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4.日本の主要輸入先国の動向

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最終更新日:2013年11月11日

4.日本の主要輸入先国の動向

2013年11月

 2012年の砂糖輸入量のうち、甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード1701.14−110)は140万7174トンと、全体の97.7パーセントを占める。そのうち、タイ(58.5%)、豪州(33.7%)、フィリピン(3.0%)、南アフリカ(2.1%)の4カ国で97.3パーセントを占めている。(財務省「貿易統計」)

タイ

 
【生産見通し】
2013/14年度のサトウキビ生産量は前年度に引き続き1億トン超の見込み


 2013/14砂糖年度(10月〜翌9月)のサトウキビ収穫面積は、135万ヘクタール(前年度比0.2%増)と前年度から微増が見込まれている。サトウキビ農家価格は競合作物に比べ優位であり、農家にとって作付け意欲の高い作物であることも、収穫面積が高水準で維持されている要因の一つとみられている。同年度の雨季に入り、モンスーンによる降雨が十分であったことから、サトウキビの単収は、1ヘクタール当たり76トンとここ3年間で最も高い単収が見込まれ、生産量は1億271万トン(同2.7%増)と前月予測から540万トン上方修正された(表5)。サトウキビ生産量の増産や歩留まりの改善(前年度から0.7%上昇し、今年度予測は11.0%)を受け、砂糖生産量も前月予測から上方修正され、1130万トン(粗糖換算、同9.2%増)の見込みとなっている。
 
【貿易動向】
2013/14年度砂糖輸出量は、前年度比16.6パーセント増の見込み


 2013/14年度の輸出量は、砂糖の増産予測を受け、747万トン(同36.6%増)と前年度から大幅に増加する見込みである。また、サトウキビ・砂糖委員会事務局(OCSB)による2014年の砂糖輸出量についても、国内砂糖生産の増産を背景に前年の740万トンから850万トンと大幅な増加を見込んでいる。

 なお、2013年8月の粗糖・白糖輸出量は、38万トン(前年同月比15.7%減)となり、主要輸出先は日本、カンボジア、中国であった(図7)。

資料:Agra CEAS Consulting “WORLD SUGAR SUPPLY BALANCE, PRICE AND POLICY TREND ANALYSIS, October 2013”
 

豪州

 
【生産見通し】
2013/14年度の砂糖生産量は、前年度から減少する見込み


 2013/14砂糖年度(7月〜翌6月)のサトウキビ収穫面積は、36万4000ヘクタール(前年度比1.1%増)で、生産量は3045万トン(同0.2%減)と予測されている(表6)。また、砂糖生産量は、389万トン(粗糖換算、同5.0%減)と前月予測から21万トン下方修正された。これは、植え付け時期である今年1月頃の洪水による影響や、特にバンダバーグ地域のアイシスで発生している、葉が黄変し根を腐敗させるサトウキビの病気「イエローキャノピーシンドローム(YCS)」の影響による単収の減少に起因する。一方で、製糖が開始した7月以降、サトウキビ主要生産州であるクイーンズランド州では、乾燥した晴天の日が続いていることから、製糖は順調である。10月10日付の現地報道によると、製糖は、サトウキビ生産量の4割近くを占めるバーデキン地域でほぼ終了、同1割を占めるバンダバーグ地域で例年よりも5週間早く終了予定、同3割近くを占めるマッカイ地域で11月中旬に終了予定とされている。
 
【貿易・港湾動向】
2013/14年度の輸出量は、減産予測により前年度比10.0パーセント減の見込み


 2013/14年度の砂糖輸出量は、285万トン(粗糖換算、同10.0%減)と見込まれている(図8)。また、豪州農業資源経済科学局(ABARES)による9月報告(四半期)では、同年度の砂糖輸出量が前年度とほぼ同水準と予測しながらも、同年度の輸出額は、国際砂糖価格下落を背景に、前年度の14億豪ドル見込みから12億7000万豪ドルに減少の見通しとしている。

