ホーム > 砂糖 > 調査報告 > 平成27年度甘味料の需要実態調査の概要〜異性化糖、ソルビトール調製品、ミルク調製品〜
最終更新日:2016年6月10日
平成26砂糖年度における異性化糖の製品用途別販売割合は、清涼飲料向けが全体の49.6%と最も多く、次いで乳性飲料向け同7.9%、酒類向け同7.7%、調味料向け同7.7%、パン類向け同5.4%、菓子類向け同2.2%と、ほとんどが食品向けに販売されている(図2)。特に清涼飲料、乳性飲料、酒類といった飲料向けが販売量全体の65.2%を占めており、飲料製造企業における消費動向が異性化糖の需要動向に大きな影響を与えると言える。
イ.調達状況
(ア)仕入れ量
平成27年(1〜12月)における仕入れ量は、「1000〜4999トン」5社、「5000〜9999トン」5社、「100トン未満」3社、「100〜999トン」3社、「1万トン以上」1社であった(図4)。使用量の多い企業の製品分類を見ると、「5000〜9999トン」はパン2社、乳製品1社、飲料・乳製品1社、調味料1社、「1万トン以上」は乳製品(乳酸菌飲料)であった。
(イ)仕入れ量の動向
平成27年における仕入れ量の前年からの動向は、「横ばい」が10社と最も多く、次いで「やや減少」5社、「やや増加」4社、「大幅に減少」1社であった(図5)。「やや増加」と回答した企業の製品分類は乳製品2社、パン1社、飲料1社で、増加の理由はすべての社が「使用製品の製造量の増加」であった。
「減少」と回答した企業の製品分類は、「やや減少」は菓子類2社、飲料1社、パン1社、その他食品(漬物)1社で、「大幅に減少」はパンで、減少の理由は4社が「使用製品の製造量の減少」であった。
(ウ)今後の仕入れ見込み
今後の仕入れ見込みは、「横ばい」が14社と最も多く、「やや増加」4社、「やや減少」2社であった(図6)。「やや増加」と回答した企業の製品分類は乳製品2社、飲料1社、パン1社で、増加の理由はすべての社が「使用製品の製造量の増加」であった。「やや減少」と回答した企業の製品分類は飲料1社、乳製品1社で、減少の理由は「使用製品の製造量の減少(乳製品)」であった。
(エ)仕入れ価格の動向
1キログラム当たりの仕入れ価格(平成28年1月時点)について8社から回答が得られた。回答企業の価格帯は、「100円未満」7社、「100〜109円」1社であった。同月のぶどう糖果糖液糖(果糖42%もの)の日経相場は1キログラム当たり131〜132円で、回答企業の仕入れ価格は日経相場よりも低価格であった。
平成27年の仕入れ価格の動向は、「横ばい」が9社と最も多く、次いで「やや下落」5社、「大幅に下落」1社であった(図7)。同年のぶどう糖果糖液糖の日経相場は、年間を通じて同131〜132円で推移したことから、仕入れ価格に大きな変動はなく「横ばい」と回答した企業が多かったとみられる。また、「やや下落」と回答した1社と、「大幅に下落」の理由は、「仕入先との交渉による」であった。
ウ.品質面および調達面に関する評価
品質面および調達面について「満足」「やや満足」「普通」「やや不満」「不満」の5段階で評価した。品質面について18社から回答が得られ、「満足」7社、「やや満足」4社、「普通」7社と、すべての社が「普通」以上の評価であった。また、調達面について17社から回答が得られ、「満足」4社、「やや満足」2社、「普通」9社、「やや不満」1社、「不満」1社であった。「やや不満」の理由は、「ローリー車不足により夏場の配送に不安があるため(乳製品)」であった。
エ.砂糖への切り替えの意向
砂糖への切り替えの意向について16社から回答が得られ、「意向あり」1社、「意向なし」15社で、「意向あり」と回答したのはパン製造企業であった。「意向なし」と回答した企業に対し、砂糖への切り替えの条件を尋ねたところ、「製品の特性に合わないので切り替えは困難」が8社と最も多く、次いで「砂糖価格の低下」2社、「砂糖の品質の改善」1社であった。この他、「液糖タンクから原料を供給しているため切り替えは困難(パン)」との回答もあった。
イ.調達状況
(ア)仕入れ量
平成27年(1〜12月)における仕入れ量は、「1000〜4999トン」が7社と最も多く、次いで「100〜999トン」5社、「100トン未満」4社、「1万トン以上」4社、「5000〜9999トン」3社であった(図9)。仕入れ量の多かった企業の製品分類は、「5000〜9999トン」は飲料1社、パン1社、飲料・乳製品1社、「1万トン以上」は飲料3社、乳製品1社であった。「1万トン以上」と回答した飲料2社の仕入れ量はそれぞれ5万トン以上であった。
(イ)仕入れ量の動向
平成27年における仕入れ量の前年からの動向は、「横ばい」が13社と最も多く、次いで「やや減少」8社、「大幅に増加」2社、「やや増加」2社、「大幅に減少」1社であった(図10)。「増加」と回答した企業の製品分類を見ると、「やや増加」は飲料1社、乳製品1社で、「大幅に増加」は飲料1社、菓子類1社であった。増加の理由は、すべての社が「使用製品の製造量の増加」であった。
「減少」と回答した企業の製品分類を見ると、「やや減少」は飲料4社、乳製品2社、飲料・乳製品1社、菓子・その他食品1社で、「大幅に減少」は飲料であった。「やや減少」の理由は、「使用製品の製造量の減少」6社、「天候不順のため(飲料)」1社であった。平成27年はお盆以降の夏後半が天候不順であったことから飲料の製造量に影響があったとみられる。「大幅に減少」の理由は、「他の甘味料への切り替え」であった。
