2．近年の国際砂糖需給構造の変化（2008/09⇒2013/14年度）

　2013／14年度の世界最大の生産国はブラジルとなり、インド、EU、中国、タイ、米国、メキシコがこれに次ぐ見通しである（図3）。2008／09年度に第8位の生産国であった豪州は、2010／11年度のラニーニャ現象での大規模な洪水による減産から回復基調にあるものの、2013／14年度はロシアに次ぐ生産量となる見込みである。ブラジルは、世界の砂糖需要増加を背景に増産し、世界生産の2割を占める。インドは、政府の価格政策や天候の影響により、年によって生産量の変動が大きいが、サトウキビ作付面積の拡大により、生産量は増加している。なお、2011／12年度以降、パキスタンの生産量は、増産により500万トンを超える規模に達している。

　2013／14年度の世界最大の消費国はインドとなり、EU、中国、ブラジル、米国がこれに次ぐ見通しである。これらの順位は、2008／09年度から変わらない。人口増加と経済発展が著しいインド、中国、インドネシアをはじめとするアジア諸国では、消費量は年々増加している。このため、2013／14年度は、インドネシアがロシアを抜いて米国に次ぐ消費国になると予測されている。

　2013／14年度の世界最大の輸入国はEUとなり、インドネシア、中国、米国がこれに次ぐ見通しである（図4）。08／09年度に輸入量が多かったインド、ロシアでは、国内生産の増加に伴い2013／14年度の輸入量は2008／09年度より大幅に減少する見込みである。ただし、インドは、年によって生産量の変動が大きく、豊作年には輸出国、不作年には輸入国となる。米国の2013／14年度輸入量は、2008／09年度とほぼ同水準であるものの、消費量の増加に伴い輸入量が増加したインドネシア、中国の輸入量がこれを上回るとみられている。

　2013／14年度の世界最大の輸出国はブラジルとなり、タイ、豪州がこれに次ぐ見通しである。これらの順位は、2008／09年度から変わらない。ブラジルは、世界の需要増加などを背景に輸出量が増加し、世界輸出の5割弱を占める。タイは、増産により2008／09年度に比べ輸出量は大幅増加の見通しとなっている。一方2008／09年度以降、収穫面積の減少から減産となっていた南アフリカでは、2013／14年度は収穫面積の拡大から増産見込みとなっているものの、国内需要の高まりにより、輸出量は54万トンと、前年度と同様に上位9カ国から外れる見込みである。

注：EUは、2005／06年度まで純輸出地域であったが、2006／07年度からの砂糖制度改革に伴う生産縮小で純輸入地域に転じた。輸入先は、特恵アクセスを認めているACP諸国（EUの旧植民地であるアフリカ、カリブ、太平洋諸国）およびLDC諸国（後発開発途上国）が中心となっている。