J-クレジット制度は、GHGの排出削減量や吸収量を国が「クレジット」として認証する、日本政府運営の公的な制度です。認証されたクレジットは、脱炭素に取り組む企業などに売却でき、削減に取り組んだ生産者の収益となります。約80の「方法論」(削減方法のルール)のうち、私たちが取り組むのが「AG-001:家畜へのアミノ酸バランス改善飼料の給餌」です。
仕組みはこうです。従来の飼料には、豚が必要とする量を超えたタンパク質(アミノ酸)が含まれているものもあり、使われなかった分は排せつ物中に窒素として排出され、堆肥化の過程でN
2Oになります。そこで、アミノ酸のバランスを整えながら粗タンパク質(CP)の含有率を1〜3%抑えた「アミノ酸バランス改善飼料」を給与すると、排せつ物中の窒素が減り、N
2Oの発生を抑えられます(図1)。先行研究では、適切に設計した場合、豚の発育や枝肉格付けへの悪影響はないことが報告されています。豚の健康を損なわず、生産成績を維持したまま、環境負荷だけを減らせる方法なのです。
当社は2024年9月、ENEOSホールディングス株式会社とともに、この方法論を用いた養豚業初のプログラム型J-クレジット創出プロジェクトを開始しました。「プログラム型」とは、複数の生産者の削減活動を一つのプロジェクトに束ねる方式です。個々の生産者が単独で申請すると、書類作成や審査対応、モニタリングといった負担が重く、費用もかかります。そこで、当社が窓口となって申請・認証・売却までを一括して代行することにより、本プロジェクトに生産者は費用負担なく参加でき、クレジット売却益の還元を受けることができます(図2)。