砂糖類の国内需給
最終更新日:2015年9月10日
砂糖類の国内需給
2015年9月
1. 需給見通し
農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。6月に「平成26砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第4回)」を公表した。その概要は以下の通りである(詳細は
2015年7月号を参照)。
2. 異性化糖の移出動向
7月の移出量は前年同月および前月からやや減少
2015年7月の異性化糖の移出数量は、8万8283トン(前年同月比5.1%減、前月比3.0%減)と、前年同月および前月からやや減少した(
図1)。7月の移出量が9万トンを下回ったのは、2012年以来3年ぶりであった。
同月の規格別の移出量は、次の通りであった(
図2)。
果糖含有率40%未満 434トン (前年同月比10.9%増、前月比3.6%増)
同40%以上50%未満 2万1255トン (同5.6%減、同2.2%減)
同50%以上60%未満 6万5883トン (同1.3%増、同3.3%減)
同60%以上 712トン (同86.0%減、同8.6%減)
3. 輸入動向
【分みつ糖の輸入動向】
6月の輸入量は前月から大幅に増加
財務省「貿易統計」によると、2015年6月の分みつ糖の輸入量は、14万9125トン(前年同月比13.2%増、前月比162.5%増)となった(
図3)。輸入先国はタイ、豪州、米国の3カ国であった。
同月の国別の輸入量は次の通りであった(
図4)。
タイ 9万9210トン (前年同月比16.3%増、前月比74.7%増)
豪州 4万9849トン (同7.5%増、前月輸入実績なし)
米国 66トン (同100.0%増、同153.8%増)
2015年6月の1トン当たりの輸入価格は、4万1271円(前年同月比9.9%安、前月比0.5%高)となった(
図5)。
同月の国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
タイ 4万696円 (前年同月比10.2%安、前月比0.5%安)
豪州 4万2189円 (同9.6%安、前月輸入実績なし)
米国 21万1091円 (同24.9%高、同40.3%安)
【含みつ糖の輸入動向】
6月の輸入量は前月から大幅に増加
財務省「貿易統計」によると、2015年6月の含みつ糖の輸入量は、777トン(前年同月比12.2%減、前月比74.6%増)となった(
図6)。輸入先国は中国、タイ、フィリピン、米国の4カ国であった。
同月の国別の輸入量は次の通りであった(
図7)。
中国 671トン (前年同月比9.1%減、前月比2.8倍増)
タイ 64トン (同55.6%減、同64.6%減)
フィリピン 38トン (同12.7倍増、同2.9倍増)
米国 4トン (前年同月および前月輸入実績なし)
2015年6月の1トン当たりの輸入価格は、12万3650円(前年同月比10.5%高、前月比7.5%安)となった(
図8)。
国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りである。
中国 12万2156円 (前年同月比8.9%高、前月比1.8%安)
タイ 11万2094円 (同3.6%高、同10.2%安)
フィリピン 16万4316円 (同27.5%安、同24.6%安)
米国 17万2750円 (前年同月および前月輸入実績なし)
【加糖調製品の輸入動向】
6月のミルク調製品の輸入量は前年同月から大幅に増加
財務省「貿易統計」によると、2015年6月の加糖調製品の輸入量は、4万7768トン(前年同月比0.04%減、前月比10.1%増)となった(
図9)。
同月の品目別の輸入量は、次の通りであった。
ミルク調製品 1万6056トン (前年同月比24.5%増、前月比41.0%増)
ソルビトール調製品 9710トン (同5.4%減、同1.9%増)
その他調製品 7169トン (同0.3%減、同22.3%増)
ココア調製品 6885トン (同2.0%減、同15.1%減)
調製した豆(加糖あん) 4678トン (同20.5%減、同8.8%減)
穀粉調製品 3252トン (同27.6%減、同3.0%減)
コーヒー調製品 17トン (同23.9%減、同30.0%減)
4. 価格の動き
【市場価格】
7月の上白糖大袋価格(日経相場)は、東京は1キログラム当たり185〜186円、大阪は同186円、名古屋は同189円、関門は同189円と、前月と同水準で推移した。
また、同月の本グラニュー糖大袋価格(日経相場)は、東京は同190〜191円、大阪は同191円、名古屋は同194円と、前月と同水準で推移した。
