エタノールの需給トピックス
最終更新日:2012年10月10日
エタノールの需給トピックス
2012年10月
(1)米国
〜トウモロコシ価格の高騰を背景に、エタノール価格は2カ月連続上昇〜
シカゴ商品取引所における8月のエタノール平均価格はリットル当たり0.69ドル(前月比3.0%高)と、前月に引き続き上昇した。原料となるトウモロコシの価格は、産地の深刻な干ばつによる作柄悪化を受け、6月下旬以降急激に上昇し、その後も高水準で推移している。
トウモロコシ価格の高騰による食料価格の上昇や畜産分野への影響が懸念されるなか、7月30日、全米養豚生産者協議会などが環境保護庁(EPA)に対し、バイオエタノールの混合義務の免除を要請した。EAPは8月20日、義務数量の免除に関して30日間のパブリックコメントの募集を開始した。EPAは11月13日までに判断することとなっている。
(2)ブラジル
〜8月のエタノール価格は含水、無水とも前月に引き続き下落〜
8月のエタノール平均価格は、含水エタノールが前月比0.9%安(米ドル換算は前月同)のリットル当たり1.05レアル(0.52米ドル)、無水エタノールが同3.9%安(米ドル換算4.7%安)の同1.24レアル(0.61米ドル)と、いずれも前月から下落した。価格の下落は、主産地中南部でエタノール供給が増加したためとみられている。中南部では4〜6月にかけて平年を上回る降雨が続き、さとうきび収穫に遅れが生じていたが、7月以降は乾燥した天候が続き、収穫ペースは回復している。
(3)EU
〜8月のエタノール価格は前月比7.4%高〜
8月のエタノール平均価格は、米国産エタノール価格や原料となる小麦価格の上昇を受け、前月比7.4%高(米ドル換算5.9%高)のリットル当たり0.73ユーロ(0.90米ドル)となった。エタノール価格は3カ月連続で上昇している。
欧州委員会は、7月26日、米国からの輸入エタノールに対し反ダンピング関税を課さないことを仮決定した。これは、欧州委員会が欧州のエタノール業界団体ePUREの申し立てに基づき実施した調査の結果を受けたものである。最終的な決定については、12月22日までになされる予定となっている。
資料:ISO“Market Report & Press Summary, August 2012” LMC“Monthly Sugar Report, September 2012”
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