5. 日本の主要輸入先国の動向
最終更新日:2012年12月10日
5. 日本の主要輸入先国の動向
2012年12月
調査情報部
2011年における砂糖輸入量のうち、甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード1701.11−190)は149万9581トンと、全体の97.7%を占める。そのうち、タイ(71.5%)、豪州(17.0%)、南アフリカ(2.0%)と、この3カ国で90.5%を占める。(財務省「貿易統計」)
タイ
【生産見通し】
砂糖生産量は前年度比7.6%減の見込み
2012/13タイ砂糖年度(10月〜9月)のさとうきび収穫面積は、雨季作米などからの転作により138万ヘクタール(前年度比7.0%増)に増加の見通しとなっている。収穫面積の増加が見込まれるものの、雨季の降雨不足の影響で単収は低下するとみられることから、さとうきび生産量は前年度をやや下回る9285万トン(同5.2%減)と予測されている。さとうきびの減産を受け、砂糖生産量は1002万トン(粗糖換算、同7.6%減)に減少すると見込まれている。
【貿易・政策動向等】
減産により2012/13年度の輸出量は前年度比7.8%減の見通し
2011/12年度の砂糖消費量は、前年度をやや上回る276万トン(粗糖換算、前年度比3.0%増)と見込まれている。同年度の砂糖生産量は1084万トン(粗糖換算、同6.9%増)と2年連続で過去最高を更新したとみられ、輸出量も過去最高の778万トン(粗糖換算、同34.6%増)に達したとみられている。2012年9月の粗糖・白糖輸出量は前年同月比29.9%減の26万3000トンとなり、主要輸出先は日本、カンボジア、インドネシアなどのアジア諸国であった。
2012/13年度の消費量は、前年度からやや増加の285万トン(粗糖換算、同3.1%増)と予測されている。生産量の減少により、輸出量は718万トン(粗糖換算、同7.8%減)に減少すると見込まれている。
資料:LMC “Monthly Sugar Report, November 2012”
豪州
【生産見通し】
砂糖生産量は前年度比16.5%増の見込み
2012/13豪州砂糖年度(7月〜翌6月)のさとうきび収穫面積は、収益性の向上と良好な天候を背景に37万ヘクタール(前年度比5.1%増)に増加すると予測されている。さとうきび生産量は前年度からかなり大きく増加し、3147万トン(同12.6%増)と見込まれている。これは、収穫面積の増加に加え、サイクロン被害などを受けた前年度から単収が回復すると見込まれるためである。ただ、糖度は前月予測を下回るとみられることから、砂糖生産量は435万トン(粗糖換算、同16.5%増)と、前月から15万トン下方修正された。10月後半の雨で収穫作業が中断したため、関係者の間では12月からの雨季到来前に収穫を完了できるか懸念が生じている。一方で、この降雨は来年度に収穫されるさとうきびの生育に寄与するともみられている。
【貿易・政策動向等】
輸出量は前年度比25.8%増の見通し
2012/13年度の砂糖消費量は前年度からわずかに増加し、119万トン(粗糖換算、前年度比1.4%増)と予測されている。輸出量は320万トン(粗糖換算、同25.8%増)と前年度から大幅な増加が予測されているものの、生産量の下方修正を受け、前月から15万トン下方修正された。
資料:LMC “Monthly Sugar Report, November 2012”
南アフリカ
【生産見通し】
砂糖生産量は前年度比14.1%増の見込み
2012/13南アフリカ砂糖年度(4月〜翌3月)のさとうきび収穫面積は前年度から変わらず、27万ヘクタールと予測されている。単収の下方修正を受け、さとうきび生産量は前月予測を21万トン下回る1795万トン(前年度比6.8%増)と見込まれている。これを受け、砂糖生産量は226万トン(粗糖換算、同14.1%増)と前月から1万トン下方修正され、前年度比の増加幅は縮小した。北部では例年、12月下旬までに収穫が終了するが、今年度は季節外れの降雨により収穫が遅れており、1月までずれ込む可能性がある。収穫遅延によるさとうきびの品質低下が懸念されており、今後の動向が注目される。
【貿易・政策動向等】
輸出量は52万トンに増加の見通し
2012/13年度の砂糖消費量は、前年度からわずかに増加の192万トン(粗糖換算、前年度比2.0%増)と見込まれている。生産量の下方修正を受け、輸出量は52万トン(粗糖換算、同95.5%増)と前月から1万トン引き下げられたが、干ばつの影響を受けた前年度と比べ2倍の水準である。2012年9月における粗糖・白糖輸出量は前年同月比24.1%減の4万8000トンとなり、主要輸出先は日本、ジンバブエ、モザンビークであった。
資料:LMC “Monthly Sugar Report, November 2012”
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