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平成24年産甘味資源作物(さとうきび)生産者要件審査結果の概要等について

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最終更新日:2013年2月12日

平成24年産甘味資源作物(さとうきび)生産者要件審査結果の概要等について

2013年2月

特産業務部砂糖原料課
 


【はじめに】

 当機構では、糖価調整制度の変更に伴い、平成19年産以降は一定の要件を満たす甘味資源作物(さとうきび)生産者に対し、再生産が可能な農業所得の確保や経営安定を図るため交付金を交付しています。

 平成24年産甘味資源作物生産者要件審査の申請については、平成24年7月1日から9月30日までの間に受付を行いました。すでにさとうきび生産者への対象生産者コードの通知を終え、現在は甘味資源作物交付金の概算払を行っています。

 本稿では、要件審査結果の概要等について取りまとめましたので報告します。

1.平成24年産さとうきび生産概況

 初期生育は良好で、平成23年産で大きな被害をもたらした害虫(メイチュウ類)対策についても一定の成果が見られ、8月ごろまでは鹿児島県、沖縄県ともに順調な生育でした。しかし、台風15号、16号、17号、21号の相次ぐ襲来により、折損、葉片裂傷、塩害などにより、さとうきびの生育に大きな影響を受けました。

 鹿児島におけるさとうきび生産量は、過去最低を記録した平成23年産から増加するものの、47万3377トン(前年比103%)と過去2番目に低い水準となる見込みです。

 一方、沖縄県では、宮古地域においては株出面積の増加により平成23年産から5割以上の収量増加が期待できるものの、沖縄本島及び周辺離島を中心とした地域が折損、葉片裂傷、塩害など台風の被害により不作となり、さとうきび生産量は73万6534トン(前年比136%)と過去4番目に低い水準となる見込みです。
 

2.要件審査申請状況

 平成24年産の要件審査申請者数で平成24年12月17日までに対象甘味資源作物生産者として登録した者は2万4369人でした。そのうち鹿児島県が8669人、沖縄県が1万5700人となっており、平成23年産と比べ116人(0.5%)増加しました(鹿児島県160人減、沖縄県276人増)。
 
 
(1)鹿児島県

 鹿児島県における対象生産者数は8669人で、23年産に比べ160人減少しています。要件区分別にみるとA-1が1053人(構成比12.1%)、A-2が368人(構成比4.2%)、A-3が1920人(構成比22.1%)、A-4が5328人(構成比61.5%)となっています。

 園芸や畜産など他作目を主幹とする経営が多い沖永良部島はA-1の生産者が多く、24年産においても若干増加し、約3割を占めています。

 22年産からA-5の特例措置が廃止され共同利用組織の要件が変更されたことにより、A-3の生産者は大きく増加し、24年産においても増加し続けており、特に、徳之島では約4割を占めています。また、22年産まではA-3の該当者がなかった沖永良部島では、23年産で共同利用組織が新たに設立され、24年産では同島の4分の1以上を占めるまでになっています。

 年代別にみると60歳代以上の生産者の割合が約55%となっており、特に奄美大島では約67%と3分の2以上を占めています。

 収穫面積別では、24年産においては1ha以上の生産者の割合が40.2%となっています。22年産までは作付面積の規模拡大が着実に進んできましたが、その後は若干減少しています。


(2)沖縄県

 沖縄県における対象生産者数は1万5700人で、23年産に比べ276人増加しています。要件区分別にみるとA-1が302人(構成比1.9%)、A-2が1493人(構成比9.5%)、A-3が7947人(構成比50.6%)、A-4が5958人(構成比37.9%)となっています。

 鹿児島県同様、沖縄県でも22年産にA-5の特例措置の終了に伴って共同利用組織の要件が変更されたことにより、A-3の生産者は大きく増加しています。

 地域別では、南大東島では収穫作業の委託によるA-4の生産者が9割を、北大東島ではA-1の生産者が7割を超えており、23年産と同じ傾向を示しています。また、伊良部島を含めた宮古地域では、手刈り収穫によるさとうきびの搬出作業の委託により、従来同様ほとんどの生産者がA-4となっています。

 年代別にみると、60代以上の生産者の割合が約62%で、鹿児島県より約7ポイント多くなっており、特に沖縄本島地域では約67%と3分の2以上を占めています。

 収穫面積別では、1ha未満の生産者の割合が76.6%となっています。これらの多くは、県内生産者の半数近くを占める沖縄本島の生産者で、地域が都市化されているため1人当りの面積が小さいのが特徴です。
 
 

おわりに

 さとうきびは、台風、干ばつ等の自然災害の常襲地帯である鹿児島県南西諸島や沖縄県において、代替困難な基幹作物であり、その生産状況が関連産業に与える影響は大きく、雇用確保など地域経済にとって重要な役割を果たしています。

 平成23年産、24年産と2年連続のさとうきび不作を踏まえて、国による対策として、増産を目的とした生産振興や、農業機械の導入支援などが実施されることになっています。

 また、ほかの作物と比較すると台風による実害が少ないと言われるさとうきびですが、今年産のように大きな被害を受ける可能性もあることから、生産者の経営安定を図るためには、農業共済制度への加入率向上も重要な課題の一つと考えられます。

 当機構においても、関係者のご協力のもと、今後も要件審査や交付金交付業務を的確かつ円滑に実施し、甘味資源作物生産者の経営安定に資するよう努めてまいります。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713