4. 日本の主要輸入先国の動向(2015年4月時点予測)
最終更新日:2015年5月11日
4. 日本の主要輸入先国の動向(2015年4月時点予測)
2015年5月
2014年の甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード1701.14‐110)の輸入量は、132万6355トン(前年比4.0%減)となった。輸入先国のシェアをみると、タイが58.0%(同7.3ポイント増)、豪州が30.0%(同2.5ポイント減)、南アフリカが6.9%(同2.6ポイント増)、フィリピンが3.2%(同4.9ポイント減)、グアテマラが1.7%(同2.6ポイント減)と、この5カ国で輸入量のほぼ全量を占めている(財務省「貿易統計」)。
主要輸入先国のうちタイおよび豪州は毎月、南アフリカ、フィリピン、グアテマラについては、3カ月に1回の報告とし、今回は南アフリカを報告する。
【生産・輸出動向】
2014/15年度のサトウキビ生産量は前年度並に回復、輸出量は大幅に増加の見込み
2014/15砂糖年度(10月〜翌9月)のサトウキビの収穫面積は前年度並みの見込みである。サトウキビ生産量は、北部と中部において干ばつによる生育の遅れがあったものの、9978万トン(前年度比0.3%減)と前年度並みに回復するとみられる。
一方で、前年度に比べサトウキビの品質が低く、4月上旬時点の製糖歩留まりが10.8%(同0.3ポイント減)となっていることから、砂糖生産量は1070万トン(同8.4%減)と見込まれている(表6)。
現地報道によると、2014/15砂糖年度の圧搾は急速に終了に向かっており、サトウキビ圧搾量は10月〜4月上旬までに1億144万トン(前年同期比1.0%増)と前年度を上回るペースとなっている。
一方、砂糖の輸出量は751万トン(前年度比16.2%増)と前年度に比べ大幅に増加する見込みである。これは、ブラジルの輸出量が減少することに伴い、高水準の在庫を抱え余力のあるタイが、輸出量を大きく伸ばすと見込まれているためである。
また、現地報道によると、タイ政府は、砂糖法を改正し、製糖工場の建設間隔を現行の半径80キロメートル以上から同50キロメートル以上に緩和するとともに、新規参入を認めることと決定した。これは、コメからサトウキビへの生産転換を加速させたい意向によるとのことである。
【生産・貿易動向】
2014/15年度の砂糖生産量、輸出量ともやや増加の見込み
2014/15砂糖年度(7月〜翌6月)のサトウキビの収穫面積は前年度並みの33万ヘクタール、サトウキビの生産量は、主要生産地域であるクイーンズランド(QLD)州北部が天候に恵まれて、単収が1ヘクタール当たり89.3トン(前年度比8.3%増)と向上し2939万トン(同8.3%増)、砂糖の生産量は459万トン(同5.2%増)と前年度に比べやや増加する見込みである(表7)。また、砂糖の輸出量は増産に伴い319万トン(同3.9%増)と前年度に比べやや増加する見込みである。
日豪経済連携協定(EPA)に基づき無税となった日本向け高糖度粗糖(注)は、3月から輸出が開始されている。
(注)日豪EPAにおいて、精製糖など製造用に限定して、豪州産の高糖度粗糖(糖度98.5度以上〜99.3度未満)についても、粗糖(糖度98.5度未満)と同様に無税とした。
【生産・貿易動向】
2014/15年度は砂糖生産量はやや減少、輸出量はわずかに減少
2014/15砂糖年度(4月〜翌3月)のサトウキビの収穫面積は33万ヘクタールと前年度並みであるのものの、干ばつの影響により生育が遅れていることから、サトウキビの生産量は1724万トン(前年度比4.2%減)とやや減少が見込まれている(表8)。サトウキビの減産を受けて、甘しゃ糖の生産量は238万トン(同4.2%減)とやや減少し、砂糖輸出量は78万トン(同2.4%減)とわずかに減少するものと見込まれる。
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