4. 日本の主要輸入先国の動向（2014年11月時点予測）

　2013年の甘しゃ糖・分みつ糖（HSコード1701.14‐110）の輸入量は、138万2554トン（前年比1.7％減）となった。そのうち、タイが50.7％（同7.9ポイント減）、豪州が32.5％（同1.1ポイント減）、フィリピンが8.1％（同5.1ポイント増）、南アフリカが4.3％（同2.2ポイント増）、グアテマラが4.3％（同1.7ポイント増）と、この5カ国で輸入量全体の99.9％を占めている（財務省「貿易統計」）。

2014年5月号から、「日本の主要輸入先国の動向」の掲載国のうち、フィリピン、南アフリカ、グアテマラ（新規追加国）の3カ国については、3カ月に1回の報告としています（今月はグアテマラとなります）。

【生産・輸出動向】
2013/14年度の在庫、増産によるの積み増しが懸念
　2013/14砂糖年度（10月〜翌9月）の生産実績などが確定した。サトウキビの収穫面積は、136万ヘクタール（前年度比1.2％増）、サトウキビの生産量は、1億370万トン（同3.7％増）と天候に恵まれたことにより、前年度に比べやや増加した（表5）。サトウキビの増産に加え、製糖歩留まりが向上（同0.87ポイント増の11.2％）したことから、甘しゃ糖の生産量は1163万トン（同12.4％増）と前年度に比べかなり大きく増加した。

　一方、輸出量は世界的な供給過剰を背景に、前月予測から34万トン下方修正され564万トン（同7.6％減）と前年度をかなり下回る見込みである。増産の中、国内消費量の大幅な増加も見込めないことから、この輸出減少分が在庫に積み増され、期末在庫量は641万トンとなる見込みである。

　2014／15年度のサトウキビの収穫面積は前年度並みが見込まれるが、北部と中部で干ばつによる生育の遅れがあるため、サトウキビの生産量は9980万トン（同3.8％減）と、前年度に比べやや減少する見通しである。生育の遅れは糖度に影響することから、甘しゃ糖の生産量は1050万トン（同9.7％減）と、かなり減少する見通しである。

　一方、輸出量は潤沢な在庫を背景に、810万トン（同43.7％増）と大幅な増加が予測されるものの、期末在庫量は500万トン台と高い水準が維持されると見込まれる。

【生産・貿易動向】
2014/15年度の砂糖生産量、輸出量とも前年度比かなり増加の見込み
　2014/15砂糖年度（7月〜翌6月）のサトウキビの収穫面積は38万ヘクタール（前年度比1.6％増）、サトウキビ生産量は、主要生産地域であるクイーンズランド州（QLD）北部が天候に恵まれたことから3200万トン（同2.0％増）とわずかに増加し、7年ぶりの豊作となる見込みである（表6）。甘しゃ糖の生産量は、可製糖率の上昇を反映し（同0.92ポイント増の14.78%）、473万トン（同8.7％増）と前年度に比べかなり増加する見込みである。また、輸出量は、インドネシア向けの粗糖の輸出が好調なことから、347万トン（同11.3％増）の見込みである。

【生産・貿易動向】
2013/14年度の砂糖生産量は前年度よりやや減少も、輸出量は前年度並み
　2013/14砂糖年度（11月〜翌10月）は、サトウキビの収穫面積は26万ヘクタール（前年度比0.4％減）、サトウキビの生産量は2684万トン（同0.4％減）と、前年度並みの見込みである。前回見込みより製糖歩留まりが低かったため、甘しゃ糖の生産量は、288万トン（同3.7％減）に下方修正されたものの、砂糖輸出量は201万トン（同0.6％増）と前年度並みの水準となる見込みである（表7）。

　2014/15砂糖年度のサトウキビの収穫面積およびサトウキビの生産量はいずれも前年度並み、甘しゃ糖の生産量は製糖歩留まりの向上により前年度を4.2%上回る300万トンと見通されている。また、輸出量は増産を受けて210万トン（同4.4％増）と前年度をやや上回る見通しである。