【生産量】
2015/16年度の主要国の砂糖生産量は、ブラジルやインド、EU、タイ、中国の上位5カ国が、軒並み減少と見込まれている。特にEUは、1500万トン(前年度比20.9%減)と減産幅が顕著である。この要因として、夏の干ばつの影響によるポーランドやドイツなどの減産に加え、前年度の生産量が全域で割当数量を超えた反動で、てん菜栽培面積が減少したことによるものとみられる。
一方、米国は、てん菜、サトウキビともに生育時期の天候に恵まれたことで、803万トン(同2.3%増)とわずかな増加が見込まれている。メキシコは、サトウキビの単収は増加したものの、製糖歩留まりの低下により635万トン(同0.1%増)と前年度並みと見込まれている。
また、ロシアは、てん菜栽培面積の増加や製糖歩留まりの向上に加え、工場稼働率の改善により567万トン(同17.9%増)と過去最高水準の生産量が見込まれている(
図2)。
【消費量】
2015/16年度の主要国の砂糖消費量は、経済成長に伴い1人当たりの消費量が増加しているインドが2748万トン(前年度比3.8%増)、中国が1688万トン(同2.0%増)、インドネシアが639万トン(同1.1%増)、パキスタンが514万トン(同2.3%増)と、アジア圏では、いずれも前年度を上回ると見込まれている。
一方、ブラジル、米国、ロシアは、1人当たりの消費量の低下が見られることから、それぞれ1228万トン(同3.0%減)、1081万トン(同1.2%減)、603万トン(同3.0%減)と減少が見込まれている。
【輸入量】
2015/16年度の主要国の砂糖輸入量は、大幅減産が見込まれているEUが、416万トン(前年度比23.1%増)とインドネシアを抜き中国に次ぐ第2位になると予想されている。しかし、インドネシアも、371万トン(同2.8%減)と、サトウキビの不作により砂糖の生産量が減少することから、依然として高水準の輸入量が見込まれている。
ミャンマーは、タイやインドからの精製糖輸入が急増していることから、208万トン(同224.0%増)と見込まれている。
【輸出量】
2015/16年度の主要国の砂糖輸出量は、最大輸出国であるブラジルが、自国通貨レアル安により輸出が堅調なことから、2512万トン(前年度比1.0%増)と見込まれている。
一方、アジア向けの輸出が好調なタイおよび豪州は、それぞれ971万トン(同18.6%増)、417万トン(同22.1%増)と、ともに大幅な増加が見込まれている。
また、ミャンマーは、タイやインドから精製糖を輸入し、中国へ輸出する動きが活発となっていることから、187万トン(同224.1%増)と急増が見込まれている。
他方、メキシコは127万トン(同16.9%減)、キューバは100万トン(同20.3%減)と、ともに大幅な減少が見込まれている。これは、メキシコは米国への輸出量の減少、キューバはエルニーニョ現象の影響による生産量の減少などが、要因として挙げられる。