南アフリカは毎年、砂糖生産量の約40%を輸出する。砂糖の減産を受け、2009/10年度の輸出量(粗糖換算)は前年度比26.6%減の87万トン、2010/11年度は80万トンと予測される。粗糖の主要輸出先はインドネシア、日本、バングラデシュなどのアジア諸国、精製糖の主要輸出先はSADC(注1)加盟国である。また、米国市場への特恵アクセスが認められており、2009/10年度の割当は、追加分を合わせると2万5004トンであった。
砂糖の国際価格が上昇したものの、南アフリカ通貨ランドが米ドルに対し高い水準にあるため、生産者はその恩恵を十分には受けられない状況となっている。
注1:南部アフリカ開発共同体(SADC: Southern African Development Community)。加盟国はSACU(注2)加盟国とアンゴラ、コンゴ、マラウイ、モーリシャス、モザンビーク、セイシェル、タンザニア、ザンビア、ジンバブエ、マダガスカルの15カ国。SADCの自由貿易協定締結に従い結ばれたSADC砂糖協力合意により、砂糖は貿易の自由化から例外扱いされた一方、SACU加盟国は砂糖の生産量が消費量を上回るSADC加盟国に、SACU市場への非互恵的なアクセスを与えている。
注2:南部アフリカ関税同盟(SACU: Southern African Customs Union)。加盟国は南アフリカ、ボツワナ、レソト、ナミビア、スワジランド。
資料:USDA GAIN Report “South Africa-Republic of SUGAR ANNUAL” 2010/4/12 独立行政法人農畜産業振興機構「砂糖類情報」2007年7月号