳、バターがいずれも前回開催時(26年4月7日)を下回った(図3)。取引全体では、全乳製品の平均取引価格は1トン当たり4143米ドル(66万8639円、1米ドル=161.39円
(注2)、前回比2.0%安)とわずかに下落した。
NZXは、NZや米国などの主要生産地域でバターなどの乳製品生産が増加したことや、中東情勢や原油価格の上昇を背景に、物流確保に対する懸念から調達を先送りする動きがあったことなどから、市場価格が下落したとみている。
一方、脱脂粉乳については、東南アジアからの需要に支えられ、前回開催時の価格を上回ったとみている。
(注1)グローバルデイリートレード。月2回開催される電子オークションで、当該価格は乳製品の国際価格の指標とされている。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2026年4月末TTS相場。
(調査情報部)