26年1〜3月の牛肉生産量、前年同期比1.0%減
中国国家統計局によると、2025年の牛肉生産量は、801万トン(前年比2.8%増)とわずかに増加した(図1)。現地関係者によると、1)生乳価格の下落で乳用牛の
淘汰が進んだこと、2)24年から続く経営悪化の影響で肉用牛農家が繁殖雌牛を淘汰したこと―などが要因とされている。
一方、26年第1四半期(1〜3月)の牛肉生産量は、189万トン(前年同期比1.0%減)とわずかな減少に転じた。これは、繁殖雌牛の減少に加え、生産コスト上昇により肥育農家が子牛の導入を控えたことで、出荷頭数が減少したことなどが要因とされている。
26年の牛肉生産量について中国農業農村部は、同年4月に公表した「中国農業展望報告(2026−2035)」
(注1)(以下「展望報告」という)の中で、同様の理由から766万トン(前年比4.4%減)とやや減少すると見込んでいる。
(注1)海外情報「中国農業展望報告(2026−2035)を発表(牛肉編)(中国)」(https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_004378.html)をご参照ください。
26年5月の牛肉卸売価格、前年同月比6.1%高
中国商務部によると、2026年5月の牛肉卸売価格は1キログラム当たり65.3元(1555円:1元=23.82円
(注2)、前年同月比6.1%高)となり、25年7月以降、すべての月で前年同月を上回っている(図2)。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2026年5月末TTS相場。
この要因について中国農業農村部は、26年5月に公表した「農産物需給動向分析月報(2026年4月)」の中で、肉用牛飼養頭数の減少による供給のひっ迫感により生体牛価格が上昇したためとしている。また、今後の牛肉価格については、気温の上昇に伴い消費が鈍化する傾向にあることから、価格は小幅な変動にとどまると見込んでいる。
26年1〜4月の牛肉輸入量、冷凍・冷蔵ともに米国産が9割以上減少
2026年1〜4月の牛肉輸入量を見ると、輸入の大部分を占める冷凍牛肉は105万5350トン(前年同期比21.7%増)と大幅に増加した(表1)。
一方、冷蔵牛肉は2万2447トン(同4.9%減)とやや減少した(表2)。中国海関総署(GACC)による更新期限を迎えた米国内の中国向け牛肉輸出施設登録の更新が行われていなかったことから、米国産の輸入量が冷凍、冷蔵とも前年同期比で9割以上減少したものの、ブラジル産や豪州産の増加が、冷凍牛肉輸入の著しい増加につながった。輸入増加の要因としては、中国が同年1月1日よりセーフガード(SG)
(注3)措置を適用したことで、年後半における割当数量の超過を懸念した輸入業者が、前倒しで輸入したことなどが挙げられる。
(注3)海外情報「中国の新たなセーフガード措置に対する中国国内の反応(中国)」(https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_004275.html)および「中国の新たなセーフガード措置に対する豪州の反応(豪州)」(https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_004262.html)をご参照ください。
26年の牛肉輸入量(冷凍および冷蔵)について展望報告では、1)SGの影響により、牛肉輸入の増加傾向が抑制されること、2)国際市場における牛肉価格の高騰により、国内外の価格差が縮小していること−などから、269万トン(前年比3.9%減)とやや減少すると見込んでいる。
(調査情報部)