4.世界の需給に影響を与える諸国の動向
最終更新日:2013年10月10日
4.世界の需給に影響を与える諸国の動向
2013年10月
ブラジル
【生産見通し】
2013/14年度砂糖生産量は、前年度に引き続き増加の見込み
2013/14砂糖年度(4月〜翌3月)のサトウキビ収穫面積は889万ヘクタール(前年度比4.8%増)、生産量は6億5380万トン(同11.0%増)と前年度から大幅に増加する見込みである(表2)。同年度の砂糖生産量は、サトウキビの増産見通しから、4133万トン(粗糖換算、同2.8%増)と見込まれている。サトウキビ主産地である中南部地域では、乾燥した天候が続いていることから収穫作業は順調に進んでおり、サトウキビ産業協会(UNICA)の報告によると、製糖開始から9月16日までの中南部地域におけるサトウキビ圧搾量は、4億626万トン(前年同期比16.2%増)、砂糖生産量は2292万トン(粗糖換算、同5.2%増)といずれも前年同期を上回った。また、エタノール仕向け量を増加させていることから、エタノール生産量は1724万キロリットル(同25.9%増)と大幅な増加となっている。
【貿易・政策動向】
2013/14年度輸出量は過去最高となる見込み
砂糖の増産予測により、2013/14年度の輸出量は2831万トン(粗糖換算、前年度比3.9%増)と過去最高となることが見通されている。2013年7月の粗糖・白糖輸出量は、230万トン(前年同月比7.8%減)となった(図11)。主要輸出先は中国、カナダ、アラブ首長国連邦であった。
資料:Agra CEAS Consulting “WORLD SUGAR SUPPLY BALANCE, PRICE AND POLICY TREND ANALYSIS, September 2013”
インド
【生産見通し】
2013/14年度砂糖生産量は、干ばつの影響により前年度から減産見込み
2013/14年度のインド砂糖年度(10月〜翌9月)のサトウキビ収穫面積は、植え付け時の干ばつにより、497万ヘクタール(前年度比6.0%減)と見込まれ、生産量は3億4795万トン(同6.0%減)と前年度から減少する見込みである(表3)。砂糖生産量は、サトウキビ生産量の減産を受け、2576万トン(粗糖換算、同6.0%減)の見込みとなっている。2013年のモンスーン期の降雨量は6月から8月まで平年比より11パーセント上回っていることから、翌年度産のサトウキビ生育は順調とされている。
【貿易・政策動向】
2013/14年度砂糖輸出量は、前年度20.0パーセント減の見込み
2013/14年度の砂糖消費量は、2550万トン(粗糖換算、前年度から変わらず)と予測されており、4年度連続で生産量が消費量を上回る見通しである。国内価格よりも国際砂糖価格が安価であることから、輸入量は161万トン(粗糖換算、同10.0%増)と増加する見込みである。一方、輸出量は、88万トン(粗糖換算、同20.0%減)と前年度から大幅に減少する見込みである。2013年6月の粗糖・白糖輸出量は、10万4000トン(前年同月比74.6%減)となり、主要輸出先はスーダン、ソマリア、サウジアラビアであった(図12)。
同国では、製糖企業からサトウキビ生産者への支払いは14日以内に行わなければならないとされているが、2013年6月現在で5886億7000万ルピー(約1兆1800億円 1ルピー=1.73円注)の支払い遅延により、畑の更新ができず生産への影響が懸念されていた。6月末までに、その9割となる5289億6000万ルピー(約9200億円)が支払われたが、次年度以降の生産にも影響すると見られている。
注:9月末日TTS相場
資料:Agra CEAS Consulting “WORLD SUGAR SUPPLY BALANCE, PRICE AND POLICY TREND ANALYSIS, September 2013”
中国
【生産見通し】
2013/14年度砂糖生産量は、原料生産量の増産により増加する見込み
中国における砂糖生産の9割は南部で生産されるサトウキビを原料とし、残りは北部のてん菜に由来する。2013/14年度(10月〜翌9月)のサトウキビ収穫面積は197万ヘクタール(前年度比1.9%増)、生産量は1億2975万トン(同1.9%増)で、てん菜収穫面積は31万ヘクタール(同2.0%増)、生産量は1283万トン(同1.9%増)と予測されている。国内砂糖生産の約9割を占める甘しゃ糖の生産量は1330万トン(粗糖換算、前年度比1.9%増)、てん菜糖の生産量は116万トン(粗糖換算、同1.9%増)と見込まれている。中国全体の砂糖生産量は、1446万トン(粗糖換算、同1.9%増)と見込まれている(表4)。
【貿易・政策動向】
2013/14年度輸入量は、前年度から増加する見込み
2013/14年度の輸入量は、今年度も引き続き国内需要が堅調であることから、291万トン(粗糖換算、同7.8%増)と前年度から増加する見込みである。2013年8月の粗糖・白糖輸入量は56万6000トン(前年同月比3.0%減)となり、主な輸入先はブラジル、グアテマラ、韓国であった(図13)。
資料:Agra CEAS Consulting “WORLD SUGAR SUPPLY BALANCE, PRICE AND POLICY TREND ANALYSIS, September 2013”
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713