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5. 日本の主要輸入先国の動向(2015年6月時点予測)

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最終更新日:2015年7月10日

5. 日本の主要輸入先国の動向(2015年6月時点予測)

2015年7月

 2014年の甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード1701.14‐110)の輸入量は、132万6355トン(前年比4.0%減)となった。輸入先国のシェアをみると、タイが58.0%(同7.3ポイント増)、豪州が30.0%(同2.5ポイント減)、南アフリカが6.9%(同2.6ポイント増)、フィリピンが3.2%(同4.9ポイント減)、グアテマラが1.7%(同2.6ポイント減)と、この5カ国で輸入量のほぼ全量を占めている(財務省「貿易統計」)。

 主要輸入先国のうちタイおよび豪州は毎月、南アフリカ、フィリピン、グアテマラについては、原則として3カ月に1回の報告とし、今回はグアテマラを報告する。
 
【生産・輸出動向】
2014/15年度のサトウキビ生産量はわずかに増加、輸出量は大幅に増加の見込み

 2014/15砂糖年度(10月〜翌9月)のサトウキビの収穫面積は、139万ヘクタール(前年度比2.9%増)と前年度からわずかに増加し、サトウキビ生産量は、北部と中部で干ばつによる生育の遅れがあったものの、1億596万トン(同2.2%増)とわずかな増加が見込まれる(表6)。

 一方で、前年度に比べサトウキビの品質が低く、5月中旬時点の製糖歩留まりが10.9%(同0.3ポイント減)となっていることから、砂糖生産量は1168万トン(同0.4%減)と見込まれている。

 現地報道によると、5月中旬までに今年度の圧搾が終了したが、製糖歩留まりの低下により、砂糖生産量は史上最高を記録した前年度には及ばないと見込まれている。

 また、砂糖の輸出量は954万トン(同48.7%増)と、前年度に比べ大幅に増加する見込みであるが、依然として在庫量は高水準にあり、世界的な砂糖相場の低迷とブラジル産砂糖の輸出競争力の強まりにより、タイの製糖業界は厳しい状況が続いている。

 なお、タイ政府は、砂糖法を改正し、製糖工場の立地間隔を、現行の半径80キロメートル以上から同50キロメートル以上に緩和するとともに、新規参入を認めることを閣議決定し、まもなく発表される見込みである。これは、コメからサトウキビへの転換を加速させたいとの意向によるものである。
 
 
【生産・輸出動向】
2014/15年度の砂糖生産量、輸出量ともかなり大きく増加の見込み

 2014/15砂糖年度(7月〜翌6月)は、1ヘクタール当たりの収量が76.1トン(同7.5%減)と低下が見込まれるものの、サトウキビの収穫面積が42万ヘクタール(前年度比14.2%増)とかなり拡大することから、サトウキビ生産量は3224万トン(同5.6%増)となり、砂糖の生産量は470万トン(同10.7%増)と、前年度に比べかなり増加する見込みである(表7)。また、砂糖の輸出量は増産に伴い359万トン(同16.6%増)と、前年度に比べ大幅に増加する見込みである。

 豪州気象局は5月末、エルニーニョ現象の兆候が強まっていると発表した。主要生産地域であるクイーンズランド州では、3月〜5月の平均降雨量が、例年を大きく下回っており、5月末現在で約8割の地域で干ばつ宣言がなされている。ニューサウスウェールズ州北部でも乾燥気候が強まっており、2015/16年度の砂糖生産への影響が懸念される。
 
 
【生産・輸出動向】
2014/15年度の砂糖生産量は前年度並みも輸出量は大幅増

 2014/15砂糖年度(11月〜翌10月)は、サトウキビの収穫面積は前年度並みの27万ヘクタールと見込まれるが、サトウキビの生産量は2582万トン(前年度比6.9%減)とかなり減少する見込みである。

 一方、甘しゃ糖の生産量は、305万トン(同1.4%増)の見込みである。砂糖の輸出量は、中国への輸出が好調であることなどから、238万トン(同26.6%増)と大幅な増加が見込まれている(表8)。
 
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