【生産・輸出動向】
2014/15年度の砂糖生産量はかなり減少、輸出量は大きく減少の見込み
2014/15砂糖年度(4月〜翌3月)のサトウキビの収穫面積は、前年度並みの889万ヘクタールの見込みである。主要生産地であるサンパウロ州では生育時期の干ばつが影響し、単収が低下するものとみられ、サトウキビの生産量は6億9249万トン(前年度比6.3%減)、甘しゃ糖の生産量は3700万トン(粗糖換算(以下、特段の断りがない限り砂糖に係る数量は粗糖換算)、同6.3%減)と減産となる見通しである。砂糖の輸出量は減産の影響が響き2349万トン(同13.2%減)と前年度に比べかなり大きく減少する見込みである(
表2)。
ブラジルサトウキビ産業協会(UNICA
(注1))が公表した2014/15年度の4月から12月まで、ブラジル中南部地域の製糖実績報告によると、サトウキビ生産量は、干ばつの影響により、年度後半のサトウキビ収穫量が例年の水準を下回ることが見込まれていることから、5億6781万トン(前年同期比5.0%減)となる。また、エタノール生産量が堅調な国内需要を反映し、258億8624万リットル(同1.8%増)と増加したため、同地域の甘しゃ糖の生産量は3194万トン(同6.8%減)と減少した。
サトウキビの減産により、1月以降、圧搾を続けている製糖工場は321
(注2)のうちわずか16工場となり、サトウキビの圧搾量は、前年度の水準に比べ3000万トン弱の減少が見込まれる。
また、主要生産地のサンパウロ州では記録的な干ばつの影響が長引き、次年度のサトウキビの生育への影響が懸念されており、2年連続で減産とみられている。
ブラジルでは、ガソリンなどへの課税の強化を打ち出しているものの、最近の著しい原油価格の下落がサトウキビのエタノールへの仕向けに影響を及ぼす可能性が高まっている。
(注1)ブラジルサトウキビ産業協会(UNICA)は、ブラジル全体の甘しゃ糖生産量の9割を占める中南部地域を所管している団体。
(注2)2014年6月時点の製糖工場数。