砂糖類の国内需給
最終更新日:2015年3月10日
砂糖類の国内需給
2015年3月
1. 需給見通し
農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。12月に「平成26砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第2回)」を公表した。その概要は以下のとおりである(詳細は
2月号を参照)。
2. 異性化糖の移出動向
1月の移出量は前年同月からわずかに減少
2015年1月の異性化糖の移出数量は、5万4022トン(前年同月比1.5%減、前月比7.0%減)となった(図1)。
同月の規格別の移出量は、次のとおりであった(図2)。
果糖含有率40%未満 290トン (前年同月比2.8%減、前月比19.2%減)
果糖含有率40%以上50%未満 1万5827トン (同2.1%減、同7.9%減)
果糖含有率50%以上60%未満 3万6572トン (同0.4%減、同6.4%減)
果糖含有率60%以上 1333トン (同18.6%減、同9.3%減)
3. 輸入動向
【分みつ糖の輸入動向】
2014年の輸入量は前年からやや減少
財務省「貿易統計」によると、2014年12月の分みつ糖の輸入量は、12万2671トン(前年同月比0.2%減、前月比6.8%減)となった(図3)。輸入先国は豪州、タイ、グアテマラ、米国の4カ国で、グアテマラの輸入は2013年8月以来であった。
2014年12月の国別の輸入量は次のとおりであった(
図4)。
豪州 5万1452トン (前年同月比23.2%減、前月比57.5%増)
タイ 4万8173トン (同8.6倍増、同51.3%減)
グアテマラ 2万3000トン (前年同月および前月輸入実績なし)
米国 46トン (同91.7%増、同187.5%増)
2014年の分みつ糖の輸入量は、132万6355トン(前年比4.1%減)となった。国別のシェアを見ると、タイが最も多く全体の58.0%を占め、次いで豪州が同30.2%と上位2カ国がシェアの約9割を占めた(図5)。
2014年12月の1トン当たりの輸入価格は、4万8673円(前年同月比0.4%高、前月比8.8%高)となった(図6)。
同月の国別の1トン当たりの輸入価格は、次のとおりであった。
豪州 4万6247円 (前年同月比4.8%安、前月比5.1%高)
タイ 4万6296円 (同2.0%安、同3.0%高)
グアテマラ 5万8816円 (前年同月および前月輸入実績なし)
米国 18万65円 (同4.7%高、同15.5%安)
【含みつ糖の輸入動向】
2014年の輸入量は前年から大幅に減少
財務省「貿易統計」によると、2014年12月の含みつ糖の輸入量は、340トン(前年同月比29.5%減、前月比16.5%減)となった(図7)。輸入先国は、ボリビア、中国、ブラジル、タイ、米国の5カ国であった。
同月の国別の輸入量は次のとおりであった(
図8)。
ボリビア 127トン (前年同月比26.2%減、前月比42.5%減)
中国 113トン (同41.3%増、前月輸入実績なし)
ブラジル 57トン (同70%減、同50%減)
タイ 42トン (同100%増、同100%増)
米国 1トン (前年同月および前月輸入実績なし)
2014年の含みつ糖の輸入量は、9785トン(前年比11.9%減)となった。国別のシェアを見ると、タイが最も多く全体の47.0%を占め、次いで中国が同39.3%と上位2カ国がシェアの約9割を占めた(図9)。
12月の1トン当たりの輸入価格は、15万1242円(前年同月比1.7%安、前月比8.7%安)となった(図10)。
国別の1トン当たりの輸入価格は、次のとおりである。
ボリビア 13万5283円 (前年同月比28.3%高、前月比5.7%高)
中国 12万8531円 (同19.0%高、前月輸入実績なし)
ブラジル 26万8474円 (同21.7%高、同6.1%高)
タイ 10万1500円 (同11.9%高、同10.8%高)
米国 50万1000円 (前年同月および前月輸入実績なし)
【加糖調製品の輸入動向】
2014年の輸入量は前年からわずかに増加
財務省「貿易統計」によると、2014年12月の加糖調製品の輸入量は、4万9183トン(前年同月比5.2%増、前月比2.1%増)となった(図11)。
同月の品目別の輸入量は、次のとおりであった。
ミルク調製品 1万3045トン (前年同月比37.2%増、前月比18.0%増)
ソルビトール調製品 9519トン (同4.7%減、同12.5%減)
ココア調製品 9217トン (同2.6%増、同7.4%増)
その他調製品 6700トン (同5.7%減、同10.8%減)
調製した豆(加糖あん)6432トン (同1.3%減、同16.1%増)
穀粉調製品 4217トン (同8.3%減、同7.3%減)
コーヒー調製品 54トン (同7.3%増、同0.1%増)
2014年の加糖調製品の輸入量は、56万7790トン(前年比1.1%増)となった(図12)。
同年の品目別の輸入量は、次のとおりであった。
ミルク調製品 15万285トン (前年比2.9%増)
ソルビトール調製品 11万6607トン (同2.4%増)
ココア調製品 9万1665トン (同4.4%増)
その他調製品 8万2673トン (同1.1%増)
調製した豆(加糖あん) 7万433トン (同3.5%減)
穀粉調製品 5万5575トン (同5.2%減)
コーヒー調製品 552トン (同9.1%増)
4. 価格の動き
【市場価格】
1月の上白糖大袋価格(日経相場)は、東京は1キログラム当たり185〜186円、大阪は同186円、名古屋は同189円、関門は同189円と、前月と同水準で推移した。また、同月の本グラニュー糖大袋価格(日経相場)は、東京は同190〜191円、大阪は同191円、名古屋は194円と、前月と同水準で推移した。
1月の異性化糖の大口需要家向け価格(果糖分55%、東京、タンクローリーもの)は、1キログラム当たり137円〜138円と、前月と同水準で推移した。
【小売価格】
日経POSデータによると、1月の小袋(1キログラム)のスーパーにおける平均小売価格は、以下のとおりであった。
上白糖 184.7円 (前年同月比1.3円安、前月比3.8円高)
グラニュー糖 223.8円 (同2.4円高、同0.4円高)
三温糖 218.4円 (同3.9円安、同3.3円高)
上白糖の販売価格を地域別に見ると、北海道(前月比0.3円安)、東北(同2.2円安)、九州(同1.7円安)で下落した(図13)。一方、その他の地域では上昇しており、特に、関東などでは同16.8円高と大きく上昇した。
最も安かったのは関東などの175.7円で、最も高かった中国・四国の196.5円と比較すると、20.8円の価格差があった。
グラニュー糖の販売価格を地域別に見ると、中部(前月比1.8円高)と関西(同0.8円高)で上昇したが、その他の地域では前月と同水準で推移した(図14)。最も安かったのは北海道の185.5円(前月同)で、最も高かった関東などの240.6円(前月同)と比較すると、55.1円の価格差があった。
三温糖の販売価格を地域別に見ると、北海道(前月比4.6円安)と東北(同0.7円安)で下落した。一方、関東など(同11.1円高)と首都圏(同6.2円高)では前月から大きく上昇した。その他の地域では前月とおおむね同水準となった(図15)。最も安かったのは中部の206.8円(同0.6円高)で、最も高かった北海道の231.0円と比較すると、24.2円の価格差があった。
【購入金額および購入量】
総務省「家計調査」によると、2014年12月の1世帯当たりの砂糖に係る支出金額は、148円(前年同月比9.2%安、前月比45.1%高)となった(図16)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、719グラム(同7.7%減、同43.8%増)となった(
図17)。
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
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