【生産・輸出動向】
2014/15年度の砂糖生産量は前年度を上回るも輸出量は大幅に減少
2014/15砂糖年度(10月〜翌9月)のサトウキビの収穫面積は前年度並みにとどまるものの、高単収苗の普及に伴い単収の向上が見込まれることから、サトウキビの生産量は3億4439万トン(前年度比0.9%増)とわずかに増加する見込みである。天候に恵まれたことにより製糖歩留まりが向上することから、砂糖の生産量は2767万トン(同4.1%増)とやや増加する見込みである(
表3)。
一方で、インド砂糖製造協会(ISMA)によると、3月末時点の砂糖の生産量は、主要生産地であるマハーラーシュトラ州、ウッタル・プラデーシュ州およびカルナータカ州で前年同期を上回っており、精製糖換算で2472万トン(前年同期比13.0%増)とかなり大きく増加しているため、表3の生産量予測は今後修正される可能性がある(
図3)。
他方、砂糖の輸出量は、170万トン(前年度比38.0%減)と大幅に減少する見込みである。このうち、粗糖は107万トンと前年度並みとなるものの、精製糖は63万トン(同60.0%減)と大幅な減少が見込まれる。
粗糖が前年度並みと見込まれる理由は、インド国内の砂糖価格が過剰な砂糖在庫を背景に低下している一方、製造コストは上昇しており、負債を抱えた製造事業者から生産者への原料代の支払が滞っている中で、政府は、国内砂糖価格安定のための対策として、粗糖に対する輸出補助金
(注)の支払いを承認したことによる。政府はまた、砂糖の輸入関税の25%から40%への引き上げを検討しているとされている。
なお、最も多くの生産者を抱えるマハーラーシュトラ州政府は、独自の措置として、輸出補助金の上乗せ(1トン当たり1000ルピー(2090円(3月末TTS:1ルピー=2.09円))や製糖事業者への無利子融資を発表している。
(注)インド政府によると、粗糖の輸出補助金は2015年9月末までの措置としており、対象数量は140万トン、単価は1トン当たり4000ルピー(8360円(3月末TTS:1ルピー=2.09円))である。なお、単価は、米ドル為替に連動して2カ月ごとに設定された前年度の平均より同1000ルピー程度高く設定された。