1.世界の砂糖需給(12月時点予測)
最終更新日:2014年1月10日
1.世界の砂糖需給(12月時点予測)
2014年1月
英国調査会社AgraCEAS Consulting社の2013年12月10日現在の予測によると、2012/13国際砂糖年度(2012年10月〜2013年9月)の世界の砂糖生産量は、1億8344万トン(粗糖換算、前年度比4.6%増)と増加の見通しとなっている(表1)。世界最大の生産・輸出国であるブラジルでは、前年度に発生した新植の停滞と天候不順の影響による減産から回復したことから、南米地域全体としては、前年度比12.7パーセントの増加が見込まれている。世界砂糖生産量の1割弱を占めるEUが同7.7パーセントの減産とされたものの、インド、中国、タイを含むアジア地域で同1.6パーセント増、北・中米地域では同15.3パーセント増が見込まれることで、前回(9月時点)の予測値とほぼ同水準となっている。一方、世界の消費量は、アジアおよびアフリカ地域の人口増加と経済成長に伴う需要増により、1億7210万トン(粗糖換算、同4.0%増)とみられており、前回予測から200万トン増となっている。なお、期末在庫率(期末在庫量/消費量×100)は前年度から5.3ポイント上昇し、46.6パーセントと見込まれている(図2)。
一方、2013/14年度の世界の砂糖生産量は、前回予測ではEUのみが減産予測となっていたが、今回の予測では、アジア地域およびアフリカ地域以外のすべての地域が減産予測となった。アジア地域では特にインドや中国、また、アフリカ地域では南アフリカの増産が著しい。しかしEUでは、5月まで続いた長雨と低温によりてん菜の播種時期がずれ込んだことによる生育の遅れ、南米地域では、中南部地域における6月の降雨や7月の霜による被害とエタノール仕向け割合の拡大、オセアニア地域では、豪州が1月の洪水や病害から減産する予測となっており、世界全体では1億8197万トン(粗糖換算、同0.8%減)と、2008/09年度以来の減産見通しとなっている。一方、消費量は、インド、中国および新興国の需要増に加え、国際砂糖価格下落による異性化糖需要者からのシフトが予測されており、1億7525万トン(粗糖換算、同1.8%増)と、前回予測から上方修正された。期末在庫率は、世界の砂糖需給は前年度に引き続き生産量が消費量を上回ると予測されていることから、前年度から1.4ポイント上昇し、48.0パーセントと見込まれている。
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