2.近年の国際砂糖需給構造の変化(2008/09⇒2013/14年度)
最終更新日:2013年10月10日
2.近年の国際砂糖需給構造の変化(2008/09⇒2013/14年度)
2013年10月
生産量
2013/14年度の世界最大の生産国はブラジルとなり、インド、EU、中国、タイがこれに次ぐ見通しである(図3)。生産量上位9カ国の中で、インド、EU、ロシアは前年度から減産予測となっている。減産の要因は、インドではサトウキビ植え付け時の干ばつの影響、EUでは、てん菜播種時期が遅れたこととされる。2008/09年度に第8位の生産国であった豪州は、2010/11年度の大規模な洪水による減産から回復基調にあるものの、2013/14年度は410万トンとロシアに次ぐ第10位とされる。一方、2008/09年度には上位9カ国に入っていなかったパキスタンの生産量は、州政府のサトウキビ価格引き上げにより生産者のサトウキビ作付け意欲が高まっており、2013/14年度の生産量は548万トンに達すると予測されている。
消費量
2013/14年度の世界最大の消費国はインドとなり、EU、中国、ブラジル、米国がこれに次ぐ見通しである。消費量上位9カ国の中で、EUとロシア以外は前年度からすべて増加の見通しとなっている。人口増加と経済発展が著しいインド、中国、インドネシアでは、消費量は年々増加しており、特にインドネシアでは人口増加もさることながら、一人当たりの年間消費量は23.7キログラム(粗糖換算)と、10年間で5キログラムの大幅な増加となっており、2013/14年度は世界第6位の消費国になると予測されている。
輸入量
2013/14年度の世界最大の輸入国はEUとなり、インドネシア、中国、米国がこれに次ぐ見通しである(図4)。国内生産が増加したロシアでは、2008/09年度と比べ輸入需要の低下が見込まれる。また、2008/09年度に国内生産量が大幅に減少し、輸入量が急増したインドでは、生産量は増加傾向であることから、輸入量は減少見込みとなっている。一方で、国内需要が著しく増加しているインドネシアと中国では、輸入量が増加する見込みとなっている。米国は、2008年から北米自由貿易協定(NAFTA)により、メキシコからの輸入が増加している。
輸出量
2013/14年度の世界最大の輸出国はブラジルとなり、タイ、豪州がこれに次ぐ見通しである。同年度のブラジルの輸出量は、全体の約半分を占める見込みである。タイのサトウキビ生産は、2008年以降、砂糖国際価格の高騰を背景に増加し、同年度の輸出量は2008/09年度の1.5倍となる見込みである。収穫面積の拡大から増産見込みとなっている南アフリカでは、国内需要の高まりから、輸出余力が低下しており、同年度の輸出量は上位9カ国から外れる見込みである。
注:EUは、2005/06年度まで純輸出地域であったが、2006/07年度からの砂糖制度改革に伴う生産縮小で純輸入地域に転じた。輸入先は、特恵アクセスを認めているACP諸国(EUの旧植民地であるアフリカ、カリブ、太平洋諸国)およびLDC諸国(後発開発途上国)が中心となっている。
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