【生産・輸出動向】
2013/14年度の砂糖生産量は前年度比かなり増加し、在庫の積み増しが懸念
2013/14砂糖年度(10月〜翌9月)のサトウキビの収穫面積は、136万ヘクタール(前年度比1.2%増)、生産量は、1億370万トン(同3.7%増)と天候に恵まれたことにより前年度に比べやや増加する見込みである(
表5)。サトウキビの増産に加え、製糖歩留まりが向上(同0.87ポイント増の11.2%)したことから、甘しゃ糖の生産量は1163万トン(同12.4%増)と前年度に比べかなり大きく増加が見込まれている。
輸出量は世界的な供給過剰を背景に、598万トン(同1.9%減)と前年度をわずかに下回る見込みであり、増産の中、国内消費量の大幅な増加も見込めないことから、この減少分が期末在庫に積み増しされることになる。
タイ政府(さとうきび・砂糖委員会事務局(OCSB))によると、輸出業者が輸出価格を低く抑えているため、2014年(1〜12月)の甘しゃ糖輸出量は880万トンまで増加する予測であるものの、現地情報では、世界的な供給過剰により、2013/14砂糖年度の輸出割当量のうちまだ300万トンが消化されていないとしており、期待されたほど輸出は伸びていないと考えられる。
また、2014/15年度のサトウキビの収穫面積は前年度並みの見込みであるが、北部と中部で干ばつにより生育の遅れがあり、サトウキビの生産量は9980万トン(同3.8%減)と前年度に比べやや減少する見通しである。ただし、製糖歩留まりが前年度並みを維持することから、甘しゃ糖の生産量は1150万トン(同1.1%減)とわずかな減少にとどまる見通しである。
一方、輸出量は過剰在庫の削減を図るため、810万トン(同35.5%増)と大幅な増加が予測されているものの、世界的な供給過剰が続く見通しであることから、輸出量の伸びは期待できないと考えられる。また、予測通りに輸出されたとしても、期末在庫量は依然として600万トンを超えた高水準になると見込まれる。