【生産量】
2014/15年度の主要国の砂糖生産量は、ブラジルはエタノール向けが拡大していることから3700万トン(前年度比6.3%減)、インドは高単収苗の普及が拡大することから2700万トン(同0.9%増)、EUは主要生産国であるフランスおよびドイツにおいて、播種および生育時期ともに天候に恵まれたことから1860万トン(同13.3%増)の見込みである。中国はサトウキビの生産地域の天候不順により1305万トン(同9.9%減)、タイは干ばつにより1050万トン(同10.0%減)といずれも減少が見込まれる(
図2)。
米国およびメキシコは前年度並みのそれぞれ768万トン、630万トンの見込みである。パキスタンは国内の供給過剰を背景にサトウキビから他作物に転換した農家が増加したことから544万トン(同8.2%減)の見込みである。ロシアはてん菜の生産量は前年度並みであるものの製糖歩留まりの向上により490万トン(同2.7%増)の見込みである。
【消費量】
2014 / 15年度の主要国の砂糖消費量は、経済成長に伴い1人当たりの消費量が増加しているインド、中国、ブラジル、インドネシアがそれぞれ、2710万トン(前年度比3.0%増)、1680万トン(同3.7%増)、1272万トン(同0.2%増)、630万トン(同2.4%増)と前年度を上回る見込みである。EU、米国、ロシア、パキスタン、メキシコは前年度並みと見込まれる。
【輸入量】
2014 / 15年度の主要国の砂糖輸入量は、消費量が増加しているインドネシアが373万トン(前年度比5.7%増)と世界最大の輸入国となり、前年度に最も多く輸入した中国は価格安定を図るため在庫を削減する目的で輸入制限を課したことから、271万トン(同33.1%減)となる見込みである。米国は期首在庫率(12%)が適正在庫率(15%)を下回っていることから、在庫調整により361万トン(同10.7%増)とかなり増加する見込みである。
EUは域内の生産が増加し、域外からの輸入量が減少することから244万トン(同44.5%減)と大幅に減少し、イランも生産量が増加することから150万トン(同8.2%減)の見込みである。一方、日本は生産量が減少することから145万トン(同7.8%増)、ロシアは生産量が増加しているものの在庫調整のため150万トン(同36.3%増)と前年度より増加する見込みである。エジプト、スーダンは前年度並みの見込みである。
【輸出量】
2014 / 15年度の主要国の砂糖輸出量は、ブラジルは生産量の減少に伴い2349万トン(前年度比13.2%減)と大幅に減少する見込みである。タイは719万トン(同27.5%増)とブラジルの減少分を補完する見込みである。豪州、キューバ、コロンビアは生産量の増加に伴いそれぞれ347万トン(同15.8%増)、100万トン(同11.1%増)、82万トン(同24.0%増)の見込みである。
インドは国際価格が下落している中、政府による粗糖に対する輸出補助金措置がなくなることから150万トン(同45.3%減)と大幅に減少する見込みである。EU、メキシコ、グアテマラは前年度並みの見込みである。