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砂糖類の国内需給

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最終更新日:2015年4月10日

砂糖類の国内需給

2015年4月

調査情報部

1. 需給見通し

 農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。3月に「平成26砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第3回)」を公表した。その概要は以下の通りである。
 
(1)砂糖の消費量
前回見通しから1万4000トン減の198万2000トンの見通し

 平成26砂糖年度の砂糖の消費量は、前回見通しから1万4000トン減の198万2000トン(前年度比0.1%減)と見通している(表1)。内訳を見ると、分みつ糖の消費量は、上半期の消費実績と景気が緩やかな回復基調であることなどを踏まえ、195万トン(同0.1%減)と見通している。含みつ糖の消費量は、近年の消費動向を勘案し、3万2000トン(同3.2%増)と見通している。

(2)砂糖の供給量
前回見通しから7000トン増の198万9000トンの見通し

 平成26砂糖年度の砂糖の供給量は、前回見通しから7000トン増の198万9000トン(前年度比1.3%増)と見通している。内訳を見ると、分みつ糖が197万1000トン(同1.3%増)、含みつ糖が1万8000トン(前年度同)と見通している。

 分みつ糖の内訳を見ると、輸入糖が123万9000トン(同2.1%減)、国内産糖が73万2000トン(同7.6%増)と見通している。国内産分みつ糖では、てん菜については、8月中旬以降、平均気温が平年を下回り降雨も少なかったことから、根重、糖度ともに前年を上回り、製糖作業についてもおおむね順調に推移していることから、産糖量は60万8000トン(同10.3%増)と、供給量は60万7000トン(精製糖換算。同10.2%増)と見通している。

 サトウキビについては、夏場の生育などが順調に推移し、前年産を上回る生産量となっている地域がある一方で、春先の低温や秋の台風被害により生育や登熟が進まず、低単収、低糖度となっている地域もあることから、産糖量は13万1000トン(同3.0%減)と、供給量は12万5000トン(精製糖換算。同3.1%減)と見通している。
 
(3)異性化糖の需給見通し
前回見通しから5000トン増の81万1000トンの見通し

 異性化糖の消費量は、近年の消費動向などを踏まえ、前回見通しから5000トン増の81万1000トン(前年度比0.1%減)と見通している(表2)。異性化糖の供給量は、消費量に見合った量が供給されるものと見通している。
 

2. 異性化糖の移出動向

2015年2月の移出量は前年同月からやや減少
 2015年2月の異性化糖の移出数量は、5万7547トン(前年同月比4.7%減、前月比6.5%増)と、2015年に入り2カ月連続で前年同月を下回る水準となった(図1)。



 同月の規格別の移出量は、次の通りであった(図2)。

果糖含有率40%未満 315トン(前年同月比6.0%増、前月比8.8%増)
果糖含有率40%以上50%未満 1万6571トン(同3.4%減、同4.7%増)
果糖含有率50%以上60%未満 3万9024トン(同5.3%減、同6.7%増)
果糖含有率60%以上 1637トン(同4.0%減、同22.8%増)
 

3. 輸入動向

【分みつ糖の輸入動向】
2015年1月の輸入量は前月から大幅に減少

 財務省「貿易統計」によると、2015年1月の分みつ糖の輸入量は、7万4867トン(前年同月比8.6%増、前月比39.0%減)と、砂糖の最需要期であった前月から大幅に減少した(図3)。輸入先国は前月と同じく、タイ、豪州、グアテマラ、米国の4カ国であった。


 同月の国別の輸入量は次の通りであった(図4)。

タイ 5万4909トン(前年同月比13.6%減、前月比14.0%増)
豪州 1万2958トン(前年同月輸入実績なし、同74.8%減)
グアテマラ 6959トン(前年同月輸入実績なし、同69.7%減)
米国 41トン(同192.9%増、同10.9%減)
 
 2015年1月の1トン当たりの輸入価格は、4万6034円(前年同月比0.5%安、前月比5.5%安)となった(図5)。

 同月の国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

タイ 4万3707円(前年同月比5.6%安、前月比5.7%安)
豪州 4万6147円(前年同月輸入実績なし、同0.2%安)
グアテマラ 6万2776円(前年同月輸入実績なし、同6.7%高)
米国 28万5195円(同43.6%高、同58.4%高)
 
【含みつ糖の輸入動向】
2015年1月の輸入価格は前年同月から大幅に上昇

 財務省「貿易統計」によると、2015年1月の含みつ糖の輸入量は、1082トン(前年同月比7.5%減、前月比3.2倍増)となった(図6)。輸入先国はタイ、ボリビア、中国、ブラジル、フィリピン、米国の6カ国であった。



