砂糖類の国内需給
最終更新日:2016年5月9日
砂糖類の国内需給
2016年5月
1. 需給見通し
農林水産省は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」(昭和40年法律第109号)により、四半期ごとに砂糖および異性化糖の需給見通しを公表している。3月に「平成27砂糖年度における砂糖及び異性化糖の需給見通し(第3回)」を公表した(詳細は
2016年4月号参照)。
2. 異性化糖の移出動向
3月の移出数量は前年同月からかなり大きく増加
2016年3月の異性化糖の移出数量は、7万9919トン(前年同月比11.8%増、前月比36.3%増)と、前年同月からかなり大きく増加し、3月の移出量としては直近3年間で最大となった(図1)。
3月の規格別の移出量は、次の通りであった(図2)。
果糖含有率40%未満 467トン (前年同月比22.1%増、前月比28.7%増)
同40%以上50%未満 2万4トン (同2.7%増、同15.6%増)
同50%以上60%未満 5万8364トン (同14.8%増、同45.0%増)
同60%以上 1085トン (同30.1%増、同46.8%増)
3. 輸入動向
【分みつ糖の輸入動向】
2月の輸入量は前月から大幅に増加
財務省「貿易統計」によると、2016年2月の分みつ糖(HSコード1701.14-110)の輸入量は、6万2033トン(前年同月比21.9%減、前月比2.1倍増)であった(図3)。輸入先国はタイ、米国の2カ国で国別の輸入量は次の通りであった(図4)。
タイ 6万1970トン (前年同月比16.7%減、前月比2.1倍増)
米国 63トン (同3.5倍増、前月輸入実績なし)
豪州からの高糖度原料糖(糖度98.5度以上99.3未満、HSコード1701.14-200)の輸入量は、2万3036トン(前月比33.4%増)であった。
2016年2月の1トン当たりの輸入価格は、4万4980円(前年同月比2.1%安、前月比1.3%安)となった(図5)。
同月の国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
タイ 4万4872円 (前年同月比1.1%安、前月比1.6%安)
米国 15万889円 (同5.5%安、前月輸入実績なし)
【含みつ糖の輸入動向】
2月の輸入量は前年同月から大幅に増加
財務省「貿易統計」によると、2016年2月の含みつ糖の輸入量は、2146トン(前年同月比20.6%増、前月比2.2倍増)となった(図6)。輸入先国はタイ、中国、ボリビア、ブラジル、フィリピン、米国の6カ国であった。
同月の国別の輸入量は次の通りであった(図7)。
タイ 1566トン (前年同月比3.7%増、前月比3.9倍増)
中国 258トン (同89.7%増、同44.9%増)
ボリビア 224トン (同85.1%増、同14.5%減)
ブラジル 56トン (前年同月輸入実績なし、同41.1%減)
フィリピン 34トン (同2.6倍増、同8.1%減)
米国 8トン (前年同月および前月輸入実績なし)
2016年2月の1トン当たりの輸入価格は、13万1931円(前年同月比0.2%高、前月比7.1%安)となった(図8)。
国別の1トン当たりの輸入価格は、次の通りであった。
タイ 12万7261円 (前年同月比3.2%安、前月比4.5%安)
中国 12万6783円 (同3.3%高、同7.2%高)
ボリビア 13万6031円 (同1.5%高、同6.4%安)
ブラジル 24万3250円 (前年同月輸入実績なし、同6.2%高)
フィリピン 16万4529円 (同31.0%安、同34.4%高)
米国 17万9375円 (前年同月および前月輸入実績なし)
【加糖調製品の輸入動向】
ソルビトール調製品の輸入量が前年同月から大幅に増加
財務省「貿易統計」によると、2016年2月の加糖調製品の輸入量は、4万2771トン(前年同月比1.5%増、前月比1.7%増)となった(図9)。
同月の品目別の輸入量は、次の通りであった。
ミルク調製品 1万1184トン (前年同月比2.9%増、前月比5.1%減)
ソルビトール調製品 9268トン (同23.6%増、同6.9%増)
ココア調製品 7594トン (同14.1%減、同6.6%増)
その他調製品 6370トン (同6.0%増、同4.0%増)
調製した豆(加糖あん) 4521トン (同20.0%減、同3.2%減)
穀粉調製品 3798トン (同18.3%増、同4.7%増)
コーヒー調製品 37トン (同34.8%減、同6.4%増)
4. 価格動向
【市場価格】
砂糖、異性化糖ともに前月と同水準で推移
3月の糖種別・地域別の砂糖価格(日経相場)は次の通りであった。
上白糖(大袋)
