砂糖 砂糖分野の各種業務の情報、情報誌「砂糖類情報」の記事、統計資料など

ホーム > 砂糖 > 砂糖の国際需給・需給レポート > 4. 日本の主要輸入先国の動向(2014年10月時点予測)

4. 日本の主要輸入先国の動向(2014年10月時点予測)

印刷ページ

最終更新日:2014年11月10日

4. 日本の主要輸入先国の動向(2014年10月時点予測)

2014年11月

 2013年の甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード1701.14‐110)の輸入量は、138万2554トン(前年比1.7%減)となった。そのうち、タイが50.7%(同7.9ポイント減)、豪州が32.5%(同1.1ポイント減)、フィリピンが8.1%(同5.1ポイント増)、南アフリカが4.3%(同2.2ポイント増)、グアテマラが4.3%(同1.7ポイント増)と、この5カ国で輸入量全体の99.9%を占めている(財務省「貿易統計」)。
 2014年5月号から、「日本の主要輸入先国の動向」の掲載国のうち、フィリピン、南アフリカ、グアテマラ(新規追加国)の3カ国については、3カ月に1回の報告としています(今月は南アフリカとなります)。

タ イ

 
【生産・輸出動向】
2013/14年度の砂糖生産量は前年度比かなり増加し、在庫の積み増しが懸念

 2013/14砂糖年度(10月〜翌9月)のサトウキビの収穫面積は、136万ヘクタール(前年度比1.2%増)、生産量は、1億370万トン(同3.7%増)と天候に恵まれたことにより前年度に比べやや増加する見込みである( 表5)。サトウキビの増産に加え、製糖歩留まりが向上(同0.87ポイント増の11.2%)したことから、甘しゃ糖の生産量は1163万トン(同12.4%増)と前年度に比べかなり大きく増加が見込まれている。

 輸出量は世界的な供給過剰を背景に、598万トン(同1.9%減)と前年度をわずかに下回る見込みであり、増産の中、国内消費量の大幅な増加も見込めないことから、この減少分が期末在庫に積み増しされることになる。

 タイ政府(さとうきび・砂糖委員会事務局(OCSB))によると、輸出業者が輸出価格を低く抑えているため、2014年(1〜12月)の甘しゃ糖輸出量は880万トンまで増加する予測であるものの、現地情報では、世界的な供給過剰により、2013/14砂糖年度の輸出割当量のうちまだ300万トンが消化されていないとしており、期待されたほど輸出は伸びていないと考えられる。

 また、2014/15年度のサトウキビの収穫面積は前年度並みの見込みであるが、北部と中部で干ばつにより生育の遅れがあり、サトウキビの生産量は9980万トン(同3.8%減)と前年度に比べやや減少する見通しである。ただし、製糖歩留まりが前年度並みを維持することから、甘しゃ糖の生産量は1150万トン(同1.1%減)とわずかな減少にとどまる見通しである。

 一方、輸出量は過剰在庫の削減を図るため、810万トン(同35.5%増)と大幅な増加が予測されているものの、世界的な供給過剰が続く見通しであることから、輸出量の伸びは期待できないと考えられる。また、予測通りに輸出されたとしても、期末在庫量は依然として600万トンを超えた高水準になると見込まれる。
 

豪州

 
【生産・貿易動向】
2014/15年度の砂糖生産量は前年度をわずかに上回り、輸出量も好調の見込み

 2014/15年度のサトウキビの収穫面積は38万ヘクタール(前年度比1.6%増)、クイーンズランド州(QLD)南部の一部地域で干ばつの影響があるものの、主要生産地域であるQLD北部が天候に恵まれたことから、サトウキビの生産量は3200万トン(同2.0%増)とわずかに増加し、7年ぶりの豊作となる見込みである(表6)。甘しゃ糖の生産量は、6月と8月の多雨による収穫の遅れの影響で、可製糖率が13.6%(同0.24ポイント減)となり、435万トン(同0.1%増)と前年度並みにとどまる見込みである。なお、収穫の遅れを取り戻すため、各製糖事業者はフル操業で圧搾を行っており、収穫予定のサトウキビの半分が圧搾を終了している。また、輸出量は、インドネシア向けの粗糖の輸出が好調なことから、347万トン(同11.3%増)の見込みである。
 

南アフリカ

 
【生産・貿易動向】
2013/14年度の砂糖生産量、輸出量ともに前年度比大幅に増加

 2013/14砂糖年度(4月〜翌3月)のサトウキビの収穫面積は31万ヘクタール(前年度比10.0%増)、サトウキビの生産量は、気象条件が良く単収が増加したことから、2014万トン(同16.6%増)と大幅な増加が見込まれている(表7)。甘しゃ糖の生産量も249万トン(同20.0%増)と増加し、この増産により砂糖輸出量は80万トン(同121.5%増)と大幅な増加が見込まれる(表7)。

 また、2014/15砂糖年度のサトウキビの収穫面積は34万ヘクタール(同10.0%増)と拡大が見込まれるものの、干ばつの影響により生育が遅れていることから、サトウキビの生産量は1974万トン(同2.0%減)、甘しゃ糖の生産量は、250万トン(同0.6%増)と前年度並みにとどまると見通されている。
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713