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砂糖類の国内需給

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最終更新日:2015年5月11日

砂糖類の国内需給

2015年5月

調査情報部

1. 需給見通し

 農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。3月に「平成26砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第3回)」を公表した。その概要は以下の通りである(詳細は2015年4月号を参照)。
 

2. 異性化糖の移出動向

3月の移出量は前年同月からやや減少
 2015年3月の異性化糖の移出数量は、7万1508トン(前年同月比5.8%減、前月比24.3%増)と、前月からは大幅に増加したものの前年同月からはやや減少となり、2015年に入り3カ月連続で前年同月を下回る水準となった(図1)。

 
 同月の規格別の移出量は、次の通りであった(図2)。

果糖含有率40%未満 382トン (前年同月比5.1%減、前月比21.3%増)
果糖含有率40%以上50%未満 1万9469トン (同5.6%減、同17.5%増)
果糖含有率50%以上60%未満 5万823トン (同1.1%減、同30.2%増)
果糖含有率60%以上 834トン (同76.4%減、同49.1%減)
 

3. 輸入動向

【分みつ糖の輸入動向】
2015年2月の輸入量は前年同月から大幅に増加

 財務省「貿易統計」によると、2015年2月の分みつ糖の輸入量は、7万9429トン(前年同月比15.2%増、前月比6.1%増)であった(図3)。輸入先国はタイ、グアテマラ、米国の3カ国であった。
 
 同月の国別の輸入量は次の通りであった(図4)。

タイ 7万4411トン (前年同月比24.4%増、前月比35.5%増)
グアテマラ 5000トン (前年同月輸入実績なし、同28.2%減)
米国 18トン (同33.3%減、同56.1%減)
 
 2015年2月の1トン当たりの輸入価格は、4万6086円(前年同月比4.8%高、前月比0.1%高)となった(図5)。

 同月の国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

タイ  4万5564円 (前年同月比2.7%高、前月比4.2%高)
グアテマラ  5万3443円 (前年同月輸入実績なし、同14.9%安)
米国  15万9722円 (同19.0%高、同44.0%安)
 
【含みつ糖の輸入動向】
2月の輸入量は前年同月から大幅に増加

 財務省「貿易統計」によると、2015年2月の含みつ糖の輸入量は、1780トン(前年同月比40.5%増、前月比64.5%増)となった(図6)。輸入先国はタイ、中国、ボリビア、フィリピンの4カ国であった。
 
同月の国別の輸入量は次の通りであった(図7)。

タイ  1510トン (前年同月比45.1%増、前月比2.5倍増)
中国  136トン (同24.8%増、同83.8%増)
ボリビア  121トン (同17.5%増、同60.1%減)
フィリピン  13トン (同7.1%減、同58.1%減)
 
 2月の1トン当たりの輸入価格は、13万1728円(前年同月比14.2%高、前月比7.3%安)と、前月から大幅に低下したものの、前年同月から大幅に上昇しており、2月の輸入価格としては、3年間で最高水準となった(図8)。

 国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りである。

タイ 13万1440円 (前年同月比14.5%高、前月比1.5%高)
中国 12万2676円 (同5.1%高、同8.7%安)
ボリビア 13万4033円 (同23.0%高、同3.6%安)
フィリピン 23万8462円 (同24.5%高、同2.8%高)
 
【加糖調製品の輸入動向】
2015年2月の輸入量は前年同月からやや増加

 財務省「貿易統計」によると、2015年2月の加糖調製品の輸入量は、4万2130トン(前年同月比3.8%増、前月比13.6%減)となった(図9)。

 同月の品目別の輸入量は、次の通りであった。

ミルク調製品  1万865トン (前年同月比0.9%減、前月比13.6%減)
ココア調製品  8841トン (同51.8%増、同7.8%減)
ソルビトール調製品  7499トン (同12.5%減、同22.0%減)
その他調製品  6009トン (同1.8%減、同7.6%減)
調製した豆(加糖あん)  5649トン (同27.5%増、同6.0%減)
穀粉調製品  3210トン (同30.5%減、同27.8%減)
コーヒー調製品  57トン (同6.9%増、同34.3%増)
 

4. 価格の動き

【市場価格】
 3月の上白糖大袋価格(日経相場)は、東京は1キログラム当たり185〜186円、大阪は同186円、名古屋は同189円、関門は同189円と、前月と同水準で推移した。また、同月の本グラニュー糖大袋価格(日経相場)は、東京は同190〜191円、大阪は同191円、名古屋は同194円と、前月と同水準で推移した。

 3月の異性化糖の大口需要家向け価格(果糖分55%、東京、タンクローリーもの)は、1キログラム当たり137円〜138円と、前月と同水準で推移した。

【小売価格】
 日経POSデータによると、3月の小袋(1キログラム)のスーパーにおける平均小売価格は、次の通りであった。

上白糖 183.0円 (前年同月比3.2円安、前月比1.9円安)
グラニュー糖 223.7円 (同1.6円高、同0.3円安)
三温糖 222.1円 (同0.9円高、同0.5円高)

 上白糖の販売価格を地域別に見ると九州(前月比3.5円高)で前月から上昇し、北海道(同1.1円安)、東北(2.8円安)、中部(同0.1円安)、関西(同6.5円安)、中国・四国(同1.5円安)で前月から下落した(図10)。その他の地域では、前月と同水準で推移した。

 最も安かったのは関西の173.0円で、最も高かった中国・四国の197.2円と比較すると、24.2円の価格差があった。
 
 グラニュー糖の販売価格を地域別に見ると、北海道(前月比1.8円高)、首都圏(同0.3円高)、関西(同0.5円高)で前月から上昇し、関東など(同0.4円安)、中部(同2.7円安)、中国・四国(同6.4円安)で前月から下落した。その他の地域では前月と同水準で推移した(図11)。最も安かったのは北海道の186.5円で、最も高かった関東などの240.2円と比較すると、53.7円の価格差があった。
 
 三温糖の販売価格を地域別に見ると、関東など(前月比2.3円高)、首都圏(同1.8円高)、関西(同0.1円高)、九州(同0.7円高)で前月から上昇し、中部(同0.3円安)、中国・四国(同6.9円安)で前月から下落した。その他の地域では前月と同水準となった(図12)。最も安かったのは中部の206.5円で、最も高かった北海道の235.0円と比較すると、28.5円の価格差があった。
 
【購入金額および購入量】
 総務省「家計調査」によると、2015年2月の1世帯当たりの砂糖に係る支出金額は、95円(前年同月比6.9%安、前月比13.1%高)となった(図13)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、416グラム(同11.1%減、同14.6%増)となった(図14)。
 
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
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