 クイーンズランド砂糖公社(QSL)は、今年1月頃の洪水による堆積土砂により、バンダバーグ港には輸出用大型貨物船が入港させることができず、小型船でマッカイ港のバルクシュガーターミナルまで迂回してから輸出することを余儀なくされている。今年中の復旧が予定されている。

資料:Agra CEAS Consulting “WORLD SUGAR SUPPLY BALANCE, PRICE AND POLICY TREND ANALYSIS, October 2013”
 

フィリピン

 
【生産見通し】
2013/14年度の砂糖生産量は、前年度並みの見込み


 2013/14砂糖年度(9月〜翌8月)のサトウキビ収穫面積は、前年度並みの43万ヘクタールと見込まれている。生産量は2485万トンと前月予測から15万トン下方修正されたものの、これまでの熱帯暴風雨や台風の被害は回避されており、砂糖生産量は前年度並みの257万トン(粗糖換算)と予測されている(表7)。
 
【貿易動向】
2013/14年度輸出量は、前年度並みの見込み


 2013/14年度の砂糖消費量は、223万トン(粗糖換算、前年度比1.2%増)と予測されている。生産量の上方修正をうけ、輸出量は31万トン(粗糖換算、同1.0%増)と、前月予測から1万トン増の見込みとなっている。なお、2013年7月の粗糖・白糖輸出量は3万9400トン(前年同月比129.4%増)で、主要輸出先は韓国、米国、日本であった(図9)。

 同国の砂糖の輸出は、砂糖統制委員会(以下「SRA」という。)によるケダン・システムで管理されている。SRAは、8月30日に米国輸出向けの「A」割当を生産量の2.0パーセント(粗糖換算で約5万トン)とすることとした。一方、米国通商代表部(USTR)は9月21日に今年度TRQを発表し、フィリピン産は14万2160トン(粗糖換算)と「A」割当以上であったことから、SRAは輸出向けの「D」割当を優占的に米国向けにすることとしている。

資料:Agra CEAS Consulting “WORLD SUGAR SUPPLY BALANCE, PRICE AND POLICY TREND ANALYSIS, October 2013”
 

南アフリカ

 
【生産見通し】
2013/14年度砂糖生産量は、前年度増の見込み


 前年新植されたサトウキビ栽培面積の増加による2013/14砂糖年度(4月〜翌3月)の収穫面積拡大見込みと、前年度の気候条件が株出し後のサトウキビの成長に適していたことで単収が増加する見込みから、同年度生産量は、2014万トン(同16.6%増)と大幅な増加が予測されている。また、前年度は収穫終了時期に降雨が続いたことから、今年度に収穫を見送ったことも、増産の要因とされる。今年度に入ってから天候は良好で、砂糖生産は順調に進んでおり、同年度の砂糖生産量は246万トン(粗糖換算、同18.2%増)と、2007/08年度の水準まで回復するとされている(表8)。
 
【貿易・政策動向】
2013/14年度輸出量は、前年度から大幅増の予測


 2013/14年度の砂糖消費量は、189万トン(粗糖換算、前年度比2.1%増)、輸出量は54万トン(粗糖換算、同49.0%増)と予測されている。なお、2013年8月の粗糖・白糖輸出量は11万6500トン(前年同月比170.5%増)で、主要輸出先は日本、豪州、インドネシアであった(図10)。

 同国砂糖協会(SASA)では、国内の砂糖産業保護のため、輸入砂糖に対する関税の引き上げを政府に要求している。同国砂糖輸入業者協会(ASASI)によれば、この関税の引き上げにより砂糖価格は44パーセント上昇するとしており、パンや穀物などといった食料品同様に、価格高騰による国民への負担増から関税の引き上げには懸念を示している。すでに、同国では過去5年間で、2.5キログラム袋の砂糖価格が60パーセントも上昇している。

資料:Agra CEAS Consulting “WORLD SUGAR SUPPLY BALANCE, PRICE AND POLICY TREND ANALYSIS, October 2013”
 
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