英国の調査会社Agra CEAS Consulting(農産物の需給などを調査する英国の大手民間調査会社)の2016年12月現在の予測によると(以下、特段の断りがない限り同予測に基づく記述)、2016/17砂糖年度(10月〜翌9月)の世界の砂糖生産量は、1億7744万トン(粗糖換算(以下、特段の断りがない限り砂糖に係る数量は粗糖換算)、前年度比1.6%増)とわずかな増加が見込まれている(
表1)。これは、主要生産国であるブラジルとインドを除いた大半の地域で、生産量の回復が見込まれているためである。特に、前年度に在庫抑制などの要因から大幅減産となったEUは、2017年9月末の生産割当廃止を目前に、生産量の増加が見込まれている。
また、同年度の世界の砂糖消費量は、人口増加や経済成長に伴い主にアジアやアフリカにおいて堅調に推移していることから、1億8370万トン(同1.5%増)とわずかな増加が見込まれている。
前年度に続き、2016/17年度も砂糖消費量が生産量を上回ることから、期末在庫率は33.9%(同4.7ポイント減)と見込まれ、世界の砂糖需給のひっ迫化の進行が懸念されている。なお、地域別の砂糖需給は
図1の通りとなっている。