【生産・輸出動向】
2014/15年度の砂糖生産量は前年度を上回るも輸出量は大幅に減少
2014/15砂糖年度(10月〜翌9月)のサトウキビの収穫面積は前年度並みにとどまるものの、高単収苗の普及に伴い単収の向上が見込まれることから、サトウキビの生産量は3億6841万トン(前年度比3.4%増)とやや増加する見込みである。天候に恵まれたことにより製糖歩留まりが向上していることから、砂糖の生産量は3019万トン(同14.9%増)とかなり大きく増加する見込みである(
表3)。
一方で、インド砂糖製造協会(ISMA)によると、4月末時点の砂糖の生産量は、主要生産地であるマハーラーシュトラ州、ウッタル・プラデーシュ州およびカルナータカ州で前年同期を上回っており、精製糖換算で2737万トン(前年同期比14.3%増)とかなり大きく増加している(
図3)。特に、マハーラーシュトラ州は過去最高の砂糖生産量が見込まれており、同協会は、2014/15年度の国内砂糖生産量は2006/07年度に次ぐ水準になると予想している。
他方、砂糖の輸出量は、152万トン(前年度比44.6%減)と大幅に減少する見込みである。このうち、粗糖は20万トン(同82.4%減)、精製糖は132万トン(同18.0%減)といずれも大幅な減少が見込まれている。政府は2015年9月まで粗糖に対する輸出補助金
(注1)を措置していることから、粗糖の輸出量は大幅には減少しないという見方もあるが、国際価格が低迷していることから、今後もインド産砂糖の輸出は伸び悩むことが予測される。
一方、政府は、国内外の砂糖価格が低迷する中、国内の砂糖在庫を削減し、負債を抱え生産者への原料代支払いが滞っている国内の企業を支援するため、 1)砂糖の輸入関税の引き上げ(25%から40%)、 2)精製後の輸出を条件に粗糖の輸入関税を免除する制度
(注2)における再輸出までの期間の短縮(18カ月以内から6カ月以内)、 3)砂糖の副産物である糖みつを原料とするエタノールに係る消費税の非課税化(次年度(2015年10月)から)、といった対策の実施を決定した。
(注1)インド政府によると、粗糖の輸出補助金は2015年9月末までの措置としており、対象数量は140万トン、単価は1トン当たり4000ルピー(8160円(4月末TTS:1ルピー=2.04円))である。なお、単価は、米ドル為替に連動して2カ月ごとに設定された前年度の平均より同1000ルピー程度高く設定された。
(注2)事前許認可制度(ALS(Advanced Licens-ing Scheme))