前年産から増加見込みも回復の途上
鹿児島県農政部農産園芸課が取りまとめた「平成26年産さとうきびの生産見込みについて(11月1日現在)」によると、26年産さとうきびの収穫面積は、1万104ヘクタール(前年産比7.8%増)で、うち熊毛地区が2703ヘクタール(同0.3%減)、大島地区が7401ヘクタール(同11.1%増)の見込みである。また、生産量は53万8718トン(同6.0%増)で、うち熊毛地区が16万1032トン(同15.0%減)、大島地区が37万7686トン(同18.6%増)の見込みである。10アール当たりの収量は5332キログラム(同1.6%減)の見込みである(
表3)。
26年産さとうきびの生育状況は、7月中旬までの低温や日照不足などから生育遅延(茎数不足など)が発生していたものの、その後は、干ばつや台風による大きな被害もなく、順調な生育が期待された。しかし、10月に台風18号、19号が相次いで襲来したため、折損や葉片裂傷、潮風害が発生し、特に種子島および奄美大島では被害が大きく、生産量にマイナスの影響を与えることになった。
このため、県全体としては収穫面積および生産量は前年産実績を上回るものの、地区別の生産量を見ると、大島地区が前年産を上回るのに対して、熊毛地区は前年産を大きく下回る見込みとなっている。また、過去5年間の実績と比較すると、不作だった23年産および24年産以降、生産量は回復傾向にあるものの(表4)、単収は平年(過去10年間の中庸8年平均)の91%であり、22年産以前の水準には戻っていない状況である。
なお、収穫面積の確保に向けて、各島が実施した夏植え推進の結果、26年産夏植えの収穫面積は、前年産実績を大きく上回る1764ヘクタール(同56.0%増)となる見込みである。(鹿児島事務所)