砂糖類の国内需給
最終更新日:2014年12月10日
砂糖類の国内需給
2014年12月
1.需給見通し
農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。9月に「平成26砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第1回)」を公表した。その概要は以下のとおりである(詳細は
2014年9月号参照)。
2. 異性化糖の移出動向
10月の移出量は前月からかなり増加も直近3年間では最低水準
2014年10月の異性化糖の移出数量は、6万136トン(前年同月比3.3%減、前月比7.5%増)と、前月からかなり増加した(図1)。
同月の規格別の移出量は、次のとおりであった(
図2)。
果糖含有率40%未満 345トン(前年同月比5.4%増、前月比2.4%増)
果糖含有率40%以上50%未満 1万7557トン(同1.1%減、同5.5%増)
果糖含有率50%以上60%未満 4万1101トン(同3.1%減、同8.6%増)
果糖含有率60%以上 1132トン(同34.5%減、同0.1%増)
3. 輸入動向
【分みつ糖の輸入動向】
9月の輸入量は前年同月および前月から大幅に減少
財務省「貿易統計」によると、2014年9月の分みつ糖の輸入量は、6万4345トン(前年同月比52.1%減、前月比40.6%減)と、前年同月および前月から大幅に減少した(図3)。輸入先国はタイ、南アフリカ、米国の3カ国であった。南アフリカからの輸入は2014年5月以来となる。
2014年9月の国別の輸入量は次のとおりであった(
図4)。
タイ 4万9323トン (前年同月比17.9%増、前月比31.3%減)
南アフリカ 1万5000トン (前年同月および前月輸入実績なし)
米国 22トン (同4.3%減、同56.0%減)
2014年9月の1トン当たりの輸入価格は、4万5737円(前年同月比1.6%高、前月比2.6%高)となった(図5)。
同月の国別の1トン当たりの輸入価格は、次のとおりであった。
タイ 4万3772円 (前年同月比1.3%高、前月比0.2%高)
南アフリカ 5万2001円 (前年同月および前月輸入実績なし)
米国 18万818円 (同10.8%高、同16.1%高)
【含みつ糖の輸入動向】
9月の輸入量は前月から大幅に減少
財務省「貿易統計」によると、2014年9月の含みつ糖の輸入量は、227トン(前年同月比28.2%増、前月比55.0%減)と、前月から大幅に減少した(図6)。輸入先国は、中国およびフィリピンの2カ国であった。
同月の国別の輸入量は次のとおりであった(
図7)。
中国 215トン (前年同月比5.5倍、前月比49.6%減)
フィリピン 12トン (同33.3%減、同25.0%減)
9月の1トン当たりの輸入価格は、11万8198円(前年同月比3.0%高、前月比4.1%高)となった(図8)。
国別の1トン当たりの輸入価格は、次のとおりである。
中国 11万3279円 (前年同月比7.1%高、前月比1.8%高)
フィリピン 20万6333円 (同7.8%高、同2.0%高)
【加糖調製品の輸入動向】
9月の輸入量は前年同月および前月から大幅に増加
財務省「貿易統計」によると、2014年9月の加糖調製品の輸入量は、4万9215トン(前年同月比19.2%増、前月比16.2%増)と、前年同月および前月から大幅に増加した(図9)。
品目別の輸入量は、次のとおりであった。
ミルク調製品 1万4278トン (前年同月比39.2%増、前月比24.0%増)
ソルビトール調製品 9658トン (同11.1%増、同8.9%増)
ココア調製品 7936トン (同5.0%増、同18.4%増)
その他調製品 7189トン (同16.7%増、同8.1%増)
調製した豆(加糖あん) 5986トン (同8.9%増、同18.4%増)
穀粉調製品 4140トン (同32.2%増、同16.9%増)
コーヒー調製品 29トン (前年同月輸入実績なし、同16.2%減)
4. 価格の動き
【市場価格】
10月の砂糖の上白糖大袋価格(日経相場)は、東京は1キログラム当たり185〜186円、大阪は同186円、名古屋は同189円と、前月と同水準で推移した。10月の異性化糖の大口需要家向け価格(果糖分55%、東京、タンクローリーもの)は、1キログラム当たり140円〜141円の水準で推移した。
【販売価格】
日経POSデータの小売店販売価格調査によると、10月の小袋のスーパーにおける平均小売価格は、以下のとおりであった。
上白糖 184.4円 (前年同月比3.7円安、前月比1.3円高)
グラニュー糖 223.1円 (同0.9円高、同0.7円安)
三温糖 217.8円 (同2.1円安、同0.1円高)
上白糖の販売価格を地域別に見ると、関東などと関西において前月から価格が上昇した(図10)。
最も安かったのは関東などの172.1円(前月比3.9円高)で、最も高かった中国・四国の196.0円(同4.6円安)と比較すると、23.9円の価格差があった。
グラニュー糖の販売価格を地域別に見ると、首都圏と中部で下落したが、その他の地域ではおおむね前月と同水準で推移した(図11)。最も安かったのは北海道の184.4円(前月同)で、最も高かった関東などの240.2円(同0.1円安)と比較すると、55.8円の価格差があった。
三温糖の販売価格を地域別に見ると首都圏、中部、関西で上昇した。一方で北海道、東北、中国・四国では下落した(図12)。最も安かったのは中国・四国の206.3円(前月比5.0円安)で、最も高かった北海道の229.3円(同8.0円安)と比較すると、23円の価格差があった。
【購入金額および購入量】
総務省「家計調査」によると、2014年9月の1世帯当たりの砂糖に係る支出金額は、87円(前年同月比2.2%安、前月比8.4%安)となった(図13)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、419グラム(同9.1%減、同13.8%減)となった(
図14)。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
Tel:03-3583-8713