5．日本の主要輸入先国の動向

調査情報部
 

　2011年における砂糖輸入量のうち、甘しゃ糖・分みつ糖（HSコード1701.11−190）は149万9581トンと、全体の97.7％を占める。そのうち、タイ（71.5％）、豪州（17.0％）、南アフリカ（2.0％）と、この3カ国で90.5％を占める。（財務省「貿易統計」）

〜砂糖生産量は前年度比7.3％減の見込み〜

　2012/13年度のさとうきび収穫面積は、競合作物のキャッサバと比べ収益性が高いことから138万ヘクタール（前年度比7.0％増）に増加すると予測されている。ただ、東北部を中心に株出し回数が増加し、さらに、北部、中部において5〜7月の降水量が平年を大きく下回ったことから、単収の低下が予測されている。このため、さとうきび生産量は前年度からやや減少し、9290万トン（同5.2％減）と見込まれている。さとうきびの減産により、砂糖生産量は1010万トン（粗糖換算、同7.3％減）に減少の見通しとなっている。

〜2012/13年度の輸出量は前年度比10.8％減の見通し〜

　2011/12年度の砂糖消費量は、前年度からやや増加の280万トン（粗糖換算、前年度比3.0％増）とみられている。増産による供給力の拡大が見込まれることから、同年度の輸出量は過去最高の810万トン（粗糖換算、同34.6％増）と予測されている。2012年7月の粗糖・白糖輸出量は前年同月比16.2％増の61万8000トンとなり、主要輸出先はインドネシア、韓国、日本などのアジア諸国であった。

　2012/13年度の消費量は、前年度をやや上回る280万トン（粗糖換算、同3.1％増）と予測されている。輸出量は、減産により720万トン（粗糖換算、同10.8％減）に減少すると見込まれている。

資料：LMC “Monthly Sugar Report, September 2012”

〜砂糖生産量は前年度比20.5％増の見込み〜

　2012/13豪州砂糖年度（7月〜翌6月）のさとうきび収穫面積は、さとうきびの収益性向上と良好な天候を背景に37万ヘクタール（前年度比4.3％増）に増加の見通しである。さとうきび生産量は3080万トン（同11.0％増）と、前年度からかなり大きく増加すると見込まれている。これは、収穫面積の増加に加え、サイクロン被害などを受けた前年度から単収が回復するとみられるためである。さとうきびの増産と糖度の上昇が予測されることから、砂糖生産量は前年度から大幅増加の450万トン（粗糖換算、同20.5％増）と見込まれている。生産の約9割を占めるクイーンズランド州では6〜7月に平年を上回る降雨が続き、さとうきび収穫に遅れが生じていたが、8月以降は乾燥した天候が続き、収穫ペースは回復しているとされる。

〜輸出量は前年度比25.4％増の見通し〜

　2012/13年度の砂糖消費量は前年度からわずかに増加し、120万トン（粗糖換算、前年度比1.4％増）と予測されている。輸出量については、増産見通しを受け、前年度から大幅増加の330万トン（粗糖換算、同25.4％増）と見込まれている。

資料：LMC “Monthly Sugar Report, September 2012”

〜砂糖生産量は前年度比18.2％増の見込み〜

　2012/13南アフリカ砂糖年度（4月〜翌3月）のさとうきび収穫面積は、前年度をわずかに下回る27万ヘクタール（前年度比1.1％減）と予測されている。さとうきび生産量は前年度からかなり大きく増加し、1860万トン（同10.7％増）と見込まれている。これは、干ばつ被害を受けた前年度から単収が回復するとみられるためである。糖度の上昇も見込まれることから、砂糖生産量は前年度から大幅増加の230万トン（粗糖換算、同18.2％増）と予測されている。

〜輸出量は60万トンに増加の見通し〜

　2012/13年度の砂糖消費量は、前年度からわずかに増加の190万トン（粗糖換算、前年度比2.0％増）と予測されている。増産が見込まれることから、輸出量は前年度比約2.4倍の60万トン（粗糖換算、同140.0％増）と見込まれている。2012年7月における粗糖・白糖輸出量は前年同月比9.5％減の2万1000トンとなり、主要輸出先はアンゴラ、モザンビーク、ジンバブエなどのアフリカ諸国であった。

資料：LMC “Monthly Sugar Report, September 2012”