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砂糖類の国内需給

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最終更新日:2015年8月10日

砂糖類の国内需給

2015年8月

調査情報部

1. 需給見通し

 農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。6月に「平成26砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第4回)」を公表した。その概要は以下の通りである(詳細は2015年7月号を参照)。
 

2. 異性化糖の移出動向

6月の移出量は11カ月ぶりの9万トン台
 2015年6月の異性化糖の移出数量は、9万1033トン(前年同月比5.3%増、前月比10.8%増)と、前月に続き前年同月を上回り、2014年7月以来となる9万トンを超える水準となった。なお、6月の移出量が9万トンを超えたのは、2011年以来4年ぶりであった(図1)。

 同月の規格別の移出量は、次の通りであった(図2)。

果糖含有率40%未満 419トン (前年同月比20.0%増、前月比17.9%増)
同40%以上50%未満 2万1724トン (同2.0%増、同11.4%増)
同50%以上60%未満 6万8112トン (同11.6%増、同11.5%増)
同60%以上 779トン (同79.2%減、同35.6%減)
 
 

3. 輸入動向

【分みつ糖の輸入動向】
5月の輸入量は直近3年間で最低量となった

 財務省「貿易統計」によると、2015年5月の分みつ糖の輸入量は、5万6800トン(前年同月比59.8%減、前月比5.0%減)と、前月からさらに減少し直近3年間の最低水準となった(図3)。輸入先国はタイと米国の2カ国であった。

 同月の国別の輸入量は次の通りであった(図4)。

タイ 5万6774トン (前年同月比32.3%減、前月比5.0%減)
米国 26トン (同27.8%減、同36.8%増)

 なお、同統計によると、日豪EPAの締結により輸入が可能となった豪州産高糖度粗糖(糖度98.5度以上99.3度未満、HSコード:1701.14-200)は、1万473トンの輸入があった。
 
 2015年5月の1トン当たりの輸入価格は、4万979円(前年同月比12.3%安、前月比5.8%安)となった(図5)。

 同月の国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。

タイ 4万836円 (前年同月比10.9%安、前月比6.0%安)
米国 35万3385円 (同132.0%高、同104.4%高)
 
【含みつ糖の輸入動向】
5月の輸入量は前年同月および前月から大幅に減少

 財務省「貿易統計」によると、2015年5月の含みつ糖の輸入量は、445トン(前年同月比64.4%減、前月比75.2%減)となった(図6)。輸入先国は中国、タイ、フィリピン、コロンビアの4カ国であった。

 同月の国別の輸入量は次の通りであった(図7)。

中国 241トン (前年同月比70.8%減、前月比69.5%減)
タイ 181トン (同52.5%減、同81.4%減)
フィリピン 13トン (同70.5%減、同30.0%増)
コロンビア 10 トン (前年同月および前月輸入実績なし)
 
 2015年5月の1トン当たりの輸入価格は、13万3611円(前年同月比17.1%高、前月比6.7%高)と、前年同月から大幅に上昇した(図8)。

 国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りである。

中国 12万4411円 (前年同月比13.4%高、前月比2.4%高)
タイ 12万4862円 (同10.0%高、同1.2%安)
フィリピン 21万7923円 (同8.5%高、同2.1%安)
コロンビア 40万4100円 (前年同月および前月輸入実績なし)
 
【加糖調製品の輸入動向】
5月の輸入量は前月からかなり減少

 財務省「貿易統計」によると、2015年5月の加糖調製品の輸入量は、4万3392トン(前年同月比5.1%減、前月比11.0%減)となった(図9)。

 同月の品目別の輸入量は、次の通りであった。

ミルク調製品 1万1389トン (前年同月比10.9%減、前月比15.4%減)
ソルビトール調製品 9529トン (同17.8%増、同0.1%減)
ココア調製品 8108トン (同8.3%増、同5.4%増)
その他調製品 5860トン (同6.2%減、同15.2%減)
調製した豆(加糖あん) 5130トン (同14.8%減、同19.9%減)
穀粉調製品 3351トン (同33.5%減、同28.9%減)
コーヒー調製品 25トン (同35.5%減、同15.7%減)
 

4. 価格の動き

【市場価格】
 6月の上白糖大袋価格(日経相場)は、東京は1キログラム当たり185〜186円、大阪は同186円、名古屋は同189円、関門は同189円と、前月と同水準で推移した。

 また、同月の本グラニュー糖大袋価格(日経相場)は、東京は同190〜191円、大阪は同191円、名古屋は同194円と、前月と同水準で推移した。

 6月の異性化糖の大口需要家向け価格(果糖分55%、東京、タンクローリーもの)は、1キログラム当たり137円〜138円と、前月と同水準で推移した。

【小売価格】
 日経POSデータ(全国200店舗)によると、6月の小袋(1キログラム)のスーパーにおける上白糖の平均小売価格は、183.7円(前年同月比0.2円安、前月比3.5円安)であった。

 同月の地域別(注)の平均小売価格は、次の通りであった。

北海道 173.8円 (前年同月比0.4円安、前月同)
東北 198.1円 (同7.3円高、同1.6円安)
関東など 181.8円 (同2.2円高、同2.9円高)
首都圏 186.1円 (同0.4円安、同15.6円安)
中部 184.4円 (同4.9円高、同1.1円高)
関西 175.5円 (同6.9円安、同4.4円安)
中国・四国 199.1円 (同0.1円高、同1.6円高)
九州 181.2円 (同0.4円安、同2.4円安)

(注)地域の内訳は次の通りである。以下、グラニュー糖および三温糖も同じである。
   関東など:茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県
   首都圏:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県
   中部:新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県
   関西:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県


 日経POSデータ(全国200店舗)によると、6月の小袋(1キログラム)のスーパーにおけるグラニュー糖の平均小売価格は、225.7円(前年同月比0.3円高、前月比0.7円安)であった。

 同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった。

北海道 185.5円 (前年同月比8.0円高、前月同)
東北 231.6円 (同2.0円安、同0.9円安)
関東など 245.9円 (同0.9円高、同0.4円高)
首都圏 237.7円 (同0.1円高、同2.8円安)
中部 226.7円 (同1.2円安、同0.8円高)
関西 209.2円 (同1.6円高、同1.4円高)
中国・四国 229.6円 (同1.3円高、前月同)
九州 210.8円 (同3.6円安、同2.7円安)

 日経POSデータ(全国200店舗)によると、6月の小袋(1キログラム)のスーパーにおける三温糖の平均小売価格は、219.3円(前年同月比0.1円高、前月比0.3円安)であった。

 同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった。

北海道 235.0円 (前年同月比2.3円安、前月同)
東北 229.9円 (同2.1円高、前月同)
関東など 225.0円 (同4.9円安、同0.5円安)
首都圏 219.2円 (同0.2円高、前月同)
中部 213.0円 (同1.2円高、同0.4円安)
関西 208.6円 (同3.9円高、前月同)
中国・四国 218.8円 (同1.7円高、前月同)
九州 216.5円 (同1.4円高、同1.1円安)

【購入金額および購入量】
 総務省「家計調査」によると、2015年5月の1世帯当たりの砂糖に係る支出金額は、106円(前年同月比12.8%高、前月比20.5%高)となった(図10)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、436グラム(同13.2%増、同2.6%増)となった(図11)。
 
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
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