アセスルファムカリウムは、ドイツで開発された甘味料である。甘味度は砂糖の200倍であり、カロリーは1グラム当たり0カロリーである。特性として、 1)甘みを速く感じ、後味のない甘みを持つが、特有の苦みを感じる場合がある、 2)熱や酵素に対し安定性が高く、水溶液中でも安定性が高い、 3)水溶性が高い、 4)アスパルテームなどの他の甘味料との併用によって砂糖に近い甘みとなる、などがある。
わが国では、平成12年に食品添加物の指定を受けており、使用食品ごとに使用基準が設定されている。
(1)使用状況
アセスルファムカリウムを使用していたのは、35社のうち14社であった。製品分類別の使用企業数は、菓子4社、乳製品2社、飲料6社、その他食品2社であった(
図19)。使用製品の種類は
表5の通りである。
使用理由は、「カロリー低減のため」が9社と最も多かった。この他、「コスト削減のため」「甘みの調整のため」「製品の特性に合っているため」などが挙げられた。
(2)調達状況
ア. 原産国
使用企業14社のうち回答のあった9社が使用するアセスルファムカリウムの原産国は、ドイツ5社、中国4社であった。
ドイツ製を使用する企業のうち1社から「中国製に切り替える予定である」との声があった。財務省「貿易統計」によると、平成26年のドイツからの平均輸入価格が1キログラム当たり2219円であるのに対し、中国からの平均輸入価格は同1135円と、両国の製品価格には大きな差がある。
イ. 仕入れ価格の動向
使用企業14社のうち回答があった13社の平成26年(1〜12月)の仕入れ価格の動向は、「横ばい」7社、「やや下落」5社、「大幅に下落」1社となり、上昇と回答した企業は見られなかった(
図20)。下落の理由として、「安価な中国製品に引きずられ、他国製も下落している」「発注量を増やしコストを下げた」などが挙げられた。横ばいと回答した企業の中には、「市況は下落したが、円安傾向により横ばいであった」との回答もあった。
ウ. 仕入れ量の動向
使用企業14社のうち回答のあった13社の平成26年の仕入れ量を前年と比較したところ、「増加」2社、「横ばい」9社、「減少」2社であった(
図21)。「増加」の理由は、いずれも「使用製品の製造量の増加」で、製品分類別の内訳は、菓子1社、飲料1社であった。「減少」の理由は、いずれも「使用製品の製造量の減少」で、製品分類別の内訳は、飲料1社、漬物1社であった。
エ. 今後の仕入れ見込み
今後の仕入れ見込みは、「横ばい」13社、「やや減少」1社であった(図22)。「やや減少」の理由は、「使用製品の製造量の減少(飲料)」であった。
(3)品質面および調達面に関する評価
品質面については、13社が「問題ない」としたが、中国製を使用する1社から「安定した品質を望む」との回答があった。
調達面については、いずれの企業も「問題ない」との評価であった。
(4)砂糖への切り替えの意向など
砂糖への切り替えの意向を持っている企業はなかったが、1社から「価格が折り合えば検討する」との声があった。