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平成22年産甘味資源作物(さとうきび)要件審査申請状況について

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最終更新日:2011年2月2日

平成22年産甘味資源作物(さとうきび)要件審査申請状況について

2011年2月

特産業務部砂糖原料課

はじめに

 さとうきびは、台風、干ばつの常襲地帯として代替作物に乏しい自然環境下にある鹿児島県南西諸島や沖縄県における基幹作物であり、その生産が関連産業とともに地域経済社会において重要な位置を占めています。
 
 当機構では、さとうきび生産者の農業所得の確保や経営安定を図るため、一定の要件を満たす生産者に対し、交付金の直接交付を行っています。平成22年産甘味資源作物(さとうきび)生産者要件審査の申請については、平成22年7月1日から9月30日までの間に受付を行いました。本稿では、審査結果の概要について報告します。
 
 

1 対象要件の見直しについて

 22年産からの対象生産者要件については、産地が将来にわたって安定的に生産ができるよう、共同利用組織の活用や作業受委託を促進していくために、見直しを行いました。見直しのポイントは以下のとおりです。
 
(1)「防除」、「中耕・培土」を基幹作業の項目に追加
 
(2)共同利用組織・受託組織等の面積要件を収穫作業面積から基幹作業面積に変更
 
(3)共同利用組織の要件の緩和
 
 なお、22年産においては、21年産まで設定されていたA-5の特例は終了となったため、21年産まで同要件に該当していた対象生産者の動向が注目されました。
 
 

2 要件審査申請状況

 22年産の要件審査申請者数で平成22年12月6日までに対象生産者として登録した者は25,369人でした。そのうち鹿児島県が9,066人、沖縄県が16,303人となっており、21年産と比べ58人減少しました。(鹿児島県 19人減、沖縄県 39人減)
 
 
 
 
 
 

(1)鹿児島県

 鹿児島県における対象生産者数は9,066人で、21年産に比べ19人減少しています。要件区分別にみるとA-1が1,096人(構成比12.1%)、A-2が438人(構成比4.8%)、A-3が1,564人(構成比17.3%)、A-4が5,968人(構成比65.8%)となっています。
 
 複合経営が比較的多い沖永良部島はA-1の生産者が多い地域ですが、22年産においても若干増加しています。
 
 21年産と比べてA-5の要件の終了に伴い、共同利用組織の要件が緩和されたことによりA-3の生産者が大きく増加しています(1,360人増)。
 
 年代別にみると60代以上の生産者の割合が約52%となっており、特に奄美大島では65%を超えています。
 
 面積については、1ha以上の生産者の割合が42.5%と、21年産と比べて約2ポイント増加しており、作付地の規模拡大が着実に進んでいることが伺えます。
 

(2)沖縄県

 沖縄県における対象生産者数は16,303人で、21年産に比べ39人減少しています。要件区分別にみるとA-1が437人(構成比2.7%)、A-2が1,225人(構成比7.5%)、 A-3が7,020人(構成比43.1%)、A-4が7,621人(構成比46.7%)となっています。
 
 21年産と比べてA-3の生産者が大幅に増加していますが、このうち本島地域ではA-4からA-3へ移行した生産者も見られました。
 
 地域別では、南大東島では収穫作業の委託によるA-4の生産者が約90%を、北大東島ではA-1の生産者が70%を超えており、21年産と同じ傾向を示しています。また、伊良部島を含めた宮古地域では、手刈り収穫によるさとうきびの搬出作業の委託により、ほとんどの生産者がA-4となっています。
 
 年代別にみると、60代以上の生産者の割合が60%以上で、鹿児島県より約8%多くなっており、特に本島地域では65%を超えています。面積については1ha未満の生産者の割合が約80%となっています。これらの多くは、沖縄本島の生産者で、地域が都市化されているため1人当りの面積が小さいのが特徴です。21年産と比べてもほとんど変化が見られません。
 
 
 
 
 

3 平成21年産のA-5の生産者の本則要件への移行状況

 平成19年産から始まった品目別経営安定対策の制度において、平成21年産までの3年間の措置として、本則要件以外に「担い手育成組織」に参加している等の条件を満たせば交付金の交付対象者とする、A-5の特例要件が設けられていました。
 
 この取り扱いは、平成21年産で終了となったことから、本則要件への移行に向け各地域において共同利用組織の設立(A-3)や基幹作業受委託(A-4)の推進など、積極的な取り組みが行われてきています。
 
 
 

(1)鹿児島県

 平成21年産のA-5生産者1,379人のうち、本則要件に移行した生産者は1,226人であり、約9割が継続してさとうきびを生産をしています。
 
 内訳をみると、A-1へ移行した生産者は13人(移行者全体の0.9%)、A-2へは40人(同2.9%)、A-3へは269人(同19.5%)、A-4へは904人(同65.6%)となっています。また、残り約1割の生産者が高齢化等により22年産の申請を見送ったものと思われます。
 
 なお、種子島や徳之島では防除を行う共同利用組織への加入や、収穫作業や防除作業の委託者が多くみられることとなりました。
 
 

(2)沖縄県

 平成21年産のA-5の生産者は6,572人のうち、本則要件に移行した生産者は5,862人であり、鹿児島県と同様に約9割生産者が継続してさとうきびを生産しています。
 
 内訳をみると、A-1へ移行した生産者は1人(移行者全体の0.0%)、A-2へは172人(同2.6%)、A-3へは4,665人(同71.0%)、A-4へは1,024人(同15.6%)となっています。また、残り約1割の生産者が高齢化等により22年産の申請を見送ったものと思われます。
 
 なお、本島(南部)、久米島、石垣島で最も移行が大きいものはA-3への移行ですが、防除による共同利用組織への加入も多く見られました。
 

終わりに

 当機構では、関係者のご協力のもと、今後とも要件審査申請の審査事務や交付金交付事務を的確にかつ円滑に実施するよう努めてまいります。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:情報課)
Tel:03-3583-8713