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4. 世界の砂糖需給に影響を与える諸国の動向(2014年12月時点予測)

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最終更新日:2015年1月9日

4. 世界の砂糖需給に影響を与える諸国の動向(2014年12月時点予測)

2015年1月

ブラジル

 
【生産・輸出動向】
2014/15砂糖年度の砂糖生産量はかなり減少、輸出量は大きく減少の見込み

 2014/15砂糖年度(4月〜翌3月)のサトウキビの収穫面積は前年度並みの889万ヘクタールの見込みである。サトウキビの生産量は生育時期の干ばつが影響し、単収が減少することから6億9249万トン(前年度比6.3%減)、甘しゃ糖の生産量は3700万トン(同6.3%減)と減産となることに伴い砂糖輸出量は2349万トン(同13.2%減)と前年度に比べかなり大きく減少する見込みである(表2)。

 一方、ブラジルサトウキビ産業協会(UNICA(注))が公表した2014 / 15年度の4月から11月までのブラジル中南部地域の製糖実績報告によると、サトウキビ生産量は5億5409万トン(前年同期比3.0%減)となった。また、堅調な国内需要を反映し、エタノール生産量が25億1832万リットル(同3.5%増)と増加したため、甘しゃ糖の生産量は3150万トン(同4.9%減)と減少した。

(注) ブラジルサトウキビ産業協会(UNICA)は、ブラジル全体の甘しゃ糖生産量の9割を占める中南部地域を所管している団体。
 
 

インド

 
【生産・輸出動向】
2013/14年度の砂糖生産量はやや減少するも、輸出量は大幅に増加

 2013/14砂糖年度(10月〜翌9月)の生産実績などが確定した。同年度のサトウキビの収穫面積は、506万ヘクタール(前年度比0.6%減)と前年度並みとなったものの、単収が低下したことからサトウキビ生産量は3億4120万トン(同5.5%減)、甘しゃ糖の生産量は2675万トン(同2.1%減)となった。

 輸出量は粗糖に対する輸出補助金の効果により274万トン(同152.4%増)と前年度に比べ大幅に増加した(表3)。

 2014/15砂糖年度のサトウキビの収穫面積は前年度並みにとどまるが、高単収苗の普及に伴い単収の向上が見込まれることから、サトウキビの生産量は3億4439万トン(同0.9%増)、甘しゃ糖の生産量は2700万トン(同0.9%増)と前年度を上回る見込みである。一方で、輸出量は粗糖に対する輸出補助金の適用が前年度末(9月)で終了したことから、150万トン(同45.3%減)と前年度に比べ大幅に減少する見込みである。ただし、政府はこの輸出補助金について、在庫削減のために今年度も継続を検討していると報じられており、その場合は、粗糖の輸出量が増加するとの見方が強い。

 また、現地報道によると、サトウキビの取引価格交渉が難航し、圧搾開始の遅れが懸念されていたウッタル・プラデーシュ州では、製糖工場と生産者との間で前年同額の1トン当たり2800ルピー(5824円(11月末TTS: 1ルピー=2.08円))で取引価格が妥結されたことから、11月最終週から圧搾が開始された。マハーラーシュトラ州およびカルナータカ州は生育が好調であったことから10月から圧搾が開始されており、特にマハーラーシュトラ州で前年度を大幅に上回るペースで砂糖生産が行われている。
 

中国

 
【生産・輸入動向】
2014/15年度の糖生産量はかなり減少、輸入量は大幅に減少の見込み

 2014/15年度(10月〜翌9月)のサトウキビの収穫面積は182万ヘクタールと前年度並みであるものの、サトウキビの最大生産地である広西自治区が天候不順により大幅に減少したことから、サトウキビ生産量は1億1225万トン(前年度比10.6%減)と前年度に比べかなりの減少が見込まれる。この減産を受け、甘しゃ糖の生産量は1222万トン(同10.6%減)の見込みである。

 てん菜の収穫面積は前年度並みの25万ヘクタール、てん菜の生産量は1235万トン(同2.4%増)、てん菜糖の生産量は83万トン(同2.5%増)の見込みである。この結果、中国の砂糖生産量は1305万トン(同9.9%減)と前年度に比べかなり減少する見込みである。

 一方、中国砂糖協会によると、甘しゃ糖の生産量(白糖ベース)は1129万トン(同10.2%減)、このうち広西自治区が770万トン(同10.0%減)、雲南省が230万トン(同0.4%減)、広東省が95万トン(同20.2%減)と主要生産地で軒並み減少の見込みである。また、てん菜糖の生産量(白糖ベース)は71万トン(同4.8%減)と見込まれ、中国の砂糖生産量(白糖ベース)は1200万トン(同11.0%減)と前年度に比べかなり減少する見込みである。

 砂糖の輸入量は、政府の輸入制限(注)により、271万トン(同33.1%減)と大幅に減少する見込みである。

 また、最大の生産地である広西自治区の製糖工場は国内在庫が増加し、国内産白糖の卸売価格の下落が継続していることを背景に、同年度のサトウキビの取引価格を前年度より10%引き下げ、1トン当たり400元(7812円(11月末TTS: 1 元=19.53円))にすると12月4日に発表した。サトウキビ生産者にとって人件費などが上昇している中でのさらなる取引価格の引き下げは、収益性の高い果物などへの転換の契機となるため、来年度の作付面積の減少が懸念されている。

(注) 中国では最近、関税割当が適用されているにもかかわらず、安価な白糖の輸入量が増加し、国内価格が下落している。このため、政府は輸入業者を届出制から登録制に変更し、制度を厳格に運用することとした。
 
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