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5. 日本の主要輸入先国の動向

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最終更新日:2013年8月9日

5. 日本の主要輸入先国の動向

2013年8月

 2012年の砂糖輸入量のうち、甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード1701.14−110)は140万3067トンと、全体の97.7パーセントを占める。そのうち、タイ(58.5%)、豪州(33.7%)、南アフリカ(2.1%)の3カ国で94.3パーセントを占める。(財務省「貿易統計」)

タイ

 
【生産見通し】
2012/13年度の砂糖生産量は、前年度をやや下回る1035万トン


 2012/13砂糖年度(10月〜翌9月)の製糖は5月に終了した。同年度のサトウキビ収穫面積は135万ヘクタール(前年度比1.6%増)と増加し、サトウキビの生産量は1億トンを超えた(表5)。サトウキビの増産にもかかわらず、歩留まりは前年度の10.79パーセントを下回る10.35パーセントとなったため、砂糖生産量は1035万トン(粗糖換算、同2.1%減)と、前年度より減少する見込みである。

 なお、2013/14砂糖年度(10月〜翌9月)のサトウキビ収穫面積は135万ヘクタール(前年度比0.2%増)、生産量は9731万(同4.6%減)と予測されている。また、前年度低かった歩留まりの改善が見込まれており、砂糖生産量は1064万トン(粗糖換算、同2.8%増)と、史上最高の生産量が見通されている。
 
【貿易・政策動向等】
2012/13年度砂糖輸出量は前年度から減少見込み


 2012/13年度の砂糖消費量は290万トン(粗糖換算、前年度比3.7%増)の見通しとなっている。輸出量は641万トン(同11.7%減)と見込まれている。なお、2013年5月の粗糖・白糖輸出量は、前年同月比15.7%減の90万トンと減少した(図14)。主要輸出先はインドネシア、日本、韓国であった。

 2013/14年度の砂糖消費量は297万トン(粗糖換算、前年度比2.5%増)、輸出量は747万トン(粗糖換算、同16.6%増)と前年度を大きく上回ると予測されている。

資料:Agra CEAS Consulting “WORLD SUGAR SUPPLY BALANCES, PRICE AND POLICY TREND ANALYSIS, JULY 2013”
 

豪州

 
【生産見通し】
イエローキャノピーシンドロームによるサトウキビ生産減の懸念が広がる


 2013/14砂糖年度(7月〜翌6月)のサトウキビ生産量は、収穫面積が微増するものの、単収が前年度を下回ると予測されていることから3045万(前年度比0.2%減)の見込みである(表6)。6月より製糖が開始された豪州では、2012年に初めて確認されたサトウキビの葉が黄変する病気(イエローキャノピーシンドロームと呼ばれる、以下「YCS」という。)の被害が深刻であることから、主生産地であるクィーンズランド州タウンズビルの南部バーデキンの今年度のサトウキビ生産量は、50万トン下方修正された。サトウキビ生産者と製糖会社の間には収益分配協定が結ばれており、この協定では、サトウキビ価格が品質(回収可能な糖分、以下「CCS」という。)に基づき設定されている。YCSは単収を低下させるにとどまらず、CCSが2〜3ポイント低下することも判明しつつある。このため、クィーンズランドの砂糖産業関係者は、米国農務省に収益を悪化させるYCSの発生原因の解明と対策の支援を求めている。さらに、豪州政府にはYCSの被害補償を要求している。
 
【貿易・政策動向等】
輸出量は前年度比22.7パーセント増の見通し


 2013/14年度の砂糖消費量は、135万トン(粗糖換算、前年度比0.7%増)と、わずかに前年度を上回ると予測されている。輸出量については、288万トン(粗糖換算、同10.0%減)と、前年度を大きく下回るとされている。

資料:Agra CEAS Consulting “WORLD SUGAR SUPPLY BALANCES, PRICE AND POLICY TREND ANALYSIS, JULY 2013”
 

フィリピン

 
【生産見通し】
2012/13年度の砂糖生産量は、250万トンを上回る見通し


 2012/13砂糖年度(9月〜翌8月)のサトウキビ生産量は、収穫面積の拡大と単収増加により2500万トン(前年度比4.7%増)と予測されている(表7)。2013年6月末までの砂糖生産量は、砂糖統制委員会(SRA)が製糖終了時(8月末)に目標とした236万トンを上回る240万トンと報告されている。引き続き天候に恵まれれば、今年度の砂糖生産量は254万トン(粗糖換算、同9.2%増)と予測されている。

 2013/14年度の砂糖生産量は、前年度並みと見込まれている。
 
【貿易・政策動向等】
2012/13年度輸出量は、前年度比44.3パーセント減の見込み


 2012/13年度の砂糖消費量は、220万トン(粗糖換算、前年度比3.8%増)と前年度からわずかに増加する見込みである。一方、輸出量は、30万トン(粗糖換算、同44.3%減)と前年度から減少する見込みである(図16)。

資料:Agra CEAS Consulting “WORLD SUGAR SUPPLY BALANCES, PRICE AND POLICY TREND ANALYSIS, JULY 2013”
 

南アフリカ

 
【生産見通し】
2013/14年度砂糖生産量は、前年度から17.6パーセント増の見通し


 南アフリカの2012/13砂糖年度(4月〜翌3月)の生産は1月に終了しており、2013/14砂糖年度の砂糖生産量は、231万トン(粗糖換算、同17.6%増)と予測されている(表8)。同年度のサトウキビ作付面積は、30万8000ヘクタール(同10.0%増)と前年度から増加し、生産量も2014万トン(同16.6%増)と増産見込みとなっている。
 
【貿易・政策動向等】
2013/14年度輸出量は、大幅増の予測


 2013/14年度の砂糖消費量は、189万トン(粗糖換算、前年度比2.1%増)、輸出量は54万トン(粗糖換算、同49.0%増)と、前年度を大幅に上回ると予測されている。

 2013年4月の粗糖・白糖輸出量は3万2900トン(前年同月比158.4%増)となった(図17)。主要輸出先はスーダン、ジンバブエ、モザンビークなどのアフリカ諸国であった。

資料:Agra CEAS Consulting “WORLD SUGAR SUPPLY BALANCES, PRICE AND POLICY TREND ANALYSIS, JULY 2013”
 
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