2015年農林業センサス結果の概要
最終更新日:2016年10月11日
2015年農林業センサス結果の概要
2016年10月
農林水産省 大臣官房統計部 経営・構造統計課
センサス統計室 鹿野 龍巳
1.はじめに
2015年農林業センサスは、食料・農業・農村基本計画および森林・林業基本計画に基づく諸施策ならびに農林業に関する諸統計調査に必要な基礎資料を整備することを目的として実施した。
以下では、農林業活動を営む農家や会社などの活動主体の動向を把握した農林業経営体調査結果の中から、農業経営体全体と工芸農作物を主体とする鹿児島県および沖縄県の農業経営体(全国のさとうきび栽培面積の73%をカバーしている。)の動向について、その概要を紹介する。
2.全体と工芸農作物を主体とする鹿児島県および沖縄県の農業経営体の動向
(1) 農業経営体数
農業経営体のうち、家族経営体数は134万4千経営体で、5年前に比べて18.4%減少した一方、組織経営体数は3万3千経営体で6.4%増加した(
表1)。
農業経営体のうち法人経営数は2万7千経営体で、5年前に比べて25.3%増加した(図1)。
特に、組織経営体の法人経営数は2万3千経営体で、5年前に比べて33.4%増加した。この結果、組織経営体に占める法人経営の割合は69.1%となった。
また、法人経営の内訳を見ると、会社法人数は1万7千経営体、農事組合法人数は6千経営体となり、5年前に比べてそれぞれ27.6%、53.1%増加した。
鹿児島県および沖縄県の工芸農作物単一経営
(注)の農業経営体数を見ると、家族経営体の減少により農業経営体数は1万1974経営体で、5年前に比べ10.4%減少した(
表2)。
また、組織経営体を中心とした法人経営の進展により、法人経営数は268経営体で16.5%増加した。
注: 「工芸農作物単一経営」とは、農産物販売金額の8割以上を工芸農作物による販売金額が占める経営をいう。
(2)農業経営体当たりの経営耕地面積の状況
経営耕地のある農業経営体の1経営体当たりの経営耕地面積は2.5ヘクタール(北海道26.5ヘクタ ール、都府県1.8ヘクタール)で、5年前に比べて16.0%(北海道12.9%、都府県14.5%)増加した(
図2、
表3)。
また、経営耕地面積に占める借入耕地面積の割合は33.7%となった。
鹿児島県および沖縄県の工芸農作物単一経営の1経営体当たりの経営耕地面積は222アールで、5年前に比べて3.2%増加した(
表4)。
(3) 農産物販売金額規模別に見た農業経営体数の状況
農産物販売金額規模別に農業経営体数を見ると、5年前に比べて3000万円以上層で、規模が大きくなるに従って増加率が高くなっている(
図3)。
鹿児島県および沖縄県の工芸農作物単一経営について、農産物販売金額規模別に農業経営体数を見ると、5年前に比べて3000万円以上層で増加している(
図4)。
(4) 雇用労働の状況
農業経営体の常雇いは22万人で、5年前に比べて43.3%増加した(
表5)。
また、臨時雇い(手伝いなどを含む。)は145万6千人で33.1%減少した。
この結果、雇用労働総延べ人日は3.5%増加した。このうち、組織経営体では、常雇いの延べ人日の割合は80.3%となっている。
また、常雇いを年齢階層別に見ると、45歳未満が42.4%を占めている(
表6)。
鹿児島県および沖縄県の工芸農作物単一経営の常雇いは1011人で、5年前に比べて21.2%増加した(
表7)。
また、常雇いを年齢階層別に見ると、45歳未満の割合は42.3%となっている。
3.おわりに
今回の調査結果からは、全体的な傾向と同様に、鹿児島県および沖縄県の工芸農作物単一経営においても、家族経営体が減少する一方、法人経営や組織経営体の着実な進展、経営規模や雇用労働の拡大が見られたところである。
今回ご紹介した雇用労働は農業経営体の労働力の一部であり、農業経営体の労働力には、家族経営体の世帯員労働や組織経営体の経営者・役員など(協業経営などの構成員労働を含む。)の労働もあるため、それらも含めた詳細な集計結果は、今後、随時刊行される報告書や当省HPにおいて掲載していくのでご参照ください。
なお、2015年農林業センサスを実施できなかった東京電力福島第1原子力発電所の事故による避難指示区域(平成26年4月1日時点の避難指示区域)内の福島県楢葉町、富岡町、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村および飯舘村の全域ならびに南相馬市、川俣町および川内村の一部地域の結果(22年調査時点で5,542農林業経営体が所在。)は27年値に含まれていないことにご留意ください。
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