2012/13国際砂糖年度(2012年10月〜2013年9月)は終了した。英国調査会社AgraCEAS Consulting社の2013年9月10日現在の同年度需給予測によると、世界最大の生産・輸出国であるブラジルは、新植の停滞と天候不順の影響により、サトウキビの単収および糖度が低下し減産となった前年度から回復したことから、南米地域の砂糖生産量は前年度比13.3パーセントの増加が見込まれている。インド、中国、タイを含むアジア地域では同1.6パーセント増、北米地域では同15.4パーセント増と見込まれ、世界の砂糖生産量の1割弱を占めるEUが同7.0パーセントの減産となったものの、同年度の世界の砂糖生産量は、1億8380万トン(粗糖換算、前年度比4.8%増)と見込まれ、前回(6月10日)の予測値とほぼ同水準となっている(表1)。一方、世界の消費量は、アジアおよびアフリカ地域の人口増加と経済成長に伴う需要増により、1億7009万トン(粗糖換算、同2.7%増)とみられている。なお、期末在庫率(期末在庫量/消費量×100)は前年度から4.0ポイント上昇し、45.3パーセントとみられている(図2)。
2013/14年度の世界の砂糖生産量は、EU以外のすべての地域で増産見通しとなっており、1億8726万トン(粗糖換算、同1.9%増)と、2009/10年度以降、5年連続の増産見通しとなっている。EUでは、2013年6月以降の気象条件には恵まれているものの、同年5月まで続いた長雨と低温により、てん菜の播種時期がずれ込んだことによる生育の遅れから、前年度に引き続き減産予測となっている。一方、消費量は、新興国の需要増に加え、国際砂糖価格の下落による異性化糖需要者からのシフトが予測されており、1億7332万トン(粗糖換算、同1.9%増)となっている。期末在庫率は、前年度から5.9ポイント上昇し、51.2パーセントとみられていることから、世界の砂糖需給は前年度に引き続き生産量が消費量を上回ると予測されている。
資料:Agra CEAS Consulting “WORLD SUGAR SUPPLY BALANCE AND POLICY TREND ANALYSIS, September 2013”