【生産・輸入動向】
2014/15年度の砂糖生産量は大幅に減少、輸入量は大幅に増加の見込み
2014/15砂糖年度(10月〜翌9月)のサトウキビの収穫面積が141万ヘクタール(前年度比13.2%減)とかなり減少したことに加え、最大生産地である広西自治区が、天候不順により大幅な減産となることから、生産量は8226万トン(同22.7%減)と大幅な減少が見込まれる(
表4)。この減産により、甘しゃ糖の生産量は1061万トン(同21.9%減)と大幅に減少する見込みである。
他方、てん菜の収穫面積は13万ヘクタール(前年度比4.1%減)、生産量は642万トン(同0.2%減)、てん菜糖生産量は80万トン(同1.1%減)の見込みである。この結果、砂糖生産量は1141万トン(同20.7%減)と大幅に減少する見込みである。
一方、中国砂糖協会によると、2014/15年度の製糖は6月で終了し、砂糖生産量(精製糖換算)は、1056万トン(前年度比20.7%減)と前年度を大幅に下回った。これは、てん菜糖生産量が前年度並みであるものの、広西自治区の甘しゃ糖生産量が634万トン(同25.9%減)と大幅に減少していることによる(
図3)。
中国政府は2015年4月、国際価格が下落傾向にある中で国内価格を安定させるべく、2015年の輸入量を350万トンに抑制することを発表し、輸入に対する統制をさらに強めることとした
(注)。
しかしながら、国内需要量から見た砂糖の輸入必要量として506万トン(前年度比40.4%増)が見込まれており、7月の砂糖輸入量は、前年同月の2倍近くに増加している。これは、記録的な低価格水準にある外国産砂糖の引き合いが強くなったためとみられている。
2015/16年度の砂糖生産量はわずかに減少の見込み
2015/16年度は、サトウキビ収穫面積が131万ヘクタール(前年度比7.3%減)とかなり減少するものの、植え付け時の干ばつの影響が懸念されていた広西自治区で、7月に平年以上の降雨がもたらされたことから生産回復が期待されており、生産量は8054万トン(同2.1%減)とわずかな減少にとどまる見通しである。また、てん菜収穫面積は12万5000ヘクタール(同3.6%減)、生産量は624万トン(同2.7%減)と減少する見通しである。この結果、砂糖生産量は、1111万トン(同2.7%減)と見込まれる。
(注)中国政府は2014年11月1日、関税割当(精製糖換算195万トン、枠内関税15%)の枠外(税率50%)で、安価な精製糖の輸入量が増加した結果、国内価格が下落して国内産砂糖の在庫が増加する事態となっていることを受け、輸入割当制度を見直し、枠外で輸入できる業者に登録を義務付けることとした。さらに、2015年1月、枠外数量の上限を190万トンと設定し、実質385万トンの輸入数量の上限を定めていた。