2015/16年度の砂糖生産量はかなり増加、輸出量は大幅増の見込み
2015/16砂糖年度(4月〜翌3月)のサトウキビの収穫面積は、41万ヘクタール(前年度比9.1%増)とかなり増加と見込まれ、主産地であるクイーンズランド(QLD)州の特に北部が生育時期の天候に恵まれたことから、生産量は3480万トン(同7.5%増)とかなりの増加が見込まれている(
表7)。これにより、砂糖の生産量は508万トン(同11.1%増)とかなり増加し、インドネシアや韓国への粗糖の輸出が好調なことから、輸出量は416万トン(同22.0%増)と大幅な増加が見込まれている。
一方、豪州農業資源経済科学局(ABARES)が発表した2015年12月時点の2015/16年度の生産予測によると、砂糖の生産量は480万トン(前年度比5.0%増)、輸出量は348万トン(同7.0%増)と、ともに増加が予測されている。
現地報道によると、中国資本であるキンバリー農業投資会社(KAI)が2012年より開発しているオードバレーの砂糖産業用地開発において、西オーストラリア州と北部準州にまたがる一区画の土地所有権についての交渉が難航している。KAIは、オードバレーの砂糖産業の再興を目的としているこの開発では、競争力を再び高めるために、年間300万〜400万トンのサトウキビ生産が可能となる4万ヘクタールの土地が必要であるとしている。しかし、現時点で所有できている土地は、1万7400ヘクタールにとどまっている。
連邦裁判所は2月1日、外資系製糖企業とQLD砂糖公社(QSL)
(注1)との間の訴訟について、企業側の主張を認める判決を下した。
QSLは2015年12月、役員選出に関する規程
(注2)を改正し、会員企業が将来的にQSLを介さず直接粗糖を輸出することを決定している場合は、役員選出委員会の代表指名投票権を認めないこととした。これに対し、2017年以降QSLを介さず独自に粗糖輸出を行うことを発表していた外資系製糖企業3社のうち1社は、QSLの会員から役員選出委員会の代表指名投票権を?奪するのは不当であるとして、規程の改正の撤回を求めて連邦裁判所に提訴していた。
(注1)製糖業界が運営している組織。粗糖輸出および国内販売を行っており、豪州の粗糖輸出の9割を担っている。
(注2)QSLでは役員を決定する際、役員選出委員会を設置する。この委員会は、QSLの会員である製糖企業のオーナーより選出される2名と生産者団体の代表より選出される2名の計4名で組織される。