4. 日本の主要輸入先国の動向（2015年2月時点予測）

　2014年の甘しゃ糖・分みつ糖（HSコード1701.14‐110）の輸入量は、132万6355トン（前年比4.0％減）となった。国別輸入先国のシェアをみると、タイが58.0％（同7.3ポイント増）、豪州が30.0％（同2.5ポイント減）、南アフリカが6.9％（同2.6ポイント増）、フィリピンが3.2％（同4.9ポイント減）、グアテマラが1.7％（同2.6ポイント減）と、この5カ国で輸入量全体のほぼ全量を占める（財務省「貿易統計」）。

　なお、主要輸入先国であるタイおよび豪州は毎月、南アフリカ、フィリピン、グアテマラについては、3カ月に1回の報告としています。今回はグアテマラとなります。

【生産・輸出動向】
2014/15年度の砂糖生産量はかなり減少するも、輸出量は大幅に増加の見込み
　2014/15砂糖年度（10月〜翌9月）のサトウキビの収穫面積は前年度並みの見込みであるが、北部と中部で干ばつによる生育の遅れがあり、サトウキビの生産量は9000万トン（前年度比10.1％減）、甘しゃ糖の生産量は1050万トン（同10.1％減）と前年度に比べかなり減少する見込みである。

　現地報道によると、生育の遅れから圧搾開始が遅れたものの、現在は圧搾の遅れを取り戻しており、10月〜1月中旬までの圧搾量は4435万トン（前年同期比1.5％減）と微減にとどまっている。しかし、生育の遅れの影響により製糖歩留まりは9.75％（同0.36ポイント減）と低い水準であるため、粗糖の生産量は316万トン（同4.2％減）とやや減少、精製糖の生産量は102万トン（同7.0％減）とかなり減少している。

　なお、主にエタノール原料向けとなる糖蜜の生産量は製糖歩留まりの低下を受け172万トン（同6.4％増）となっている。

　一方、砂糖の輸出量は719万トン（同27.5％増）と前年度に比べ大幅に増加する見込みである。これは、ブラジルの輸出が減少することに伴い、高水準の在庫削減を図りたいタイが輸出量を大きく伸ばすと見込まれているためである。

【生産・輸出動向】
2014/15年度の砂糖生産量、輸出量ともかなり増加の見込み
　2014/15砂糖年度（7月〜翌6月）のサトウキビの収穫面積は前年度並みの33万ヘクタール、サトウキビの生産量は、主要生産地域であるクイーンズランド州北部が天候に恵まれ、単収が1ヘクタール当たり89.3トン（前年度比8.3％増）と向上することから2940万トン（同8.3％増）、甘しゃ糖の生産量は473万トン（同8.3％増）と前年度に比べかなり増加する見込みである（表6）。また、砂糖の輸出量は増産に伴い347万トン（同15.8％増）と前年度に比べ大幅に増加する見込みである。

　2014年7月〜12月までの砂糖の輸出量は、今年度に世界最大の輸入国となることが見込まれるインドネシア向けが好調なことから210万トン（前年同期比18.0％増）と前年度を上回る水準にある。

【生産・輸出動向】
2014/15年度の砂糖生産量、輸出量ともに前年度並み
　2014/15砂糖年度（11月〜翌10月）は、サトウキビの収穫面積は26万ヘクタール、サトウキビの生産量は2633万トンと前年度並の見込みである。甘しゃ糖の生産量は製糖歩留まりが10.63％（前年度比0.3ポイント減）とやや低下することから280万トン（同2.8％減）の見込みである。砂糖の輸出量は200万トン（同0.4％増）と前年度並の水準となる見込みである（表7）。