英国の調査会社Agra CEAS Consulting(農産物の需給などを調査する英国の大手民間調査会社)の2016年9月現在の予測によると(以下、特段の断りがない限り同予測に基づく記述)、2015/16年度(10月〜翌9月)の世界の砂糖生産量は、1億7366万トン(粗糖換算(以下、特段の断りがない限り砂糖に係る数量は粗糖換算)、前年度比4.2%減)とやや減少が見込まれている(
表1)。これは、主要生産国であるインド、EU、タイ、中国が、エルニーニョ現象の影響や収穫面積の減少などにより、減産と予測されているためである。
同年度の世界の砂糖消費量は、1億8097万トン(同1.2%増)と見込まれ、生産量を上回るとの予想から、世界の砂糖需給のひっ迫化が懸念されている。期末在庫率は、砂糖生産量の減少および消費量の堅調な増加により、前年度から6.1ポイント低下し、38.9%と見込まれている。
また、2016/17年度も砂糖の消費量が生産量を上回る状況は続くとみられ、期末在庫率は33.5%とさらに低下すると予想されている。地域別の砂糖需給は
図1の通りとなっている。