東京 1キログラム当たり187〜188円
大阪 同188円
名古屋 同191円
関門 同191円
本グラニュー糖(大袋)
東京 1キログラム当たり192〜193円
大阪 同193円
名古屋 同196円
ビート・グラニュー糖(大袋)
東京 1キログラム当たり187〜188円
大阪 同188円
名古屋 同189円
3月の異性化糖の価格(日経相場、大口需要家向け価格、東京、タンクローリーもの、JAS規格品、水分25%)は、次の通りであった。
果糖分42%もの
1キログラム当たり131〜132円
果糖分55%もの
同137〜138円
【小売価格】
3月の上白糖小袋は首都圏で前月比14.4円安
日経POS情報(全国200店舗)によると、3月の小袋(1キログラム)のスーパーにおける上白糖の平均小売価格は、182.7円(前年同月比0.9円安、前月比2.0円安)であった。
同月の地域別(注)の平均小売価格は、次の通りであった。
北海道 164.1円 (前年同月比13.0円安、前月同)
東北 191.4円 (同8.2円安、同0.3円安)
関東など 180.6円 (同3.7円高、同1.7円安)
首都圏 186.8円 (同15.0円安、同14.4円安)
中部 185.3円 (同11.5円高、同1.8円高)
関西 173.4円 (同0.2円高、同2.3円高)
中国・四国 198.5円 (同5.2円高、同2.8円高)
九州 182.5円 (同0.8円安、同1.9円高)
最も高かったのは中国・四国で、最も安かった北海道との価格差は34.4円であった。
(注)地域の内訳は次の通りである。以下、グラニュー糖および三温糖も同じである。
関東など:茨城県、栃木県、群馬県、長野県、山梨県、静岡県
首都圏:東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県
中 部:新潟県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、愛知県
関 西:大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、和歌山県、奈良県
3月のグラニュー糖小袋は中部で前月比14.8円高
日経POS情報(全国200店舗)によると、3月の小袋(1キログラム)のスーパーにおけるグラニュー糖の平均小売価格は、227.5円(前年同月比1.9円高、前月比1.9円高)であった。
同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった。
北海道 177.3円 (前年同月比8.2円安、前月同)
東北 225.5円 (同7.2円安、同0.7円安)
関東など 246.3円 (同1.8円高、同0.1円高)
首都圏 237.6円 (同0.8円安、同0.1円安)
中部 241.9円 (同14.8円高、同13.6円高)
関西 206.4円 (同1.3円安、同2.1円高)
中国・四国 227.4円 (同0.8円高、同0.1円高)
九州 226.6円 (同13.0円高、同3.8円安)
前月と同様に最も高かったのは関東などで、最も安かった北海道との価格差は69円であった。
3月の三温糖小袋は中部で前月比14.3円高
日経POS情報(全国200店舗)によると、3月の小袋(1キログラム)のスーパーにおける三温糖の平均小売価格は、214.7円(前年同月比4.4円安、前月比2.8円高)であった。
同月の地域別の平均小売価格は、次の通りであった。
北海道 218.9円 (前年同月比18.1円安、前月同)
東北 222.2円 (同7.9円安、同2.6円安)
関東など 221.8円 (同3.1円安、同1.6円安)
首都圏 220.6円 (同0.5円安、同7.9円安)
中部 227.1円 (同20.0円高、同14.3円高)
関西 199.2円 (同9.4円安、同0.5円高)
中国・四国 209.2円 (同6.3円安、同1.9円安)
九州 199.7円 (同17.9円安、同1.7円安)
最も高かったのは前月から14.3円上昇した中部で、最も安かった関西との価格差は27.9円であった。
【購入金額および購入量】
2月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は前月から大幅に増加
総務省「家計調査」によると、2016年2月の1世帯(2人以上)当たりの砂糖に係る支出金額は、99円(前年同月比4.2%高、前月比19.3%高)となった(図10)。また、同月の1世帯当たりの砂糖の購入数量は、450グラム(同8.2%増、同30.8%増)となった(図11)。
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