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砂糖類の国内需給

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最終更新日:2014年2月10日

砂糖類の国内需給

2014年2月

調査情報部

1.需給見通し

 農林水産省は、12月に「平成25砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第2回)」を公表した。その概要は以下のとおりである(詳細は2014年1月号参照)。
 

2.異性化糖の移出動向

 2013年の移出量は前年比2.2パーセント増加

  2013年12月の異性化糖の移出数量は、5万8569トン(前年同月比5.9%増、前月比2.6%減)と、同年2月以来となる6万トン割れの結果となった(図1)。異性化糖の市中価格が11月に3パーセント下落したが、12月の移出量への影響は限定的であった。

 2013年の異性化糖の移出数量累計は、86万3850トンと、前年比2.2パーセントの増加となった。過去5年間における異性化糖の移出量は年々増加しており、2013年の移出量は、最も高い水準となった。
 
 同年12月の規格別の移出量は、果糖含有率40パーセント未満のものが417トン(前年同月比18.4%増、前月比17.5%増)、果糖含有率40パーセント以上50パーセント未満のものが1万6918トン(前年同月比1.6%増、前月比1.2%減)、果糖含有率50パーセント以上60パーセント未満のものが3万9554トン(前年同月比7.6%増、前月比4.2%減)、果糖含有率60パーセント以上のものが1,679トン(前年同月比8.8%増、前月比23.3%増)であった。
 

3.輸入動向

【分蜜糖の輸入動向】
11月の輸入量は、前年11月以来となる14万トン超えの高水準


 財務省「貿易統計」によると、2013年11月の分蜜糖の輸入量は、14万7959トン(前年同月比5.4%増、前月比13.1%増)と、前年11月以来となる14万トンを超える高水準となった(図3)。砂糖の最需要期である12月を前に輸入量が増加したとみられる。輸入先国は、豪州、タイ、米国の3カ国であった。

 国別の輸入量を見ると、豪州が8万9274トン(前年同月比6.4%増、前月比56.7%増)と、2012年12月以来となる8万トンを超える高水準で、2013年8月以降4カ月連続で首位となった。次いで、タイが5万8678トン(前年同月比122.1%増、前月比33.9%増)、米国が7トン(前年同月輸入実績なし、前月比75%増)となった(図4)。
 
 2013年11月の1トン当たりの輸入価格は、4万6785円(前年同月比4.3%高、前月比2.1%高)と、前月から2カ月連続で前年同月および前月価格を上回る水準となった(図5)。同月の国別1トン当たり輸入価格は、豪州が4万7822円(前年同月比8.4%高、前月比4.5%高)、タイが4万5167円(前年同月比4.3%高、前月比2.9%高)、米国が38万2571円(前年同月輸入実績なし、前月比115.5%高)であった。
 
【含蜜糖の輸入動向】
11月の1トン当たりの輸入価格は、前年同月水準まで下落


 財務省「貿易統計」によると、2013年11月の含蜜糖の輸入量は、239トン(前年同月比31.9%減、前月比42.1%減)であった(図6)。国別の輸入量を見ると、ボリビアが178トン(前年同月比22.3%減、前月比11.4%減)と最も多く、次いで、中国が40トン(前年同月比増減なし、前月比74.5%減)、タイが21トン(前年同月輸入実績なし、前月比増減なし)であった(図7)。中国からの輸入量が前月から大幅に減少した。
 
 同月の1トン当たりの輸入価格は、10万4130円(前年同月比0.2%安、前月比2.6%安)であった(図8)。国別では、ボリビアが同10万6039円(前年同月比24.8%高、前月比4.1%高)、中国が同10万4050円(前年同月比16.1%高、前月比0.4%減)、タイが同8万8095円(前年同月輸入実績なし、前月比2.2%高)であった。

  2012年12月以降、輸入価格は、前年同月水準を上回る状況が続いていたが、11月の輸入価格は前年水準を下回った。
 
【加糖調製品の輸入動向】
11月の加糖調製品の輸入量は、前年同月比、前月比ともに減少


 財務省「貿易統計」によると、2013年11月の加糖調製品の輸入量は、4万7849トン(前年同月比2.6%減、前月比3.5%減)であった(図9)。品目別の輸入量は、ミルク調製品が1万529トン(前年同月比3.5%減、前月比19.2%減)と最も多く、次いで、ソルビトール調製品が9,722トン(前年同月比7.2%減、前月比9.2%減)、ココア調製品が7,608トン(前年同月比13.1%減、前月比12%減)となった。

 同月のコーヒー調製品の輸入量は64トンと数量は少ないが、前年同月比69.2パーセント増、前月比80.7パーセント増と数量を伸ばしている。2013年1〜11月の輸入量も対前年同期比で見ても29パーセント増加しており、今後の動向が注目される。
 

4.市場の動き

 12月の砂糖の上白糖大袋価格(日経相場)は、東京は1キログラム当たり185〜186円、大阪は同186円の水準で推移した。名古屋では製糖メーカー各社が11月に行った出荷価格の値上げの影響により、4日に同3円の上昇が見られたため、12月は同186〜189円の水準で推移した。

 日経POSデータの小売店販売価格調査によると、12月の小袋のスーパーにおける平均小売価格は、上白糖が1キログラム当たり186.3円(前年同月比1.5円安、前月比1円安)、グラニュー糖が同223.8円(前年同月比2.2円高、前月1円高)、三温糖が同220.7円(前年同月比3.3円高、前月比0.9円安)であった。上白糖の小売価格を地域別に見ると、最も安かったのは関東など(茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県)の同167.2円で、最も高かった中国四国の同207円と比較すると、同39.8円の価格差があった。関東などでは、前月から11.9円の下落が見られたため、両地域における価格差が広がった。

 12月の異性化糖の大口需要家向け価格(果糖分55%、東京タンクローリーもの)は、1キログラム当たり142円〜143円の水準で推移した。

株式会社東京商品取引所

◎12月中 粗糖商況

 月初2日、為替が103円台をつけ、一段と円安になったことから上昇して始まった。新甫2015年1月限は4,690円上鞘の1トン当たり4万9890円で発会した。しかしその後は、インドなど生産地における過剰生産や世界的に潤沢な在庫を背景としたNY市場の下落などから反落し、おおむね4万5000円前後で取引された。

 中旬11日は、上旬の下落基調を引き継いで、4万4000円台で取引された。その後も、主要生産国のブラジル、タイなどにおいても大量の収穫が進んでおり、供給過剰が見込まれること、ブラジルのサトウキビ産業協会(UNICA)がサトウキビ圧搾量を上方修正したことなどからNY市場が続落し、こうした動きを受けて当社市場も軟調に推移し、16日には4万2500円まで下落した。

 下旬、世界最大の粗糖輸入国であるインドネシアの貿易省が2013年12月〜2014年2月に80万トンの砂糖を輸入すると発表し、これが世界的な供給過剰を一部相殺するとしてNY市場が急反発した。さらに、中国の輸入量が増加するとの見通しや円相場が一段と円安傾向になったことなどから当社市場も上昇に転じ、26日には4万4500円まで値を戻した。その後は、調整局面となって期先限月は4万3000円で取引を終了した。
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グル―プ)
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