 同月の国別の輸入量は次の通りであった(図7)。

タイ 609トン(前年同月比16.6%減、前月比14.5倍増)
ボリビア 303トン(同58.6%増、同2.4倍増)
中国 74トン(同57.2%減、同34.5%減)
ブラジル 57トン(同25%減、前月同)
フィリピン 31トン(前年同月および前月輸入実績なし)
米国 8トン(前年同月輸入実績なし、同8.0倍増)
 
 1月の1トン当たりの輸入価格は、14万2158円(前年同月比17.3%高、前月比6.0%安)と、前月からかなり減少したものの、前年同月から大幅に上昇しており、1月の輸入価格としては、3年間で最高水準となった(図8)。

 国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りである。

タイ 12万9540円(前年同月比12.5%高、前月比27.6%高)
ボリビア 13万9102円(同29.4%高、同2.8%高)
中国 13万4351円(同18.0%高、同4.5%高)
ブラジル 25万8561円(同12.5%高、同3.7%安)
フィリピン 23万1903円(前年同月および前月輸入実績なし)
米国 11万3500円(前年同月輸入実績なし、同77.3%減)
 
【加糖調製品の輸入動向】
2015年1月の輸入量は前年同月からかなり増加

 財務省「貿易統計」によると、2015年1月の加糖調製品の輸入量は、4万8783トン(前年同月比6.2%増、前月比0.8%減)となった(図9)。

 同月の品目別の輸入量は、次の通りであった。

ミルク調製品 1万2582トン(前年同月比9.0%増、前月比3.6%減)
ソルビトール調製品 9609トン(同21.0%増、同1.0%増)
ココア調製品 9593トン(同23.6%増、同4.1%増)
その他調製品 6501トン(同1.8%減、同3.0%減)
調製した豆(加糖あん) 6006トン(同10.7%減、同6.6%減)
穀粉調製品 4449トン(同16.3%減、同5.5%増)
コーヒー調製品 43トン(同25.8%減、同22.0%減)
 

4. 価格の動き

【市場価格】
 2月の上白糖大袋価格(日経相場)は、東京は1キログラム当たり185〜186円、大阪は同186円、名古屋は同189円、関門は同189円と、前月と同水準で推移した。また、同月の本グラニュー糖大袋価格(日経相場)は、東京は同190〜191円、大阪は同191円、名古屋は194円と、前月と同水準で推移した。

 2月の異性化糖の大口需要家向け価格(果糖分55%、東京、タンクローリーもの)は、1キログラム当たり137円〜138円と、前月と同水準で推移した。

【小売価格】
 日経POSデータによると、2月の小袋(1キログラム)のスーパーにおける平均小売価格は、以下のとおりであった。

上白糖 184.9円(前年同月比1.3円安、前月比0.2円高)
グラニュー糖 224.0円(同2.0円高、同0.2円高)
三温糖 221.6円(同1.4円安、同3.2円高)

 上白糖の販売価格を地域別に見ると北海道(前月比1.0円高)、東北(同7.0円高)、中国・四国(同2.2円高)、九州(同0.9円高)では前月から上昇し、中部(同1.4円安)と関西(同1.6円安)では前月から下落した(図10)。関東などと首都圏では、前月と同水準で推移した。

 最も安かったのは関東などの175.7円で、最も高かった中国・四国の198.7円と比較すると、23円の価格差があった。
 
 グラニュー糖の販売価格を地域別に見ると、中部(前月比3.3円高)で前月から上昇した。一方、北海道(同0.8円安)、関西(同0.5円安)、九州(同1.1円安)で前月から下落した。その他の地域では前月と同水準で推移した(図11)。最も安かったのは北海道の184.7円で、最も高かった関東などの240.6円(前月同)と比較すると、55.9円の価格差があった。
 
 三温糖の販売価格を地域別に見ると、北海道(前月比4.0円高)、東北(同6.0円高)、関東など(同2.6円高)、首都圏(同5.7円高)、関西(同1.6円高)、中国・四国(同0.2円高)で前月から上昇した。一方、九州(同0.4円安)で前月から下落し、中部では前月と同水準となった(図12)。最も安かったのは中部の206.8円で、最も高かった北海道の235.0円と比較すると、28.2円の価格差があった。
 
【購入金額および購入量】
 総務省「家計調査」によると、2015年1月の1世帯当たりの砂糖に係る支出金額は、84円(前年同月比1.2%安、前月比43.2%安)となった(図13)。



 また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、363グラム(同13.8%減、同49.5%減)と、砂糖の最需要期である前月から、支出金額および購入数量ともに大幅に減少した(図14)。
 
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
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