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5. 日本の主要輸入先国の動向(2014年12月時点予測)

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最終更新日:2015年1月9日

5. 日本の主要輸入先国の動向(2014年12月時点予測)

2015年1月

 2013年の甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード1701.14‐110)の輸入量は、138万2554トン(前年比1.7%減)となった。そのうち、タイが50.7%(同7.9ポイント減)、豪州が32.5%(同1.1ポイント減)、フィリピンが8.1%(同5.1ポイント増)、南アフリカが4.3%(同2.2ポイント増)、グアテマラが4.3%(同1.7ポイント増)と、この5カ国で輸入量全体の99.9%を占めている(財務省「貿易統計」)。

 2014年5月号から、「日本の主要輸入先国の動向」の掲載国のうち、フィリピン、南アフリカ、グアテマラ(新規追加国)の3カ国については、3カ月に1回の報告としています(今月はフィリピンとなります)。

タイ

 
【生産・輸出動向】
2014/15年度の砂糖生産量はかなり減少するも、輸出量は大幅に増加の見込み

 2014 / 15年度(10月〜翌9月)のサトウキビの収穫面積は前年度並みの132万ヘクタールの見込みであるが、北部と中部で干ばつによる生育の遅れがあり、サトウキビの生産量は9000万トン(前年度比10.0%減)、甘しゃ糖の生産量は1050万トン(同10.0%減)と前年度に比べかなり減少する見込みである。

 一方、輸出量は719万トン(同27.5%増)と前年度に比べ大幅に増加する見込みである。これは、ブラジルの輸出が減少することに伴いタイが輸出量を大きく伸ばすと見込まれているためである。

【政策動向】
 11月1日、政府(商務省)は稲作からの転作を図るため4作物(サトウキビ、キャッサバ、油ヤシおよびトウモロコシ)に対する生産目標を公表した。このうちサトウキビについては、今後12年間(2015〜2026年)で作付面積を256万ヘクタール、生産量を1億8000万トンまで拡大させることとしている。

 また、12月1日、政府(工業省のサトウキビおよび砂糖委員会事務局(OCSB))は、砂糖の在庫削減のために製糖企業に対し粗糖からのエタノール生産を認めると発表した。ただし、粗糖を原料とするエタノール生産はキャッサバや糖蜜よりも高コストになるため、どの程度、在庫削減に寄与するかは不透明である。なお、サトウキビの搾汁(ケーンジュース)からのエタノール生産については、一部を除いてまだ許可されていない。
 

豪州

 
【生産・輸出動向】
2014/15年度の砂糖生産量、輸出量ともかなり増加の見込み
 2014/15砂糖年度(7月〜翌6月)のサトウキビの収穫面積は前年度並みの33万ヘクタール、サトウキビの生産量は、主要生産地域であるクイーンズランド州北部が天候に恵まれ、単収が1ヘクタール当たり89.25トン(前年度比6.85ポイント増)と向上することから2940万トン(同8.3%増)、甘しゃ糖の生産量は473万トン(同8.3%増)と前年度に比べかなり増加する見込みである(表6)。また、輸出量は生産量の拡大に伴い347万トン(同15.8%増)と前年度に比べ大幅に増加する見込みである。
 

フィリピン

 
【生産・輸出動向】
2014/15年度の砂糖生産量はわずかに増加、輸出量は大幅に減少の見込み

 2014/15砂糖年度(9月〜翌8月)のサトウキビの収穫面積は前年度並みの44万ヘクタール、サトウキビ生産量は3237万トン(前年度比1.6%増)、甘しゃ糖の生産量は250万トン(同1.6%増)と見込まれている。輸出量は、消費が伸びている国内販売向けが増えるため25万トン(同32.3%減)と前年度に比べ大幅に減少する見込みである(注)(表7)。

(注)砂糖の国内販売・輸出については、1986年以降、国内の砂糖価格の安定を図るため、政府の砂糖統制委員会(SRA)がケダンシステムにより管理している。SRAは、砂糖の国内販売輸出数量を、A(米国向け(粗糖の関税割当分)、B(国内販売向け)、C(備蓄在庫用)およびD(米国以外の輸出向け)の4つに割り当てており、2014/15年度はAとDに12万5000トンずつ割り当てた。
 なお、ケダンシステムの詳細については、「フィリピンにおけるサトウキビの効率的生産に向けた動き(2014年12月号)」を参照のこと。
 
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
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