砂糖の国内需給
最終更新日:2012年10月10日
砂糖の国内需給
2012年10月
1.農林水産省、砂糖及び異性化糖の需給見通しを公表
農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」により、砂糖等に関して適切な価格調整を図るため、四半期毎に砂糖及び異性化糖の需給見通しを公表することとしており、9月に平成24砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第1回)を公表した。
(1)砂糖の消費
〜平成24砂糖年度は、対前年4万6000トン増加の206万5000トンの見通し〜
平成24砂糖年度の総消費量は206万5000トンと見通している。内訳を見てみると、分蜜糖203万トン、含蜜糖3万5000トンとなっている。
分蜜糖については、近年の消費動向を基に、東日本大震災からの復興の進捗、個人消費の緩やかな増加及び国際糖価の安定等の傾向を踏まえ、対前年4万4000トン増加の203万トンと見通している。
含蜜糖については、近年の消費動向を勘案し、対前年2000トン増加の3万5000トンと見通している。
(2)砂糖の供給
〜平成24砂糖年度は、対前年2万1000トン減少の203万トンの見通し〜
平成24砂糖年度の総供給量は203万トンと見通している。内訳を見てみると、国内産糖74万2000トン、輸入糖128万8000トンとなっている。
てん菜については、小麦、そば等への転換等により、作付面積が前年産に比べて減少し、5月上旬の大雨と中旬の低温等により定植が遅れたものの、その後の天候の回復等により単収は平年並みを見込み、産糖量は対前年1万7000トン増加の58万1000トンと見通し、供給量も同量を見通している。
さとうきびについては、株出面積の増加により収穫面積は前年産に比べて増加。産糖量は昨年の不作(台風、病害虫による植物体への影響)による影響や今夏の台風の影響が懸念されるものの、単収及び歩留まりを過年度の傾向値から推計し、分蜜糖は対前年4万9000トン増加の15万9000トンと見通す。また、供給量は対前年4万7000トン増加の15万1000トンと見通している。
国産含蜜糖供給量については、沖縄県及び鹿児島県の南西諸島での製造状況を勘案し、対前年4000トン増加の1万トンと見通している。
輸入糖については、分蜜糖輸入量は、消費量の見通し、国内産糖供給量及び在庫変動を勘案して対前年8万9000トン減少の127万7000トン、含蜜糖輸入量は、最近の輸入動向等を踏まえ対前年同の1万1000トンと見通している。
(3)異性化糖の需給
〜平成24砂糖年度は、対前年同の80万5000トンの見通し〜
平成24砂糖年度の消費量は、近年の消費動向を踏まえ、80万5000トンと見通している。なお、供給量は消費量に見合った量が供給されるものとしている。
2.輸入動向
財務省「貿易統計」によると、2012年7月の甘しゃ糖・分蜜糖の輸入数量は、前年同月比△3.2%、4361トン減少の13万547トンであった。また、同月の輸入価格の平均は、前年同月比19.4%安、1万1119円下落のトン当たり4万6048円であった。
同月の国別輸入量を見てみると、タイが10万5546トン(前月比+74.4%、+4万5023トン、前年同月比△14.1%、△1万7286トン)、豪州が2万5001トン(前月比+13.7%、+3007トン、前年同月比+107.0%、+1万2925トン)となっている。一方、同月の国別輸入価格は、タイが4万5227円(前月比+4.2%、+1873円、前年同月比△20.4%、△1万1570円)、豪州が4万9512円(前月比+10.2%+4580円、前年同月比△18.7%、△1万1409円)となっている。
一方、同月の国別輸入価格は、タイが4万3434円(前月比△12.8%、△6358円、前年同月比△23.3%、△1万3206円)、豪州が4万4932円(前月比+1.3%+579円、前年同月実績なし)、グアテマラが4万6389円(前月比△12.9%、△6846円、前年同月比△27.0%、△1万7183円)、フィリピンが4万3627円(前月及び前年同月実績なし)となっている。
3.市場の動き
〜荷動きは低調〜
8月の砂糖の荷動きは、猛暑を背景とした飲料向けなど業務用製品の出荷が期待されたものの、同月の精糖出荷量は、業務用大袋、家庭用小袋ともに前年を下回る結果となった。この要因として、夏場の節電に備え飲料メーカーなどユーザーが前年同様に前倒し生産を行ったこと、7月に夏物商品の売れ行きが芳しくなく、新たな生産を抑えたこと、などが挙げられる。
8月の砂糖の日経相場(東京)上白大袋価格は、粗糖の国際価格下落を受けて、精糖各社が8月中旬に建値(出荷価格)をキログラム当たり3円引き下げて以来、同182〜183円の水準で推移した。
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