(ウ)今後の仕入れ見込み
今後の仕入れ見込みは、「横ばい」が17社と最も多く、次いで「やや増加」4社、「やや減少」4社、「大幅に増加」1社であった(図11)。「増加」と回答した企業の製品分類を見ると、「やや増加」は飲料2社、飲料・乳製品1社、パン1社、「大幅に増加」は菓子類であった。増加の理由は、いずれも「使用製品の製造量の増加」であった。
「やや減少」と回答した企業の製品分類を見ると、飲料3社、乳製品1社であった。「やや減少」の理由は、2社が「使用製品の製造量の減少」を、1社(飲料)が「他の甘味料への切り替え」を挙げた。
(エ)仕入れ価格の動向
1キログラム当たりの仕入れ価格(平成28年1月時点)について13社から回答が得られた。回答企業の価格帯は、「100円未満」9社、「100〜109円」3社、「110〜119円」1社であった。同月の果糖ぶどう糖液糖(果糖55%)の日経相場は、1キログラム当たり137〜138円で、回答企業の仕入れ価格は日経相場よりも低価格であった。
平成27年の仕入れ価格の動向は、「横ばい」が17社と最も多く、次いで「やや下落」8社であった(図12)。「やや下落」の理由は、「相場の変動」5社、「仕入先との交渉による」3社であった。同年の果糖ぶどう糖液糖の日経相場は、年間を通じて同137〜138円で推移したことから、仕入れ価格に大きな変動はなく「横ばい」と回答した企業が多かったとみられる。
ウ.品質面および調達面に関する評価
品質面および調達面について「満足」「やや満足」「普通」「やや不満」「不満」の5段階で評価した。品質面は「満足」15社、「やや満足」4社、「普通」8社と、すべての社が「普通」以上の評価であった。また、調達面は「満足」14社、「やや満足」2社、「普通」10社、「不満」1社であった。
エ.砂糖への切り替えの意向
砂糖への切り替えの意向について22社から回答が得られ、「意向なし」20社、「条件が合えば検討する」2社で、「意向あり」と回答した企業はなかった。「意向なし」「条件が合えば検討する」と回答した企業に対し、砂糖への切り替えの条件を尋ねたところ、「製品の特性に合わないので切り替えは困難」が7社と最も多かった。この他、「砂糖価格の低下」4社、「商品コンセプトとの合致」1社などが挙げられた。また、「製品によって、砂糖と果糖ぶどう糖液糖を使い分けている(スープ)」との回答も見られた。
イ.仕入れ量の動向
平成27年における仕入れ量の前年からの動向は、「横ばい」5社、「やや減少」5社、「やや増加」2社であった(図16)。「やや増加」と回答した企業の製品分類はいずれも菓子類で、増加の理由は「使用製品の製造量の増加」であった。「やや減少」と回答した企業の製品分類は菓子類2社、パン1社、菓子類・パン1社、その他食品1社で、減少の理由は「使用製品の製造量の減少」3社、「商品構成の変更(菓子類)」1社、「砂糖への切り替え(菓子類)」1社であった。
ウ.今後の仕入れ見込み
今後の仕入れ見込みは、「横ばい」が8社と最も多く、次いで「やや増加」2社、「やや減少」1社であった(図17)。「やや増加」と回答した企業の製品分類はいずれも菓子類で、増加の理由は「使用製品の製造量の増加」であった。「やや減少」と回答した企業の製品分類はその他食品(総菜)で、減少の理由は「使用製品の製造量の減少」であった。
エ.仕入れ価格の動向
1キログラム当たりの仕入れ価格(平成28年1月時点)について5社から回答が得られた。回答企業の価格帯は「120〜139円」が4社、「140〜159円」が1社であった。
平成27年の仕入れ価格の動向は、「やや上昇」6社、「横ばい」5社であった(図18)。「やや上昇」の理由は、「相場の変動による」3社、「為替の変動による」2社であった。同年のソルビトール調製品の輸入価格は、1キログラム当たり84円(前年比2.8%高)とわずかに上昇したことから、「やや上昇」と回答した企業が多かったとみられる。
イ.仕入れ量の動向
平成27年における仕入れ量の前年からの動向は、「横ばい」が9社と最も多く、次いで「やや増加」6社、「大幅に増加」3社、「やや減少」3社であった(図22)。「やや増加」の理由は「使用製品の製造量の増加」5社、「果糖ぶどう糖液糖からの切り替え(菓子類・飲料・乳製品)」1社であった。「大幅に増加」の理由は「使用製品の製造量の増加(菓子類・乳製品)」1社、「新商品に採用したため(菓子類・飲料)」1社、「コスト削減で液糖から切り替えたため(飲料)」1社であった。
ウ.今後の仕入れ見込み
今後の仕入れ見込みは、「横ばい」が13社と最も多く、次いで「やや増加」6社であった(図23)。「やや増加」と回答した企業の製品分類は乳製品3社、飲料1社、菓子類・乳製品1社、菓子類・飲料1社で、増加の理由はすべての社が「使用製品の製造量の増加」であった。
エ.仕入れ価格の動向
1キログラム当たりの仕入れ価格(平成28年1月時点)について12社から回答が得られた。回答企業の価格帯は、「200〜299円」が6社と最も多く、次いで「300〜399円」3社、「400円以上」2社、「100〜199円」1社であった。
平成27年の仕入れ価格の動向は、「やや下落」が8社と最も多く、次いで「横ばい」5社、「やや上昇」3社、「大幅に下落」2社と、回答企業の半数以上で仕入れ価格の下落が見られた(図24)。同年におけるミルク調製品の輸入価格は、1キログラム当たり190円(前年比14.0%安)と、かなり下落したことから回答企業の仕入れ価格も下落したとみられる。