【生産・輸出動向】
2014/15年度のサトウキビ生産量はわずかに増加、輸出量は大幅に増加の見込み
2014/15砂糖年度(10月〜翌9月)のサトウキビの収穫面積は、139万ヘクタール(前年度比2.9%増)と前年度からわずかに増加し、サトウキビ生産量は、北部と中部で干ばつによる生育の遅れがあったものの、1億596万トン(同2.2%増)とわずかな増加が見込まれる(
表6)。
一方で、前年度に比べサトウキビの品質が低く、5月中旬時点の製糖歩留まりが10.9%(同0.3ポイント減)となっていることから、砂糖生産量は1168万トン(同0.4%減)と見込まれている。
現地報道によると、5月中旬までに今年度の圧搾が終了したが、製糖歩留まりの低下により、砂糖生産量は史上最高を記録した前年度には及ばないと見込まれている。
また、砂糖の輸出量は954万トン(同48.7%増)と、前年度に比べ大幅に増加する見込みであるが、依然として在庫量は高水準にあり、世界的な砂糖相場の低迷とブラジル産砂糖の輸出競争力の強まりにより、タイの製糖業界は厳しい状況が続いている。
なお、タイ政府は、砂糖法を改正し、製糖工場の立地間隔を、現行の半径80キロメートル以上から同50キロメートル以上に緩和するとともに、新規参入を認めることを閣議決定し、まもなく発表される見込みである。これは、コメからサトウキビへの転換を加速させたいとの意向によるものである。