26年第1四半期の生乳出荷量は前年同期比5.1%増
欧州委員会によると、2026年3月の生乳出荷量(EU27カ国)は、前年同月比4.9%増の1351万トンと前年同月をやや上回った(表1)。主要生産国ではいずれも前年同月を上回り、増産基調が継続している。他方で、現地報道によると、4月の牧草の状況は西欧で生育条件が良好であったものの、東欧では低温や平年を下回る降水量により一部で生育に遅れが生じており、同月の生乳生産も生産国ごとにばらつきが見られるという。なお、第1四半期の生乳出荷量は、前年同期比5.1%増の3730万トンとなった(図1)。
同委員会によると、同年3月の乳脂肪分は4.21%、無脂乳固形分は3.48%と、前年同月を0.02ポイント、0.01ポイント、それぞれ上回った。
26年4月の生乳取引価格、前月割れが継続
欧州委員会によると、2026年4月の生乳取引価格(EU27カ国平均)は、100キログラム当たり42.91ユーロ(1キログラム当たり80円:1ユーロ=187.16円
(注)、前年同月比19.1%安)となった(図2)。25年10月以降、生乳出荷量の増加が価格の下落圧力となり、7カ月連続で前月を下回ったが、4月は乳製品価格が安定して推移したことから、下落幅は前月に比べて縮小した。
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2026年5月末TTS相場。
バターとチーズ価格は前年同期を下回るも、脱脂粉乳は上昇傾向が継続
欧州委員会によると、2026年5月24日の週の乳製品価格(EU27カ国平均)は、バターが100キログラム当たり394ユーロ(1キログラム当たり737円、前年同期比46.4%安)、全粉乳が同334ユーロ(同625円、同23.0%安)、チーズが同314ユーロ(同588円、同32.2%安)といずれも前年同期を大幅に下回った(図3)。一方、脱脂粉乳は同279ユーロ(同522円、同13.6%高)、ホエイパウダーは同141ユーロ(同264円、同43.8%高)と、いずれも前年同期を上回り、脱脂粉乳は前月からの上昇傾向が継続している。
26年第1四半期の主要乳製品輸出量、全粉乳を除き前年同期を上回る
欧州委員会によると、2026年1〜3月のEU域外向け乳製品輸出量は、バターが前年同期比33.0%増、脱脂粉乳が同5.7%増、チーズが同0.9%増とそれぞれ前年同期を上回った(表2)。バターについては、アイルランドからの米国向け輸出が1万7000トン(同2倍)と大幅に増加したことが寄与している。脱脂粉乳は、米国やニュージーランドからの供給減少に加え、中東からの需要増加を背景として、EU産に対する国際市場での需要が拡大し輸出が増加している。一方、全粉乳は同19.0%減と前年同期を大幅に下回った。同委員会は、26年春季の短期的需給見通しで、価格競争力の低下や主要市場での需要減退により、前年に大幅に減少した全粉乳の生産量と輸出量は、26年もさらに減少すると予測している。
(調査情報部)