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4. 日本の主要輸入先国の動向(2015年8月時点予測)

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最終更新日:2015年9月10日

4. 日本の主要輸入先国の動向(2015年8月時点予測)

2015年9月

 2014年の甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード1701.14‐110)の輸入量は、132万6355トン(前年比4.0%減)となった。輸入先国のシェアをみると、タイが58.0%(同7.3ポイント増)、豪州が30.0%(同2.5ポイント減)、南アフリカが6.9%(同2.6ポイント増)、フィリピンが3.2%(同4.9ポイント減)、グアテマラが1.7%(同2.6ポイント減)と、この5カ国で輸入量のほぼ全量を占めている(財務省「貿易統計」)。

 主要輸入先国のうちタイおよび豪州は毎月、南アフリカ、フィリピン、グアテマラについては、原則として3カ月に1回の報告とし、今回はフィリピンを報告する。

タ イ

 
【生産・輸出動向】
2014/15年度の砂糖生産量は前年度並み、輸出量は大幅に増加の見込み

 2014/15砂糖年度(10月〜翌9月)のサトウキビの収穫面積は、139万ヘクタール(前年度比2.9%増)、生産量は、北部と中部で干ばつによる生育の遅れがあったものの、1億596万トン(同2.2%増)と、ともにわずかな増加が見込まれる(表6)。サトウキビの製糖歩留まりの低下により、砂糖生産量は1168万トン(同0.4%減)と見込まれている。砂糖の輸出量は、840万トン(同30.9%増)と、前年度に比べ大幅に増加する見込みであるが、依然として在庫量は高水準にある。

2015/16年度の砂糖生産量はわずかに増加の見込み
 2015/16年度は、前年度に引き続きコメからの転換が推進されており、サトウキビの収穫面積は139万ヘクタール(前年度比0.1%増)、生産量は1億610万トン(同0.1%増)と、ともに前年度並みと見込まれる。平均的な製糖歩留まりであれば、砂糖生産量は1182万トン(同1.2%増)と予想される。

 サトウキビ・砂糖委員会事務局(OCSB)(注)が先ごろ発表した2015/16年度の生産予測によると、エルニーニョ現象が強まり、特に東北部で7月に十分な降雨がもたらされたことから、サトウキビ生産量は1億1100万トン前後と7年連続の増産となり、砂糖生産量は1150万トン前後と見込まれる。

(注)タイのサトウキビおよび砂糖関連政策の執行機関である3省(工業省(製糖関係)・農業協同組合省(原料作物関係)・商務省(砂糖の売買関係))とサトウキビ生産者および製糖企業の代表で構成され、工業省内に設置された「サトウキビ・砂糖委員会」の事務局。
 

豪 州

 
【生産・輸出動向】
2014/15年度の砂糖生産量はかなり増加、輸出量は大幅に増加

 2014/15砂糖年度(4月〜翌3月)は、サトウキビの収穫面積が39万ヘクタール(前年度比5.9%増)とやや拡大することから、生産量は3224万トン(同5.6%増)となり、砂糖の生産量は470万トン(同10.7%増)と、前年度に比べかなり増加する見込みである(表7)。また、砂糖の輸出量は増産に伴い359万トン(同16.6%増)と大幅に増加する見込みである。

2015/16年度の砂糖生産量はわずかに増加、輸出量はかなり増加の見込み
 2015/16年度は、サトウキビの収穫面積が41万ヘクタール(前年度比3.6%増)とやや増加が見込まれ、主産地であるクイーンズランド州で懸念されていた降雨量不足も回復しつつあることから、生産量は3380万トン(同4.8%増)とやや増加し、砂糖の生産量は476万トン(同1.3%増)と、わずかに増加する見込みである。

 なお、クイーンズランド州内でも、地域によって砂糖生産状況が異なっている。北部は適度な降雨により前年度比10%増の収穫量が見込まれ、工場も順調に稼働しているという報道がある一方、中部は過度な降雨に見舞われ工場のサトウキビの圧搾が遅れており、今後の天候が注目されている。

 また、砂糖の輸出量は増産に伴い378万トン(前年度比5.3%増)とやや増加する見込みである。

 一方、豪州農業資源経済科学局(ABARES)が発表した6月時点の2015/16年度の生産予測によると、砂糖生産量は490万トン(前年度比4.3%増)、砂糖輸出量は356万トン(同6.3%増)と見込まれる。
 

フィリピン

 
【生産・輸出動向】
2014/15年度の砂糖生産量はやや減少、輸出量は大幅に減少の見込み

 2014/15砂糖年度(10月〜翌9月)のサトウキビの収穫面積は、40万ヘクタール(前年度比5.0%減)とやや減少し、生産量は2328万トン(同6.4%減)とかなり減少し、砂糖の生産量は、232万トン(同5.9%減)とやや減少する見込みである(表8)。

 砂糖の輸出量は、減産に加え、消費が伸びている国内への販売量が増えるため8万トン(前年度比79.4%減)と大幅に減少する見込みである。

 なお、砂糖統制委員会(SRA)(注)が発表した2014/15年度の生産実績によると、7月上旬時点のサトウキビ圧搾量は2328万トン(前年同期比6.3%減)とかなり減少し、砂糖生産量は232万トン(同5.2%減)とやや減少している。

2015/16年度の砂糖生産量はわずかに増加の見込み
 2015/16年度のサトウキビの収穫面積は40万ヘクタール(前年度比増減なし)、生産量は2286万トン(同1.8%減)となり、砂糖生産量は230万トン(同0.7%減)と予想される。

 なお、SRAが先ごろ発表した2015/16年度の生産予測でも、干ばつの影響により、砂糖生産量は230万トンに減少すると見込まれている。

(注)砂糖統制委員会(SRA)は、砂糖の供給管理政策など国内砂糖産業の管理・監督などを実施する政府機関。
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:企画情報グループ)
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