【生産・輸入動向】
2014/15年度の砂糖生産量はかなり減少、輸入量は大幅に減少の見込み
2014/15砂糖年度(10月〜翌9月)のサトウキビの収穫面積は182万ヘクタールと前年度並みであるものの、サトウキビの生産量は、最大生産地である広西自治区が天候不順により大幅な減産となったことから、1億1225万トン(前年度比10.6%減)と前年度に比べかなりの減少が見込まれる(
表4)。この減産を受け、甘しゃ糖の生産量は1222万トン(同10.6%減)の見込みである。
てん菜の収穫面積は前年度並みの25万ヘクタール、てん菜の生産量は1235万トン(同2.4%増)、てん菜糖の生産量は83万トン(同2.5%増)の見込みである。この結果、中国の砂糖生産量は1305万トン(同9.9%減)と前年度に比べかなり減少する見込みである。
また、中国砂糖協会によると、10月から1月までの砂糖生産量(精製糖換算)は、479万トン(前年同期比26.6%減)と前年度を大幅に下回る水準となっている。これは、てん菜糖は前年度並みであるものの、広西自治区の甘しゃ糖生産量が324万トン(同24.6%減)と大幅に減少していることによる(
図5)。
一方、砂糖の輸入量は、政府の輸入制限
(注)により、271万トン(同33.1%減)と大幅に減少する見込みである。また、最近の粗糖の輸入動向として、ブラジル産からタイ産にシフトしてきたことがうかがえる(
図6)。この動きは、ブラジルの一時的な減産による輸出量が減少し、地勢的優位性を生かした価格メリットのあるタイ産が台頭してきたことによるものと考えられる。
(注)中国政府は2014年11月1日、関税割当(精製糖換算195万トン、税率15%)の枠外(税率50%)で、安価な精製糖の輸入量が増加した結果、国内価格が下落して国内産砂糖の在庫が増加する事態となっていることを受け、輸入割当制度を見直し、枠外で輸入できる業者に登録を義務付けることとした。さらに、2015年1月、枠外数量の上限を190万トンと設定し、実質385万トンの輸入数量の上限を定めた。