7月の異性化糖の大口需要家向け価格(果糖分55%、東京、タンクローリーもの)は、1キログラム当たり137円〜138円と、前月と同水準で推移した。
【小売価格】
7月の上白糖小袋の平均小売価格は、首都圏で前月から15円上昇
日経POSデータ(全国200店舗)によると、7月の小袋(1キログラム)のスーパーにおける上白糖の平均小売価格は、186.2円(前年同月比1.2円安、前月比2.5円高)であった。
同月の地域別(注)の平均小売価格は、次の通りであった。
北海道 173.8円 (前年同月比2.2円安、前月同)
東北 198.4円 (同1.0円安、同0.3円高)
関東など 180.5円 (同2.7円高、同1.3円安)
首都圏 201.1円 (同0.8円安、同15.0円高)
中部 183.9円 (同3.2円高、同0.5円安)
関西 173.5円 (同10.2円安、同2.0円安)
中国・四国 200.7円 (同3.7円高、同1.6円高)
九州 180.5円 (同1.1円安、同0.7円安)
首都圏で前月から大幅に上昇したことにより、中国・四国を抜き、首都圏が最も平均小売価格が高い地域となった。最も安かった関西と首都圏では27.6円の価格差があった。
(注)地域の内訳は次の通りである。以下、グラニュー糖および三温糖も同じである。
関東など:茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県
首都圏:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県
中 部:新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県
関 西:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県
7月のグラニュー糖小袋の平均小売価格は、九州で前月から5.1円下落
日経POSデータ(全国200店舗)によると、7月の小袋(1キログラム)のスーパーにおけるグラニュー糖の平均小売価格は、225.0円(前年同月比0.4円安、前月比0.7円安)であった。
同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった。
北海道 185.5円 (前年同月比6.7円高、前月同)
東北 231.6円 (同2.9円安、前月同)
関東など 245.9円 (同0.7円安、前月同)
首都圏 237.9円 (同0.4円高、同0.2円高)
中部 225.6円 (同0.1円高、同1.1円安)
関西 209.1円 (同1.5円高、同0.1円安)
中国・四国 229.6円 (同1.3円高、前月同)
九州 205.7円 (同7.8円安、同5.1円安)
最も安かったのは、前月と同じく北海道であった。一方、最も高かったのも前月と同じく関東などで、北海道と60.4円の価格差があった。
7月の三温糖小袋の平均小売価格は、6地域で前月から下落
日経POSデータ(全国200店舗)によると、7月の小袋(1キログラム)のスーパーにおける三温糖の平均小売価格は、218.3円(前年同月比0.2円高、前月比1.0円安)であった。
同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった。
北海道 233.6円 (前年同月比3.7円安、前月比1.4円安)
東北 228.1円 (同1.5円安、同1.8円安)
関東など 224.8円 (同1.5円高、同0.2円安)
首都圏 216.8円 (同2.0円安、同2.4円安)
中部 213.0円 (同1.6円安、前月同)
関西 206.5円 (同1.9円高、同2.1円安)
中国・四国 218.0円(同6.7円高、同0.8円安)
九州 218.6円(同2.8円高、同2.1円高)
最も安かったのは、前月と同じく関西であった。一方、最も高かったのも前月と同じく北海道で関西と27.1円の価格差があった。
【購入金額および購入量】
6月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は前月から大幅に増加
総務省「家計調査」によると、2015年6月の1世帯当たりの砂糖に係る支出金額は、168円(前年同月比1.2%高、前月比58.5%高)となった(
図10)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、603グラム(同9.0%減、同38.3%増)となった(
図11)。
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