畜産 畜産分野の各種業務の情報、情報誌「畜産の情報」の記事、統計資料など

ホーム > 畜産 > 畜産の情報 > 生乳取引価格は前月割れも、生乳出荷量は増加基調が継続

海外需給【牛乳・乳製品/EU】畜産の情報 2026年8月号

生乳取引価格は前月割れも、生乳出荷量は増加基調が継続

印刷ページ
26年4月の生乳出荷量は前年同月比2.7%増
 欧州委員会によると、2026年4月の生乳出荷量(EU27カ国)は前年同月比2.7%増の1336万トンとなり、前年同月をわずかに上回った(図1、表1)。主要生産国はいずれも前年同月を上回り、増産基調が継続しているものの、4月の増加率は前月に比べると縮小した。中でもフランスは前月から4.1ポイント低下し、増加率は1.1%となった。同国の農業系政府機関であるフランス・アグリメール(FranceAgriMer)によると、生乳出荷量のピークが、26年については例年に比べ早期化しているという。現地報道によれば、25年のブルータングの発生により受胎率が低下し、分娩時期にずれが生じたことに加え、冬季終盤の気温が平年以上で降雨も安定していたことから、牧草の生育が早まっていることなどが背景にあるとされている。
 





 
 
26年5月の生乳取引価格、前月割れが継続
 欧州委員会によると、2026年5月の生乳取引価格(EU27カ国平均)は、100キログラム当たり42.52ユーロ(1キログラム当たり79円:1ユーロ=186.85円(注)、前年同月比19.8%安)となった(図2)。25年10月以降、生乳出荷量の増加が価格の下落圧力となっており、8カ月連続で前月を下回った。

(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2026年6月末TTS相場。
 


 
世界的な需給のひっ迫により、脱脂粉乳は上昇の傾向
 欧州委員会によると、2026年5月31日の週の乳製品価格(EU27カ国平均)は、バターが100キログラム当たり395ユーロ(1キログラム当たり738円、前年同期比45.8%安)、全粉乳が同335ユーロ(同626円、同23.3%安)、チーズが同314ユーロ(同587円、同31.4%安)といずれも前年同期を大幅に下回った(図3)。英国農業・園芸開発委員会(AHDB)によると、バターについて、在庫水準が高めとみられていることが価格の重しとなっていることに加え、ユーロ高や中東情勢の影響による輸出制約を背景に価格が低下しているとされる。一方、脱脂粉乳は同283ユーロ(同529円、同16.6%高)、ホエイパウダーは同143ユーロ(同267円、同44.5%高)と、いずれも前年同期を大幅に上回った。AHDBによると、脱脂粉乳は世界的な在庫の縮小、たんぱく質需要の高まり、価格競争力の向上による輸出増加を背景に、価格が上昇している。
 米国農務省農業マーケティング局(USDA/AMS)によると、乳製品価格の下落は鈍化しており、これが生乳出荷量の増加を下支えしているという。市場関係者は、今後数カ月間の生乳出荷量や乳製品輸出量、乳製品価格の動向を引き続き注視していくとしている。
 


 
(調査情報部)