ホーム > 砂糖 > 調査報告 > 市場調査 > 平成27年度甘味料の需要実態調査の概要〜人工甘味料(アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース)〜
最終更新日:2016年8月10日
(1)使用状況
スクラロースを使用していたのは52社のうち23社で、調査対象企業の44%を占めた。用途別の企業数(延べ数)は、「飲料向け」が9社と最も多く、次いで「乳製品向け」6社、「菓子類向け」5社、「調味料向け」2社、「パン向け」1社、「その他食品向け」5社であった。なお、飲料向けは炭酸飲料、果汁飲料、コーヒー飲料、紅茶飲料、乳飲料、チューハイなど、菓子類向けはキャンディ、ガム、グミなど、調味料向けはドレッシングなど、その他食品向けは漬け物、栄養補助食品などであった。
スクラロースを使用する理由として、「カロリー低減のため」が14社と最も多く、次いで「他の人工甘味料と併用して甘みを調整するため」8社、「甘みが製品の特性に合っているため」「コスト削減のため」がそれぞれ5社であった(図13)。
(2)調達状況
ア.仕入れ量
平成27年における仕入れ量は、「1トン未満」が11社と最も多く、次いで「1〜9トン」7社、「10〜49トン」1社となった(図14)。「1トン以上」と回答した企業の用途は、飲料向けであった。なお、回答が得られた19社のスクラロースの使用量を甘味度に基づき砂糖の使用量に換算すると、最低でも1万8000トンに相当する量となる。
使用するスクラロースの原産国は、14社から回答が得られ、「シンガポール産」が6社と最も多く、次いで「豪州産」3社、「米国産」「英国産」「中国産」「米国産と中国産の併用」「豪州産とシンガポール産の併用」がそれぞれ1社であった。
イ.仕入れ量の動向
平成26年と比較した平成27年の仕入れ量の動向は、「横ばい」が15社と最も多く、次いで「やや減少」4社、「やや増加」2社であった(図15)。「やや減少」と回答した企業の用途は飲料向け、菓子類向け、パン向けで、その理由はいずれも「使用製品の製造量が減少したため」であった。一方、「やや増加」と回答した企業の用途は飲料向けで、その理由は「使用製品の製造量が増加したため」であった。
ウ.今後の仕入れ見込み
今後の仕入れ見込みは、「横ばい」が15社と最も多く、次いで「やや減少」「やや増加」がそれぞれ2社であった(図16)。「やや減少」および「やや増加」と回答した企業の用途は、いずれも飲料向けであった。
エ.仕入れ価格の動向
1キログラム当たりの仕入れ価格は、「1万円台」が5社と最も多く、次いで「3万円台」4社、「5万円以上」「4万円台」「1万円未満」がそれぞれ1社であった(図17)。
平成26年と比較した平成27年の仕入れ価格の動向は、「横ばい」が14社と最も多く、次いで「やや下落」6社であった(図18)。「やや下落」の理由としては、「為替が変動したため」「仕入先と交渉したため」であった。
(3)品質面および調達面の評価
「満足」「やや満足」「普通」「やや不満」「不満」の5段階評価において、品質面については、「満足」9社、「やや満足」3社、「普通」6社であった(無回答5社)。
調達面については、「満足」7社、「やや満足」1社、「普通」9社、「やや不満」1社、「不満」1社であった(無回答4社)。「やや不満」および「不満」とする理由としては、「中国産と比べ高価」「仕入れ価格が高い」などの回答があった。中国以外の国から仕入れている企業にとっては、価格面に不満を抱いていることがうかがえる。
(4)砂糖への切り替えの意向
今後の砂糖への切り替えの意向は、「意向なし」17社、「条件が合えば検討する」2社で、残り4社は無回答であった。さらに、どのような条件であれば砂糖に切り替えるのか質問したところ、10社から回答が得られ、「製品の特性に合わないので切り替えは困難」が7社と最も多く、「砂糖価格の低下」は3社であった。なお、今後の砂糖への切り替えの意向において「条件が合えば検討する」と回答した企業2社の切り替えの条件は、いずれも「砂糖価格の低下」であった。